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2022年12月18日 (日)

シス・カンパニー企画製作「ショウ・マスト・ゴー・オン」世田谷パブリックシアター

<2022年12月17日(土)昼>

「マクベス」を上演する劇場の舞台袖。客入りは好調なものの酒癖の悪い主演は連日の飲みすぎで体調不良、演奏担当の一人も体調不良、叱ったスタッフは劇場に来ない、と頭の痛い舞台監督。プロデューサーの社長の判断で開演することにしたものの、関係者しかいるはずのない舞台袖に次々と人がやってくる。ようやく開演したもののトラブルがトラブルを呼ぶ。果たして無事終演できるかどうか。

三谷幸喜お得意の、固定された場所とトラブルが起きやすいシチュエーションを設定したウェルメイドコメディ。東京サンシャインボーイズ時代の脚本で初演1991年、再演1994年のものを、現代設定に合うように大幅に書換えたらしいです。設定がおいしいのでいくらでも書換えられるでしょう。すごくよくできた脚本です。

よくできた証拠に、前半に出てきた話題と大道具と小道具が、後半で全部使われる。後半を書いてから前半を書いたんじゃないかというくらいの繋がりです。名前だけで劇場に来ない登場人物と何故か劇場に来る登場人物が、普通に考えたらはちゃめちゃな設定ですが、それがどうした、面白ければ正義、という勢いがあります。やや客席の勢いが弱い回でしたけど、それでも笑いました。

で、笑っておいてなんですけど、微妙に乗りきれないところのある芝居でもありました。

ひとつは劇場設定。役者が2人、舞台袖スタッフが舞台監督を入れて3人だけで回しているわりに、劇場は半分ネタでシアターポクーン(シアターコクーンのもじりですよね)って台詞があるとか、いつかは大きな劇場で働けるようにならないとって台詞があるとか、観ていて劇中の劇場の規模感が一定しなくてもやもやしました。今回の会場の世田谷パブリックシアターって椅子で612席、立見を入れたら700人が入る中規模な劇場なんですけど、それ以上に構えが立派で天井も高いので大劇場っぽいんですよ。それを今回3階席から観ていたので、無意識に大劇場を想定していました。今回のチケット代がS席だと11000円だったのも無意識を後押ししていました。

初演が下北沢本多劇場、再演が(東京だと)紀伊国屋ホールで、当時ならチケット代は数千円だったでしょうから、そのころだとぴったりハマったのだと思います。ここらへんは脚本と興行のすれ違いです。

もうひとつは上演中の芝居(マクベス)の理解度が登場人物と一致していないところがある。理解度が高い側だと脚本家役の今井朋彦とか演奏時に舞台を覗く仕草を入れる(本当に演奏役の)荻野清子とか、理解度が乏しい側だと当日に代打で演奏を引受けたから演奏タイミングを忘れていて慌てて戻る峯村リエとか、このあたりの人たちは正しい。釈然としなかったのは詳しくてしかるべきはずの舞台袖スタッフの3人は、演技はよくても脚本(ショウ・マスト・ゴー・オン)の役のマクベス知識に届いていなかった。ここは突っ込みたい。

はちゃめちゃな設定でもよくできた脚本ですけど、見えないところに求められるリアリティが多い脚本でもあります。上演を中止した損害を計算して払戻し手続を把握したうえでの上演途中中止の提案とか、難しい(すでにチケットをもぎったあとだから現場で払戻しが最善だけど夜の回だったはずで払戻金を手元に用意できるのか、みたいな)。これだけ芸達者を揃えても上演するには手強い、面白い脚本を面白く立ちあげるのは難しいというのを久しぶりに観た芝居でした。

あとは配役表がないのと舞台が遠かったのとで、観なれない役者は誰が誰だかわからなかったのが客としてつらい。載っているサイトがあったら誰か教えてください。

<2022年12月23日(金)追記>

怪我と新型コロナウィルスとで役者が休演すると三谷幸喜が代打を続けてきましたが、ついに主役の舞台監督まで代打で登場することになりました。このまま完走した場合の代役メモを残しておきます。

福岡公演
全公演で小林隆(万城目充役)が三谷幸喜
11/07 昼
11/08  夜
11/09 昼夜
11/10 休
11/11 昼
11/12 昼夜
11/13 昼

京都公演
全公演で小林隆(万城目充役)が三谷幸喜
11/17 昼夜
11/18 昼
11/19 昼夜
11/20 昼

東京公演
小林隆復帰
シルビア・グラブ(あずさ役)が三谷幸喜
11/25 昼
シルビア・グラブ復帰
11/26 昼夜
11/27 昼
11/28 休
11/29  夜
11/30 昼夜
12/01 昼
12/02 昼
浅野和之(鱧瀬医師役)が三谷幸喜
12/03 昼夜 中止
12/04 昼  中止
12/05 休
12/06  夜
12/07 昼夜 昼のみ中止
12/08 昼
12/09 昼
12/10 昼夜
12/11 昼
12/12 休
浅野和之復帰
12/13 夜
12/14 昼夜
12/15 昼
12/16 昼
12/17 昼夜
12/18 昼
12/19 休
12/20  夜
鈴木京香(進藤役)が三谷幸喜
12/21 昼夜 中止
12/22 昼  中止
12/23 昼  中止
12/24 昼夜 昼のみ中止
12/25 昼
12/26 昼夜 昼は追加公演
12/27 昼

52ステージ(追加公演を入れたら53ステージ)中、フルメンバーで上演されたのは11/26-12/02と12/13-12/20の17ステージ、三谷幸喜が代打を務めたのが27ステージ、中止になったのが9ステージという、代打ステージのほうが多い結果となりました。自分が観たのは数少ないフルメンバー公演だったので、その点はついていました。

普段は役者の三谷幸喜にあまり好印象がないのですが、今回ばかりは「ショウ・マスト・ゴー・オン」を体現した三谷幸喜に拍手を送ります。

そしてこれを書いていて気がついたのですが、これだけのメンバーを揃えた鉄板公演であるにも関わらず、昼公演のほうが夜公演より回数が多いです。平日夜公演って今はそこまで駄目なのでしょうか。

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