松竹主催「霊験亀山鉾」歌舞伎座
<2023年2月23日(木)夜>
相手を闇討ちにし、敵として追われる身である浪人の藤田水右衛門。その石井家の弟に敵討ちとして見つかるも策を弄して返討ちにする。藤田家ゆかりの者たちに手引きで逃げる水右衛門だが、石井家の関係者がなお敵討ちで追い続ける。
前回の国立劇場から歌舞伎座に移って仁左衛門の一世一代。なんか記憶にある筋書きと微妙に違う気がする。時間を短くするために多少辻褄を合せたのかもしれない。それで仁左衛門の出番もやや減っているような。
仁左衛門は相変わらず悪い役で恰好よかった。ただ前回は今回より良席で観られたという差を考えても、ややパワーが落ちてぎりぎり感がある。ここで一世一代の判断は正しい。その分というか二役の隠亡の八郎兵衛が、特に揚屋の場面がよい感じ。芝翫の源之丞は水右衛門との差を出そうとしたせいかちょっとおちゃらけすぎ感がある。
場面転換で幕を引いた前を使って、狼退治とか瓦版とかをいれることで客を待たせる時間が少ないのは良い工夫。こういうのはもっとやっていいと思うのですよね。
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