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2023年6月23日 (金)

2023年上半期決算

恒例の決算、上半期分です。

(1)パルコ企画製作「志の輔らくご in PARCO」PARCO劇場

(2)風姿花伝プロデュース企画製作「おやすみ、お母さん」シアター風姿花伝

(3)パルコ企画製作「笑の大学」PARCO劇場

(4)松竹主催「霊験亀山鉾」歌舞伎座

(5)ナイロン100℃「Don't freak out」ザ・スズナリ

(6)Bunkamura企画製作「アンナ・カレーニナ」Bunkamuraシアターコクーン

(7)松竹主催「四月大歌舞伎 夜の部」歌舞伎座

(8)新国立劇場主催「エンジェルス・イン・アメリカ(第一部、第二部)」新国立劇場小劇場

(9)株式会社パルコ企画製作「ラビット・ホール」PARCO劇場

(10)イキウメ「人魂を届けに」シアタートラム

(11)ホリプロ企画制作「ファインディング・ネバーランド」新国立劇場中劇場

(12)国立劇場主催「菅原伝授手習鑑 初段/二段目」国立劇場小劇場

(13)木ノ下歌舞伎「糸井版 摂州合邦辻」神奈川芸術劇場大スタジオ

(14)インプレッション製作「ART」世田谷パブリックシアター

(15)新国立劇場主催「白鳥の湖」新国立劇場オペラパレス

(16)野田地図「兎、波を走る」東京芸術劇場プレイハウス

以上、作品の括りでは16本、チケットの括りでは18本、隠し観劇はなし、すべて公式ルートで購入した結果、

  • チケット総額は 164700円
  • 1本あたり(チケットあたり)の単価は 9150円

となりました。なお各種手数料は含まれていません。

また今シーズンも映画館で芝居映像を観ました。

(A)National Theater Live「レオポルトシュタット

こちらは1本のみで、

  • チケット総額は 3000円
  • 1本あたりの単価は 3000円

です。各種手数料が含まれていないのは同じです。

チケット総額も単価もかさみました。こんなに観ないつもりだったのですが、いろいろあったところに、劇場閉館前だとか、有名演目だとか、仁左衛門を観たいとか、未開拓分野に挑戦したいとか、そういういろいろもあってこうなりました。落語に歌舞伎にミュージカルにバレエに文楽は、さすがにやりすぎでした。

そして、これだけ観ても他に能狂言、オペラ、宝塚が足りないから、本当に日本の舞台は幅が広い。宝塚はまだ観たことがありませんが、個人的にはジャンルと思っています。

その分だけ数が少なかったいわゆる演劇ですが、翻訳物が多いですね。これだけ観て日本の現代芝居が(3)(5)(10)(16)の4本だけです。

寸評ですが、不慣れなジャンルは飛ばすとして、絶賛の(3)と圧巻の(16)、他の時期なら一番扱いになってもおかしくなかった完成度の(9)、好みは別れても劇団史上最高に繊細な作りの(10)、癖があっても見どころ十分だった(1)(6)(13)(14)でした。ここで(3)(16)は甲乙つけられません。一般受けなら(3)ですが、(16)に打ちのめされずして何の演劇趣味かとも思います。

観た数が増えた割りに、ブログは低調でした。いろいろあったのですが、いろいろあって、観劇録以外のブログがほとんど書けませんでした。

あとは、なんだか芝居を観て1本当たりで受取る情報量が増えた気がします。もともとそうなることを願っていたのですが、これが嬉しいかというと、必ずしもそうではありませんでした。昔は情報量が増えれば物語をもっと深く掘って客として楽しめるイメージでいました。今は物語以外の情報、たとえば現実との比較だったり、あるいは製作プロセスに関する想像だったり、評論家のような情報量が増えてしまって、素直に楽しむのがむしろ難しくなっています。

そしてその分だけブログで書きたいことを整理する必要があり、観て感想を書くまでの時間が長くなりました。それを諦めたのが(16)のエントリーです。普段からもっと雑な感想を心がけたほうがいいんじゃないかという気分になっています。バランスが難しいですね。

世間では新型コロナウィルスが二類から五類に移行して、コロナ明けみたいな雰囲気になっています。劇場のチケット購入から入場までの手続もほぼ元に戻っています。が、分類でウィルスがいなくなってくれるものではありませんので、そこはまだ警戒を続けたいと思います。

引続き細く長くのお付合いをよろしくお願いします。

2023年7月8月のメモ

7月下旬からお盆前に固まりすぎですね。

・タカハ劇団「おわたり」2023/07/01-07/09@新宿シアタートップス:新しいシアタートップスに行ってみたくてピックアップ

・TBS/Bunkamura/VIS A VISION/ぴあ/ローソンチケット/TOKYO FM主催「ウエスト・サイド・ストーリー」2023/07/05-07/23@東急シアターオーブ:観たことありますけど名作だからピックアップ

・劇団東京ヴォードヴィルショー「その場しのぎの男たち」2023/07/21-07/30@紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA:三谷幸喜脚本

・CEDAR「逃亡」2023/07/26-07/30@OFF・OFFシアター:既存名作上演劇団としてたまに名前を聞くのでピックアップしたと思ったら天安門事件を元にした芝居

・asatte produce「ピエタ」2023/07/27-08/06@本多劇場:小説原作を小泉今日子が文句あるかの女優陣を集めて舞台化

・範宙遊泳「バナナの花は食べられる」2023/07/28-08/06@神奈川芸術劇場中スタジオ:岸田戯曲賞受賞作

・日生劇場/NHKエンタープライズ企画製作「精霊の守り人」2023/07/29-08/06@日生劇場:原作好きなんですけど観るものかいなどうしようかいなと思ってとりあえずピックアップ

・あやめ十八番「六英花 朽葉」2023/08/05-08/09@座・高円寺1:一度観ておきたくてピックアップしたのだけど、大正ロマンと昭和モダンが単なるダブルキャストなのか2本立てなのかがいまいちわからず

・パルコ企画製作「桜の園」2023/08/08-08/20@PARCO劇場(2023/08/07プレビュー):古典なのでピックアップ

・松竹製作「新門辰五郎」2023/08/05-08/27@歌舞伎座:夏の顔見世興行はこれですかね

・シス・カンパニー企画製作「いつぞやは」2023/08/26-10/01@シアタートラム:よくわからないですけど何となくピックアップ

・国立劇場主催「菅原伝授手習鑑 三段目/四段目/五段目」2023/08/31-09/24@国立劇場小劇場:実際には第一部と第二部でやって、第三部は「曾根崎心中」で、国立劇場最後の公演

予算的にはここは控えめにして秋以降に備えたいところです。

野田秀樹のヒロインが務まる女優がこれから出てくるか

新作ごとにどんどん扱う話題が重くなる野田地図ですが、「兎、波を走る」までいくと、もう普通の役者では背負いきれない話だなと思いました。だから高橋一生と松たか子というメインキャスティングに、多部未華子というサブヒロインはいい組合せでした。

ここ10年くらい、どんな人が出ていたっけと思って書いてみました。海外公演とか演劇道場とか、抜けているのがあるのはご容赦を。

・2012年「エッグ」妻夫木聡と深津絵里
・2013年「MIWA」これは未見ですけどまあ宮沢りえ主人公ですよね
・2015年「エッグ」同キャスト再演
・2016年「逆鱗」阿部サダヲと松たか子、このときの井上真央は良かった記憶があるけど脇でした
・2017年「足跡姫」妻夫木聡と宮沢りえ、このときから鈴木杏が良くなった記憶があるけど脇でした
・2018年「贋作 桜の森の満開の下」妻夫木聡と深津絵里、このときの天海祐希は名人の1人で門脇麦の早寝姫のほうがヒロインに近いけど脇でした
・2019年「Q」上川隆也と松たか子、志尊淳と広瀬すずの二組でしたけど、重い話をより多く背負ったのは上川隆也と松たか子です
・2021年「フェイクスピア」これは高橋一生主人公、このときの前田敦子は脇でした
・2021年「THE BEE」これは未見ですけど阿部サダヲと長澤まさみ
・2022年「Q」同キャストで再演

ヒーローは大雑把に、妻夫木聡と阿部サダヲと上川隆也と高橋一生です。そこに志尊淳が絡みました。

何となくですけど、ヒーローはこの後も出てくるような予感がするんですよね。最近の社会派な野田秀樹作品も、夢の遊民社時代も、その間も。名前は挙げませんが、スケジュールを押さえられるかはさておき、キャスティング候補に悩むことはなさそうです。

ヒロインは大雑把に、松たか子と宮沢りえと深津絵里のローテーションです。

そこに、広瀬すずとか長澤まさみとか多部未華子が少し入ってくる形ですが、どうでしょう。この人たちが「兎、波を走る」の松たか子の役を演じて、務まったでしょうか。務めて化けたかもしれないけど、きつかったんじゃないかと思います。

それだけ松たか子と宮沢りえと深津絵里は女優として大物なわけですが、中でも野田秀樹の言葉遊びと詩的な台詞をこなしつつ真面目な話題に耐えうる松たか子の強度はピカイチです。この「強度」というのが曲者で、これを持合せたヒロインが見つかるかというと、なかなか思いつかない。強度を持ったうえで実力、知名度、実績と揃った女優だと私は小池栄子が思い浮かびますが、小池栄子が野田地図に合うかと言われると、合わないよなあとなります。ちなみに宮沢りえは言葉遊びと詩的な台詞をこなしつつ人間のドロッとしたところを掴み取るのが上手い人ですね。深津絵里はその間です。異論は認めます。

調べたら野田秀樹は67歳でした。年に1本の上演で、再演も混ぜながらとなると、これから作られる新作は10本を切るでしょう。だったら松たか子と宮沢りえと深津絵里をローテーションして、サブヒロインを用意すればいいじゃないかという考えも湧きますけど、たぶんそう決めた瞬間に舞台が死にます。再演はさておき、新作できつい話を背負えるヒロインの務まる女優はなんとか発掘できないでしょうか。探せば名手はいるものなので、どこかには、いるはずですが。有名なワークショップでも見つかっていないとなると、いったいどこにいるんだろうという話です。

ちなみにそういう話を抜きにして新作でなく再演期待で言えば、近年上演演目の中では「足跡姫」が一番です。これはおそらく、いまの勘九郎が勘三郎を襲名するまで取ってありますよね。襲名披露の一環で歌舞伎座で「足跡姫」を上演、併せて野田地図でも上演すると予想します。なら時期はいつかというと、勘九郎の年齢と勘三郎の襲名年齢から10年後と予想されますが、できれば5年以内に再演してほしいです。

2023年6月19日 (月)

緊急口コミプッシュ:野田地図「兎、波を走る」東京芸術劇場プレイハウス

感想はこちら。といっても感想らしい感想が書けない。まあ観てください。

野田地図「兎、波を走る」東京芸術劇場プレイハウス

<2023年6月18日(日)昼>

潰れかけた遊園地に子供のころに母親と見た不思議の国のアリスを再現したいと願いアトラクション構築中のオーナー。だが借金が過ぎて競売にかけられるのも間近となっている。そんな遊園地で娘を探して迷子相談所にやってきた女性だが、他の迷子かとおもいきや兎の後を追って娘を探しに行く。

不思議の国のアリスに、桜の園と、他の物語と、作家の話題と、昔の社会事件と、いまどきの話題をかき集めてきて、最後の着地点はそこかという芝居。個人的には「逆鱗」よりも「Q」よりも「フェイクスピア」よりもすごかったし、観てきつかった。

普通の人が普通にやったら怒っただろうし、上手にやっても怒ったと思う。でも作家の話の一環で「書かされている」って出てきたのが、皮肉な意味と作家の業の意味と両方に係っていたところで、シャッポを脱いだ。今なら野田秀樹が真摯に書けば「あり」です。チラシの「なんともいたたまれない不条理」「作家の無力をこれほど感じることはない」「『あー』としか言いようがない」は、本心でしょう。最後にきつい話題に振ってくるところは、なるべく高橋一生と松たか子と多部未華子(と山崎一とコロス)にしか触らせないように、茶化さないように気を付けていましたね。役者の格で許される話題というものがある。

コロスの動きや使い方もこなれていましたし、映像の使いどころも上手でした。美術、照明、音楽、衣装まではまって、素晴らしかった。

ネタばれがほしい人は、たぶん検索すればいろんな人が書いているだろうから、そちらを観てください。野田秀樹らしい言葉遊びもあって慣れない人には観るのが大変なのはいつも通りですけど、自分はネタばれなしで観て衝撃が大きかった。けど、黙っているべき話題ではないあたりが、難しい。

あと当日券狙いの人に注意。今回は力技で当日券をもぎ取ったのですけど、並ぶ場所になっている東京芸術劇場の2階は暑い。地下1階の涼しさと全然違います。入口前に申し訳程度に扇風機が動いているくらいで、屋根の作りのせいか角を曲がったあたりからぐっと暑くなる。この日はまだ大丈夫でしたけど、猛暑日に並んだら熱中症が危ないので、取れる限りの対策を取って並びましょう。

<2023年6月19日(月)追記>

山崎一の名前が抜けていたので追記。

2023年6月16日 (金)

座・高円寺の芸術監督が佐藤信からシライケイタに交代

公式にリンクしようと思いましたけどPDFだからステージナタリーに貼ります。

座・高円寺では、現芸術監督である佐藤信が6月30日をもって任期満了を迎えることに伴い、杉並区によって次期芸術監督を募集していた。74名から応募があり、杉並区立杉並芸術会館芸術監督選考委員会にて審査を行った結果、このたびシライが次期芸術監督に選ばれた。なおシライの芸術監督としての任期は7月1日から2028年6月30日までの5年間だが、再任も可能となっている。

現芸術監督の佐藤信は1943年生まれなので、今年80歳です。そこからシライケイタは1974年7月生まれなので就任時点では48歳。ここから2期10年または3期15年、馬力をかけて盛上げてくれというのが選んだ側からしたら理由のひとつでしょう。

調べてみたら、座・高円寺が開館したのが2009年なので、佐藤信は66歳から初代芸術監督を3期15年にわたって務めたことになります。ただ、その前は世田谷パブリックシアターの初代芸術監督を1997年から2002年まで1期5年務めています。新劇場の立上げを、しかも面倒くさそうな公立(区立)の劇場を連続でやったのは、さすがに厳しかったろうと思います。蜷川幸雄がシアターコクーンの芸術監督に就いたのは64歳でしたがそれより年齢は高く、さらにあちらは串田和美が初代芸術監督を務めた後なので難易度も違ったでしょう。

ただ、自分は温泉ドラゴンを見たことがないので、シライケイタの作風がわかっていません。新芸術監督がどんな方針でくるのか、注目です。

新国立劇場主催「白鳥の湖」新国立劇場オペラパレス

<2023年6月11日(日)昼>

父王が亡くなり、戴冠と結婚が求められている王子。友人の催してくれたパーティーでも気が晴れない。翌日には各国からきた姫のなかから婚約者を選ばないといけない。王子の友人は元気づけるために湖での狩りに誘う。そこには邪悪な魔術師と、その魔術師によって白鳥に姿を変えられた姫がいた。夜の間だけは人間の姿に戻れるという。愛を誓ってその場は別れた二人だが、翌日の婚約者選びの場に白鳥の姫とそっくりな邪悪な魔術師の娘が姿を現す。

バレエ初見です。少なくとも観た記憶はありません。最後は心中で終わるって私は初めて知りました。そのくらいの超がつく初心者です。あの有名な曲が流れたら「おお」って内心感動しました。ソロとか代表的な場面で踊るたびに拍手するのも知りませんでした。そのくらいの初心者の感想です。

そういう初心者に対して、当日パンフで説明してくれるとか、間に割と小芝居を挟んでくれるとか、なんというか全体に親切でした。鍛えられた人が踊るのはなんかいいもんですね。ダンサーでいうと、この日は王子の友人の速水渉悟が第一幕で身体のきれがよくて、素人目には一番きれいに踊っているように見えました。群舞というのかな、それだと第三幕頭の外国の使者たちの踊りの一番初めの踊りと、第四幕の白鳥の群舞が好きでした。

あとは演奏全般、いい感じでした。頑張ってセンターの席を取ったので、音響は問題ありません。単純に、知っている曲が多かったのもありますが。

日曜日の昼間だったせいか、客席に子供が多かったですが、あれはバレエを習っている子供ですね。終わった後にロビーでくるくる回っている子供がいました。あとは外国人も結構いました。言葉に頼らないだけ、客層の国籍を問いませんが、やっているほうは世界のダンサーと闘わないといけないので、大変でしょう。

それと劇場ですが、でかい劇場ですねオペラパレスは。一階前方をのぞけば、どの席からも等しく遠い。芝居や踊り抜きで演奏だけ聞くならどのくらいまで妥協できるのかな。どの劇場でもチケット区分の境目では不満が出るものですけど、ここが同じチケット区分かというくらい広いです。

私がバレエにはまることはないと思いますが、今後は有名な演目だけ一度は押さえていければなと考えました。

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