野田秀樹のヒロインが務まる女優がこれから出てくるか
新作ごとにどんどん扱う話題が重くなる野田地図ですが、「兎、波を走る」までいくと、もう普通の役者では背負いきれない話だなと思いました。だから高橋一生と松たか子というメインキャスティングに、多部未華子というサブヒロインはいい組合せでした。
ここ10年くらい、どんな人が出ていたっけと思って書いてみました。海外公演とか演劇道場とか、抜けているのがあるのはご容赦を。
・2012年「エッグ」妻夫木聡と深津絵里
・2013年「MIWA」これは未見ですけどまあ宮沢りえ主人公ですよね
・2015年「エッグ」同キャスト再演
・2016年「逆鱗」阿部サダヲと松たか子、このときの井上真央は良かった記憶があるけど脇でした
・2017年「足跡姫」妻夫木聡と宮沢りえ、このときから鈴木杏が良くなった記憶があるけど脇でした
・2018年「贋作 桜の森の満開の下」妻夫木聡と深津絵里、このときの天海祐希は名人の1人で門脇麦の早寝姫のほうがヒロインに近いけど脇でした
・2019年「Q」上川隆也と松たか子、志尊淳と広瀬すずの二組でしたけど、重い話をより多く背負ったのは上川隆也と松たか子です
・2021年「フェイクスピア」これは高橋一生主人公、このときの前田敦子は脇でした
・2021年「THE BEE」これは未見ですけど阿部サダヲと長澤まさみ
・2022年「Q」同キャストで再演
ヒーローは大雑把に、妻夫木聡と阿部サダヲと上川隆也と高橋一生です。そこに志尊淳が絡みました。
何となくですけど、ヒーローはこの後も出てくるような予感がするんですよね。最近の社会派な野田秀樹作品も、夢の遊民社時代も、その間も。名前は挙げませんが、スケジュールを押さえられるかはさておき、キャスティング候補に悩むことはなさそうです。
ヒロインは大雑把に、松たか子と宮沢りえと深津絵里のローテーションです。
そこに、広瀬すずとか長澤まさみとか多部未華子が少し入ってくる形ですが、どうでしょう。この人たちが「兎、波を走る」の松たか子の役を演じて、務まったでしょうか。務めて化けたかもしれないけど、きつかったんじゃないかと思います。
それだけ松たか子と宮沢りえと深津絵里は女優として大物なわけですが、中でも野田秀樹の言葉遊びと詩的な台詞をこなしつつ真面目な話題に耐えうる松たか子の強度はピカイチです。この「強度」というのが曲者で、これを持合せたヒロインが見つかるかというと、なかなか思いつかない。強度を持ったうえで実力、知名度、実績と揃った女優だと私は小池栄子が思い浮かびますが、小池栄子が野田地図に合うかと言われると、合わないよなあとなります。ちなみに宮沢りえは言葉遊びと詩的な台詞をこなしつつ人間のドロッとしたところを掴み取るのが上手い人ですね。深津絵里はその間です。異論は認めます。
調べたら野田秀樹は67歳でした。年に1本の上演で、再演も混ぜながらとなると、これから作られる新作は10本を切るでしょう。だったら松たか子と宮沢りえと深津絵里をローテーションして、サブヒロインを用意すればいいじゃないかという考えも湧きますけど、たぶんそう決めた瞬間に舞台が死にます。再演はさておき、新作できつい話を背負えるヒロインの務まる女優はなんとか発掘できないでしょうか。探せば名手はいるものなので、どこかには、いるはずですが。有名なワークショップでも見つかっていないとなると、いったいどこにいるんだろうという話です。
ちなみにそういう話を抜きにして新作でなく再演期待で言えば、近年上演演目の中では「足跡姫」が一番です。これはおそらく、いまの勘九郎が勘三郎を襲名するまで取ってありますよね。襲名披露の一環で歌舞伎座で「足跡姫」を上演、併せて野田地図でも上演すると予想します。なら時期はいつかというと、勘九郎の年齢と勘三郎の襲名年齢から10年後と予想されますが、できれば5年以内に再演してほしいです。
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