神奈川芸術劇場プロデュース「スプーンフェイス・スタインバーグ(安藤玉恵版)」神奈川芸術劇場大スタジオ
<2024年2月24日(昼)>
自閉症として生まれ、小児癌で7歳にして死に直面している少女であるスプーンフェイスが語る自分の一生と死に臨んでの心構え。
出ずっぱりしゃべりっぱなしの一人芝居でこの日は安藤玉恵。脚本は片桐はいり版と同じで、あまり子供らしくも病人らしくもなくはっきり客席に語り掛ける演出。内面の大人びたところを外に出した役作りというか。人形に話す相手を割当てて進めるところが片桐はいり版にはない工夫。
多少幕の上げ下げを調整するとかマイクを使うとかはあるけどスタッフワークはほぼ同じ。全体にスタッフワークのはまり具合は安藤玉恵版のほうがよくて、こちらを基準に仕立てて片桐はいりもそれに合せたっぽく見えた。
それで仕上がりはというと、これは脚本負け。少女も自閉症もわざわざ見せん、自分流で丸ごと料理してやる、という意気込みはあったのかもしれないけど、重たい話を引受けきれていない。早めの台詞回しと場面ごとの間もあまり取らないのとで話がどんどん流れてしまった。安藤玉恵をもってしてもこれか、と脚本の手強さを再認識。あと15分余分に使ってもう少しゆっくりやってくれと演出で最短上演時間を縛ってもよかったのではないか。
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