劇団四季「ジーザス・クライスト=スーパースター(エルサレム・バージョン)」自由劇場
<2024年3月6日(水)昼>
奇跡を起こして人を助け、庶民からは神の子と崇められていたジーザス・クライスト。だがその人気を恐れた為政者と既存宗教の司祭によって捕えられ、庶民からも石を投げられて処刑されるまでの日を描く。
崇めるためにやってくる庶民にうんざりするキリストと、キリストを想うあまり裏切るユダが話の中心。いいも悪いもあるけれど、自分にはいまいちでした。
悪いところで言うと、曲も編曲も古い。どうも昔のロックに聴こえると思って調べたら初演は1971年です。ああ、庶民から人気のキリストを当時のロックスターの人気になぞらえた芝居だからスーパースターなんだ、と家に帰ってから腑に落ちました。そしてロックスターに例える発想がやはり古い。古典と言うにはもう少し時間がほしいところです。
いいところで言うと、荒野の美術と襤褸の衣装を使ったエルサレム・バージョンの演出。浅利慶太の演出を踏襲しているそうですが、ロックスターになぞらえるところを無視すればありです。ダンスらしいダンスはなくて、代わりにアンサンブルで見せるのはどうよと思わないでもありませんが、それも含めての演出です。庶民がキリストを崇めるために囲む出だしなんかは非常にいい掴みでした。古びていません。
そうは言ってもミュージカルなんだから踊ってくれよとも思いました。自分は台詞なしのオペラ形式というのが苦手なんだと思います。それならそれでキャッツくらい踊ってもらえるとよかったんですけど、そうするとエルサレム・バージョンの演出になりません。かれこれ含めて自分には相性の悪い一本でした。
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