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2024年7月 6日 (土)

坂本企画「天の光とすべての私」三鷹SCOOL

<2024年7月5日(金)夕>

まだ見ぬ惑星の開発隊に志願した女性。片道何百年と掛かる片道切符だが、選抜試験で数々の困難を乗越えて合格を手にする。複数の惑星を開発するために合格者のクローンを作成して送り込む計画だが、クローンのオリジナルである合格者は地球に残るようになっていた。夢を断たれた女性は地球で結婚し、娘をもうけるが、夫が病気で亡くなってしまう。そこで再び女性に声がかかる。

ダブルキャストで鳩川七海が主演、笠松遥未がゲストの回。公式サイトの粗筋をもう少し詳しく書くとこうなりますが、展開だけなら7割くらい書いています。SF的なアイディアで人間の葛藤を描いてコンパクトに65分くらいに収めた一人芝居でした。脚本は割と好きでしたし熱演でしたが、演出と役者の力不足で残念な仕上がりでした。

一人芝居といえどもたいていは複数の役が登場して、それはこの芝居も同様です。それを演じるのに役者が切替えることも、一人の役の視点から演じることも、あるいはその折衷もあります。ただ、どのような演じ方にしても一人全役を演じないといけないのは同じです。落語と同じですね。今回は一人の役の視点から演じる脚本でした。そうなると、主人公以外の役を「演じる」難易度は格段に高くなります。舞台には出てこない相手役の背格好、台詞、動き、そういったものを主人公の目線、声の距離感、間合い、反応で示さないといけません。なんなら主人公の役作りよりも優先度が高い。これがまったく駄目でした。

試験の最中に錯乱する仲間を相手にする序盤がわかりやすい例ですけど、銃を構えた仲間に物陰から話し始めるのはいいのですが、身を乗り出すのが早すぎる、主人公が次の台詞を言うのが早すぎる、声の距離感が近すぎるところからずっと同じです。これを演出家が指示するか役者が埋めるかは現場次第でしょうけど、せっかくダブルキャストなんだからもう一人に自分の勉強も兼ねて立たせて稽古すればばよかったのになと思います。それが難しければ人形でもポスターでも置いて稽古すればいい、何なら演出家が相手役を務めてもいい。そこまで稽古でやっていてあの出来なら、もう言うことはありません。

脚本についても割と好きと書きましたが、SFアイディアは設定であって描きたい本筋ではないのはわかります。だからこそ説明をすっきりさせてほしかった。自分で書いた冒頭の粗筋、合っているのかいまいち自信がありません。主人公のオリジナルだけが残されたのか、合格者全員のオリジナル本人が残されたのか。一応後者と判断しましたが、間違っていたらすいません。

スタッフワークで言うと、照明はやりたいことに対して会場が狭すぎたというか、アクティングエリアと客席がはっきり分かれた会場で観たかったです。会場全体が明るくなるような照明があって、ちょっと雰囲気が戻ってしまうことが何度かありました。

これが初演なら再演頑張ってください、なのですが、代表作と書かれているからおそらく再演以上ですよね。公演履歴のページが上手く開けないので確かめられませんけど。となると、うーん、とならざるを得ません。

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