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2024年9月29日 (日)

ヨーロッパ企画「来てけつかるべき新世界」本多劇場

<2024年9月28日(土)夜>

大阪は新世界の片隅の外れにある串揚げ屋。母が亡くなってから引きこもって飲んだくれる父に代わって娘が切盛りする店には、近所のうだつのあがらないおっさんたちが常連客としてやって来る。だが世の中は進む。ドローン技術やロボット技術、AI技術が進み、その波は新世界の片隅の外れにある串揚げ屋にも確実にやって来た。

岸田國士戯曲賞受賞作の再演。技術の進歩を縦軸に、その技術を活用したり翻弄したり受入れたり受入れなかったりする人間模様を横軸に、だけどあくまで新世界の片隅の外れを舞台に庶民の立場で描く舞台。技術に翻弄されてもひるまず、きれいばかりではない駄目人間も馬鹿にせず、技術ネタからこてこてのネタまで笑いをこれでもかと詰込んでダレることなく2時間強を走り抜けた1本。誇張抜きで過去一番笑った芝居だったかもしれない。

はまり役ばかりの役者陣では、主人公の娘を演じて今が見ごろの藤谷理子、憎めない役を精度高く演じたトラやんの永野宗典とラーメン香港の中川晴樹を挙げておく。歌姫の町田マリーと散髪屋の岡田義徳とキンジの金丸慎太郎のゲスト組はもう少し観てみたかったけど文句なし。というか文句をつけるところなし。

技術と人間の関わり方は今ならどんぴしゃま話題なので、全国ツアーをやっているけど海外ツアーを組まれるべきだった。超ローカルにして超グローバルな芝居。岸田國士戯曲賞も納得の、文句なしの傑作。

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