unrato「Silent Sky」俳優座劇場
<2024年10月19日(土)夜>
19世紀のアメリカに牧師の娘として生まれたヘンリエッタ・スワン・レヴィット。まだ女性が就ける職が大幅に制限されていた時代、ヘンリエッタがハーバード大学に星の測定結果の整理を行なう計算手として職を得るところから、その仕事の傍らで星の距離を測るための重要な方法を見つけるに至るまでの話。
実際にいた女性天文学者を基に書かれた翻訳もの。Wikipediaによれば業績は知られていても人となりはあまり知られていないらしく、また少々省かれたり順番の入替ったりしているところもあるようなので、そのあたりは芝居として楽しむのが吉。
脚本がヘンリエッタの生涯のあらすじに当日の女性の自立運動を重ねるように書かれているためやや忙しく、そこを演出も追いかけて、よく言えばテンポがよくて、悪く言えば緩急が足りない。そこに強弱を足してくれた高橋由美子と竹下景子はさすがの出来。
と書くと悪く聞こえるけど、やっぱりそれなりによくできた脚本であり、シンプルな舞台美術が生きる場面も多数。2日目の3ステージ目だったので後半もっとよくなることも期待できる。
アフタートークがあったけど、演出家と、唯一の男性キャストの松島庄汰はいいとして、unratoの前回出演者の陣内将を招く必要があったのかは疑問。招かれたからにはもう少し観たばかりの芝居に対してコメントしてほしいし、進行した演出家もそちらに振ってほしい。それよりは出演者にもう一人頼めなかったのか。
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