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2024年12月29日 (日)

2024年の公演中止のいろいろ

KUNIOの公演中止はすでに書きましたが、今年は他にもいろいろ公演中止があったので、メモしておきます。

その1。これは一部中止のケースですが、2024年2月6日-28日に帝国劇場で上演予定だった「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」は初日から3日間4ステージを中止して、さらに予定休日明けの土日である2月10日と11日の2日間3ステージも中止しました。これは発表が初日2日前、さらに商業演劇ど真ん中だったため新聞記事にもなり、海外からも公演を観に来る観客の話を見かけて私も驚いた記憶があります。結局チケット代だけでなく交通費に宿泊費まで負担するという珍しい返金にまでなりました。公式サイトより、初めの公演中止の経緯説明と、公演中止期間延長の説明と、2本立てで。

帝国劇場2月公演
ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』
一部公演中止に関するお詫びとお知らせ

2024年2月6日
東宝株式会社 帝国劇場

 平素より東宝演劇に格別のご愛顧を賜りまして誠にありがとうございます。

 2月4日に、弊社ホームページ及びX(旧ツイッター)において急ぎお知らせ致しましたとおり、ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』につきましては、2月6日から8日までの合計4公演を中止させていただきました。この度の公演中止は私ども東宝株式会社の本公演製作における見通しの甘さ、製作体制の不行き届きが招いた結果でございます。ご観劇を楽しみにされていたお客様をはじめすべての関係者の皆様に心より深くお詫び申し上げます。
 また、公演中止のご案内が公演日の直前となった結果、お客様に多大なご迷惑をおかけ致しましたこと、公演中止に関する当初のご説明に至らない点があり、多くのお客様にご心配、ご迷惑をおかけ致しましたことにつきましても、重ねてお詫び申し上げます。

 改めまして、今回の中止に至った経緯と、中止になった公演のチケットをご購入いただいていたお客様への対応についてご説明申し上げます。
 本作品については、弊社製作体制のもと、その複雑な演出プランに対応するための確認作業が想定以上に必要となったことなどから、稽古の進行が予定より遅れておりました。帝国劇場における舞台上での稽古開始後も、ぎりぎりまで、予定通りの初日に向けて一同で力を尽くして参りましたが、さらなる修正・見直し等が発生するなどしたことから、進行の遅れを挽回することができず、協議を重ねた結果、スタッフ・キャストの安全確保の観点からも、初日を延期し、上記4公演を中止せざるを得ないという判断に至りました。

 かかる事態は、全くもってあってはならないことであり、弊社ではその責任を重く受け止めております。

 弊社といたしましては、中止となった上記4公演のチケットをご購入いただいていたお客様に対しましては、チケット代金の払戻しのほか、ご購入時のチケット販売手数料およびシステム利用料、公演中止発表以前にご手配済の交通費および宿泊費のキャンセル料、またはキャンセルが叶わなかったお客様は上記交通費および1公演日につき1泊分の宿泊費を、弊社で負担をさせていただきます。お支払いされた金額の領収書等および中止公演回のチケットをお手元に保管頂きたくお願い申し上げます。
(後略)

 

帝国劇場2月公演
ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』
公演中止期間延長【2月10日~11日】のお知らせ

2024年2月8日
東宝株式会社 帝国劇場

平素より東宝演劇に格別のご愛顧を賜りまして誠にありがとうございます。

ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』につきまして、既にお知らせの通り、2月6日(火)~8日(木)の公演を中止とさせていただきました。

その後、2月10日からの公演実施に向けて一同鋭意舞台稽古に取り組んで参りましたが、スタッフ・キャストの安全確保に努めながらの準備に更なる時間を要し、誠に苦渋の決断ではございますが、2月10日(土)、11日(日)の3公演も中止とさせていただき、2月12日(月・祝)の公演より上演させていただきます。

ご観劇を楽しみにお待ちいただいたお客様に対しては中止期間の延長を誠に申し訳なく存じますとともに、ご案内がご観劇日の直前となりましたことにも衷心よりお詫び申し上げます。

弊社といたしましては、弊社の本公演製作の見通しの甘さ、製作体制の不行き届きにより、お客様に多大なるご迷惑をお掛けしたこの度の事態を重く受け止め、再びこのようなことを引き起こさないようその対策を徹底して参る所存です。

<中止となる公演>

・2月6日(火) 18:00開演の部
・2月7日(水) 18:00開演の部
・2月8日(木) 13:00開演の部
・2月8日(木) 18:00開演の部
・2月10日(土) 13:00開演の部
・2月10日(土) 18:00開演の部【貸切公演】
・2月11日(日) 13:00開演の部

上記公演回の入場券をお持ちのお客様につきましては、チケット代金の他、ご購入時のチケット販売手数料およびシステム利用料、公演中止発表以前にご手配済の交通費および宿泊費のキャンセル料、またはキャンセルが叶わなかったお客様は上記交通費および1公演日につき1泊分の宿泊費を、弊社で負担をさせていただきます。
また、上記公演回の入場券をお持ちのお客様につきましては、本公演の配信を無料視聴いただけるよう検討しております。
実施が決まりましたらご案内させていただきます。
なお、振替公演につきましては、鋭意調整を試みましたが、この度は残念ながら実施することが難しいとの判断に至りました。
本公演を楽しみにお待ちいただいていたお客様にはこのようなご案内となり誠に申し訳ございません。
(後略)

時期としてはその2にKUNIOの件がありましたが、それはすでに書いたので飛ばします。

その3。トリコ・Aは2025年3月14日-16日に座・高円寺で、続いて2025年3月28日-30日までロームシアター京都で上演予定だった「穴」を中止しました(発表はたしか9月10日)。これは資金難と正直に話した珍しいケースです。さらにロームシアター京都の2024年度のラインナップにも並んでいた作品らしく、半年以上前とは言え、そんな理由での中止が珍しくて覚えていました。助成金を申請していたけど通らなかったとかそんな理由でしょうか。公式サイトより。

トリコ・A演劇公演2025『穴』公演中止のお知らせ

平素よりトリコ・Aを応援いただき、誠にありがとうございます。

この度、2025年3月に上演を予定しておりましたトリコ・A演劇公演2025『穴』につきまして、全公演を中止させていただくこととなりました。上演に向けて準備を進めてまいりましたが、資金面での採算の目途が立たないことが大きな理由で、今後もトリコ・Aの活動を継続していくための決断となります。

今後の公演の時期については、改めてお知らせいたします。

楽しみにしてくださっていた皆様には、大変ご迷惑をおかけいたしますこと、心よりお詫び申し上げます。

なお、東京公演につきましては、予定しておりました公演に代わりまして、市民の皆様も対象としたワークショップを開催する予定です。こちらの詳細については、後日改めて発表いたします。

何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。


その4。一般社団法人PALは2024年11月1日-3日にアトリエ春風舎で上演予定だった「他人」を中止しました(発表は10月10日付)。直前まで進めていた別の劇場オープンによって力尽きたという珍しいケースです。劇場ホームページに載ったカンパニーからの告知より。

アートボックス卸町オープン記念公演
『他人』公演中止のお知らせとお詫び

既に大勢の方からチケット予約をいただいているアートボックス卸町オープン記念公演『他人』の公演ですが、大変申し訳ありませんが中止とさせていただくこととなりました。
先月より稽古に入り、これまで公演準備を進めてきましたが、私のこの半年間のアートボックス開設に関する作業の疲労が心身共に極致に達し、今月に入ってからは夜間の稽古にまったく集中することが出来ず、実のある稽古になりませんでした。
このままでは出演している俳優たちはもちろん、観客の皆様にも御納得いただける作品を仕上げることは出来ないと判断し、本当に慚愧に堪えませんが公演の中止を決定したしだいです。
東京より秋田に招いた北川莉那さん、この公演に全力で取り組んでいた木村麻子さん、妻である主演の大崎由利子、そしてなによりこの公演に期待を寄せてくださっていた観客の皆様に心より深くお詫び申しあげます。
アートボックス卸町のオープン記念公演第1弾、麿赤兒ソロ舞踏『Alter Ego』は満席のお客様を迎え、感動と興奮の渦の中、無事に終了いたしました。
その直後にこのようなことをお知らせしなければならないのは、本当に心苦しい限りなのですが、何卒ご理解くださいますよう伏してお願い申し上げます。

一般社団法人PAL 芸術監督
『他人』公演演出担当
山川三太

その4。PARCO劇場が自分の劇場で上演した芝居を高解像度で撮影して舞台そのままの映像を同じ劇場で上映する「パルコステージ "8K" フェス」を2024年11月8日-14日で予定していましたが、一挙5作品上映の予定がうち2作品が予定が間にあわずその2本の回は上映中止になりました(11月に入るか入らないかのころに発表)。これは中止になった「海をゆく者」を観ようとしていたので覚えています。公式サイトにちらっと載っています。

『パルコステージ "8K" フェス』上映作品変更のお知らせ

パルコステージ "8K" フェスで上映を予定しておりました5作品のうち、
「海をゆく者」と「オーランド」につきましては、上映のための準備が整わず、やむを得ず今回の上映を見送ることといたしました。
楽しみにお待ちいただいていたお客様へは大変申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

東宝の件は、長くやっているだけあってやらかしと思われる公演中止を過去にもやっているため、そちらと関係づけて避難する観客も多かったと記憶しています。ただ他は、1つ1つの理由を見れば、自分が同じ立場ならそう決断したいだろうなとわかる理由ばかりです。ですが、規模は小さいとは言うもののショーマストゴーオンの芸能界の端にいる小劇場ですらこのような理由の中止が目立ってきています。

公演中止自体は以前からあったでしょうが、それは主演の体調不良のような、中止になってもしょうがないと観客から見える理由が多かったです。台風による交通機関の影響が出た場合の公演中止はもう少し前から行なわれるようになりましたが、あれは観に行かないとチケット代が損になると考える客が交通機関の運休に巻き込まれて交通難民や宿泊難民になることを防ぐという面のほうが大きいと理解しています。裏方事情の中止を堂々と公にすることは少なかったです。

2024年は公演中止がいろいろあって、あれが舞台業界のターニングポイントだったと振返りそうな予感がありますから、備忘録として残しておきます。

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