松竹制作「猿若祭二月大歌舞伎 夜の部」歌舞伎座
<2025年2月21日(金)夜>
夜の部2本。大奥の女房江島と通じて島流しにあった歌舞伎役者生島は、島でも江島を忘れられず物狂いとなってしまったが、そこに通りかかった海女の1人が江島にそっくりで「江島生島」。博打にはまって素寒貧になり夫婦喧嘩が絶えない左官職人、一人娘が夜にも帰らないと騒いでいたところで吉原の店から使いがやって来て店に行けば、父の借金を返すために身を売りたいと娘が自分から言い出したとのこと、見かねた女将が娘は大事に預かるから1年限りで返して見せろと金を出し、さすがに心を入替えてさて家に帰ろうとしたところで「文七元結」。
チケットがあるかと思ったら普通席は完売で、当日券は「阿古屋」が売切れていたけどまだ買えた他の2本の当日券を掴んで観劇。「江島生島」は踊りと音楽で雰囲気を楽しむのが吉。そういう楽しみ方もあるのだなと発見。
「文七元結」は落語で聴いたばかりなので芝居ではどうかと見物。これは勘九郎と七之助ががっつりだけど、特に勘九郎が完全に劇場を手の内に収めて客席を転がしてみせた。演目だからか公演後半だからか、やや客席が慣れていた様子だったけれど、それを差引いても上々の上の出来。身投げの男を引き留める場面、誰も通りやしねえと言う台詞のところでちょうど客席の赤ん坊が声を上げてしまったのもすかさず「赤ん坊の声しか聞こえやしねえ」とネタにしたところは落着いたもの。最後の長屋での夫婦喧嘩からの大騒動はもう、七之助と二人してやりたい放題やっているのに矩を踰えないところに感心しきり。観られてよかった。名前の順番は一段下がるみたいだけど、兄弟二人がこの世代の一番二番です。
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