ラッパ屋公演「はなしづか」紀伊國屋ホール
<2025年4月19日(土)夜>
昭和10年代もようやく後半にさしかかるころ、まだまだ長屋住まいの落語家が3人、金がないなりに稽古に身を入れながら暮らしている。そんなある日、落語家協会の幹部の発表を知った浅草の寄席の席亭が長屋に駆込んでくる。政府に睨まれる前に時勢に協力するとして、郭話や心中ものなどの落語を禁演にするという。憤る3人と席亭だが、軍需で儲かって寄席を支えている旦那が結構なことだと口にするのには言い返せない。3人それぞれに落語家の道を模索するが、戦争の時勢はだんだんと日本に不利になっていく。
落語家2人に落語もわかる役者1人を中心に据えての公演。今時2時間を切って終わるのは好感度が高いし、物語は王道の展開でよくできているし、役者は上手。ただしそれに対して役者の数が多すぎた感がある。当時の雰囲気を伝えるためにもある程度は仕方ないけれど、単発の線で終わってもったいない役どころがちらほらあり。主役3人は柳谷喬太郎はあの役でいいとして春風亭昇太とラサール石井はなんだかいつも通りすぎいかにもすぎな役だったので入替えてみてもよかったかも。