イキウメ「ずれる」シアタートラム
<2025年5月11日(日)夜>
とある会社の社長の兄とその弟。豪邸を建てた両親は海外に移住して2人暮らし。弟は精神病院に半年入院して退院したばかりだが、仕事だけでなく家事一切すら行なうつもりはない。事情があって長年勤めていた家政婦に暇を出したばかりなので新しく人を探している。幸い隣町出身の格好の人材が応募してきたので兄は雇って働き始めてもらったが、弟は弟で怪しげな男を家に連れ込む。折しも、山を越えた隣町では豪雨災害の影響で人だけでなく野生の動物まで避難してきていると言われている。
初日。ああ、イキウメっぽい、という芝居。具象芝居ではあるけど、半分ネタバレで書くと「人魂を届けに」とか「新しい祝日」とか、そんな感じ。そこでいままでのイキウメと違うなと感じたのは、観客に芝居と距離を取らせたかったか、登場人物5人とも、素直に感情移入できないような要素を持たせていること。さらっとしていいように見せているけどあの役もしれっと酷いですから(ネタバレ防止)。
それなりに笑いはあっても、観終わってすっきりするかというと、そういう芝居ではない。こんな終わり方でいいのかという終わり方。こんな終わり方でもそれなり以上に格好が付いてしまう世の中になってしまった。そういう現代をイキウメっぽく切り取って見せた1本。
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