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2025年5月25日 (日)

悪童会議「見よ、飛行機の高く飛べるを」こくみん共済coopホール/スペース・ゼロ

<2025年5月24日(土)昼>

明治44年の名古屋の女子師範学校。新しい時代にふさわしい女性像を探しながら学年中でも浮いてしまう2年生の杉坂は、学業運動なんでも随一の4年生の光島と、ある夜の目撃を通して意気投合する。教師から借受けた自然主義の小説や与謝野晶子発刊の雑誌に感銘を受け、他の生徒とも協力して宿舎内で回覧する雑誌の編集を目指す中、そのうちの一人が「問題」を起こしたところを目撃されてしまう。

やはり名作でした。「女子もまた、飛ばなくっちゃならんのです」の台詞が代表かと思いますが、それを補強する台詞も、否定する台詞も、あちこちに散りばめられていて、実によくできている脚本です。

終盤の裏で行なわれている運動会で、芝居の山場の裏の競技には綱引きを持ってきていることに今回気が付きました。脚本がさすがです。そして、光島の普段着を赤にしておいて、新庄が白組で白い衣装なところは、舞台作りが上手ですよね。スタッフワークに手抜きなしで、劇団名に相反して、この場面に限らず脚本を丁寧に立ち上げていました。

それは役者選びにも表れていて、年上組は腕のあるところで固めていました。菅沼くら役が千葉雅子、安達貞子役が砂田桃子、板谷わと役がザンヨウコ、青田作治役が新原武、板谷順吉役が柳下大、中村英助役が唐橋充、校長役が俵木藤汰です。全員いい感じですが、板谷順吉を演じて固い台詞もしっかりこなして見せた柳下大が発見でした。女生徒組もなかなかでしたが、ここは出だしは普通だったものの途中から思いっきり杉坂を演じてみせた今村美歩を挙げておきます。他もなかなかでした。

さすがに会場が広すぎて土曜の昼公演と言えども満席にはなりませんでしたが、それでも客を散らせずにきっちり前方に寄せて収めて客席密度を保った制作陣と、テンションを保って演じてみせた役者陣には拍手を送りたいと思います。

<2025年6月1日(日)追記>

少しだけ文章を調整。

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