映画のリーディング公演が中止に
こんな企画があったんだということを初めて知りました。
Classic Movie Readingは名作映画を朗読劇にし、名作の魅力に再び焦点を当てるプロジェクト。
過去には「ローマの休日」「自転車泥棒」「風と共に去りぬ」「若草物語」を上演しており、
Vol.4ではシリーズ初となる邦画、小津安二郎監督の傑作「東京物語」を上演しました。
Vol.5では「ローマの休日を」脚本を一新して再演いたします。
著作権の切れた映画の名作なら脚本の出来は保証されていますから、それを朗読劇に仕立て直せばいいとはいい目の付け所です。少し前には江戸川乱歩の著作権が切れて上演が重なったこともありましたが、著作権切れなら堂々としたものです。
それが今回は中止になりました。公式より。
Classic Movie Reading Vol.5『ローマの休日』
公演中止・延期のお知らせ平素よりClassic Movie Readingシリーズにご愛顧を賜りまして、誠にありがとうございます。
Classic Movie Reading Vol.5『ローマの休日』につきまして、製作委員会内における重大な相違が発覚し、協議を続けてまいりましたが、公演を無事に上演するまでのクオリティの担保や進行が難しいという判断で、大変残念ながら、7月12日(土) 、13日(日) 4公演を中止・延期とさせていただきます。
これは出演者、スタッフに関しての非は一切なく、運営サイドの責任となります。ご来場を楽しみにされていたお客様には、大変なご迷惑をお掛けすることとなり、誠に申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます。
<中止となる公演>
7月12日(土) 14:00/18:00
7月13日(日) 12:00/16:00チケットの払い戻しに関しましては「チケット払い戻しのお知らせ」をご確認ください。
Classic Movie Reading Vol.5『ローマの休日』製作委員会
初めは何か著作権に触れたのかと思いましたが、出演者やスタッフに非は一切なく運営サイドの責任と書かれていますし、そもそも再演かつ他の映画のリーディングも上演しているから、著作権周りの確認でへまをしたとも思えません。
それでサイトの下を見ると、このような記述があります。
企画・製作:style office
主催:Classic Movie Reading Vol.5「ローマの休日」製作委員会
この業界における企画と製作と主催の使い分けがいまいちわかっていないのですけど、長年薄らぼんやり考え付いたところでは、企画は劇場との調整を担うところ(公演スケジュールとチケット販売と役者スタッフのキャスティング)、製作は稽古して上演まで持っていくところ(演劇っぽいところ)、主催は金を出すところ(それと引換えにチケットのいくばくかの販売権を握る)、ではないかと考えています。
それと製作委員会というのは映画でよく聞く体制で、複数名が製作費を出す代わりに、一定以上儲かったらあとは全部自分たちで持っていくための体制だとどこかで見たことがあります。
だから製作委員会内における重大な相違とは、つまるところ儲かったときの分け前の取分が決まっていなかった、あるいは損が出たときの負担割合が決まっていなかった、ということではないかと思われます。どちらでしょうね。
日付は入っていませんが、これが発表されたのが2025年4月23日です。上演予定が7月12日と13日ですから、ドタキャンよりはずっとよかったでしょう。少なくとも観客にとっては。
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