トム・ストッパード死亡
ステージナタリー「劇作家トム・ストッパードが死去、哲学的かつウィットに富んだ大作を多数執筆」より。
劇作家トム・ストッパードがイギリス・ドーセットにある自宅で死去した。88歳だった。
(中略)
遺作となったのは、2020年にロンドンで初演された「レオポルトシュタット」。五十代になって自らのルーツを知ったというストッパードが、自伝的要素を絡めて執筆した戯曲で、20世紀のオーストリアで戦争、革命、ホロコーストなどに直面したユダヤ人一族の一大叙事詩が展開した。United Agentsは、ストッパードが「家族に囲まれ、安らかに息を引き取った」ことを伝えている。
私はこの人の書いた芝居をたくさん観た人ではありません。「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」は観たことがあります。「コースト・オブ・ユートピア」は観逃しました。「恋におちたシェイクスピア」を観た当日に訃報を目にしました。
そして「レオポルトシュタット」は日本の舞台とNTLiveで観ました。このタイミングで観ておいてよかったです。そこから1年で、イスラエルがパレスチナを大空爆。ナチスが悪くてユダヤ人が被害者というのは第二次世界大戦のところだけ切出せばその通りですが、今の有様を見たら何を被害者ぶっているんだという話です。「被害者」というある意味ソフトパワーをかざせる立場をすべて投げ打つ所業の今、観たらこちらは鼻白んでいたことでしょう。英語圏の情報は集めていないのでわかりませんが、本人は何か発言していたのでしょうか。まあ晩年の大作と言えども自伝的要素であって自伝ではありません。そういう話を除けば、優秀な脚本家だったのだろうなと思います。
表現の芸術である芝居の中でも脚本は後まで残り得るポジションです。そのまま埋もれることも多いですが、残ったとしても脚本の評価が時代によってがらっと変わりうることを示す例でもあります。合掌。
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