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2026年2月24日 (火)

国内芝居「お梅は呪いたい」の上演延期の話

小説原作の舞台化が上演延期になりました、という話です。公式サイト「舞台『お梅は呪いたい』上演に関するお知らせ」より。日付はファイル名の通り、2026年1月23日発表です。

このたび、2026年2月に上演を予定しておりました舞台『お梅は呪いたい』につきまして、関係各所・出演者・スタッフと慎重に協議を重ねた結果、誠に残念ではございますが、公演を延期させていただく判断に至りました。

お客様に安心して作品をお楽しみいただくため、また関係者が十分な環境のもとで作品づくりに向き合えるよう、
主催・制作側として整えるべき準備と体制を見直す必要があると判断し、今回の決断に至りました。

本公演にご尽力くださっている藤崎先生、祥伝社の皆様、スタッフ・出演者・マネージメント各社、劇場関係者の皆様、
そして、なにより、クラウドファンディングを通じて応援してくださった皆様、
すでにチケットをお買い求めいただいている皆様、
本作にお心を寄せてくださったすべての皆様に、
多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを、心より深くお詫び申し上げます。

延期後の公演時期、出演者等の詳細につきましては、改めて準備が整い次第、公式に発表させていただきます。
なお、チケットの払い戻しやクラウドファンディングに関する対応につきましては、下記よりご確認ください。
(中略)
本来であれば、このような判断に至らぬよう進めるべきところ、主催・制作側の至らなさにより、
多くの皆様にご迷惑をおかけする結果となりましたことを、重ねて深くお詫び申し上げます。
何卒ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

舞台『お梅は呪いたい』製作委員会

「主催・制作側として整えるべき準備と体制を見直す必要があると判断し、今回の決断に至りました」と書いているくらいなので主催・制作側に責任があるのでしょうが、それならどのような判断があったのか。それは普通、表に出る話ではないのでわかりません。ただ、主催・制作がどこなのかというと、「『お梅は呪いたい』製作委員会」とだけあって具体的な体制がさっぱりわかりません。

この製作委員会という体制は映画やアニメでよく見かけますが、私の中途半端な知識によれば、作る側にかなりの責任がかかり、金を出すのは製作委員会ですが損をしても出した金以上の損は払わず、儲けは製作委員会側が大半を取って、出来上がった製作物の権利も製作委員会が持って行くという、あまり評判のよくない体制という偏見があります。もちろん金を出すのは大事ですし、作り手がどのように関わるかの実際は契約次第でしょうし、宣伝や運営も製作委員会側が持ちます。

ただ、この芝居はクラウドファンディングで費用を集めているのですよね。300万円目標に対して1回目が不発で、2回目がほぼ95%で、合せるとほぼ100%まで集めています。別にクラウドファンドで資金を集めていけないことはありませんし、実際に上演に際してクラウドファンドで費用を集めている芝居を見かけたこともありますが、製作委員会の体制にはあまり馴染まないものです。ちなみに集まった金額に関わらず払われるAll-in形式ですが、返金は2月いっぱいまで受付けており、冒頭のお知らせの中略部分にURLがあります。

支援金の使い道には以下が挙げられていました。

設備費
人件費
広報/宣伝費
リターン仕入れ費
人形をはじめとする小道具製作費、英語字幕製作費などを含む公演制作費
※目標金額を超えた場合はプロジェクトの運営費に充てさせていただきます。

実際、今時の物価で300万円では上演費用には足りないことは、一度真面目に計算したことがあるのではっきりしています。しかもクラウドファンドなら手数料も2割くらい持って行かれます。だからチケットを買ってくれるお客様探しの面が大きいと思います。

これがやらかし上等で費用を集めていたのかというと、そうとも言い切れません。というのも、上演台本と演出に松村武を、主演に高田聖子を呼んでいるからです。別にこの2人と個人的な接点は皆無なのですが、少なくとも詐欺の片棒を担ぐような人たちとは思えません。

ここであらためてクラウドファンドのリターンを見てみます。原作者のアフタートークが入っているくらいなので、それなりに信用できる体制で進める予定だったはずです。

3,000円 公演パンフレット+非売品手ぬぐい
5,000円 稽古場見学参加権利+公演パンフレット+非売品手ぬぐい
15,000円 バックステージツアー+公演チケット+稽古場見学参加権利+公演パンフレット+非売品手ぬぐい
30,000円 藤崎翔さんも参加の特別アフタートーク参加券+特別アフタートーク回公演チケット
+バックステージツアー+公演チケット+稽古場見学参加権利+公演パンフレット+非売品手ぬぐい
100,000円 クレジット入り 非売品カンパニーウェア+公演パンフレットにクレジットを記載※映像化されるの際にはエンドロールにもクレジットを記載+全部セット(30,000円リターンと同様の内容)

そこでもう一度「主催・制作側として整えるべき準備と体制を見直す必要があると判断し、今回の決断に至りました」に戻ります。

本当に当てずっぽうの予断でしかないのですが、原作者が元芸人ということで、原作者に近い芸能関係者で、かつ舞台業界に詳しくない人がいたとします。舞台化したら面白そうとノリで始めて周りに声をかけたら、それなりに人が見つかったので上演しようと製作に入ります。ところが舞台を1本作るにも様々な苦労があり、次々と出てくる問題を解決するにはそれなりに各分野に通じていないといけません。しかも勢いで借りた劇場がまだ新しいキャパ508席の飛行船シアター(東京)で10日間13ステージと、346席の西文化小劇場(愛知)で2日間2ステージ、もちろん仕込みは別。赤字を出さないためにチケット代を13800円で設定してみたものの、お前は「ハリー・ポッター」と勝負するのかという値段では客入りが覚束ないのは想像に難くありません。あれこれやってみたものの、このまま進むと赤字で死ぬとギブアップした。そんな物語が浮かびました。

当てずっぽうは当てずっぽうでしかないのですが、延期と言い丈、このまま中止になっても驚きません。そんな舞台の上演計画があった、という話です。

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