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2026年4月 5日 (日)

ゴーチ・ブラザーズ主催「ポルノ」本多劇場

<2026年4月4日(土)夜>

坂の多い町で弱者に優しい生活を訴えて立候補する男は、家では子供が欲しいと女から望まれるも、選挙でそれどころではない。選挙で有利になるために女に頼んで自分で足を折ると、ある日その女は若者の足を折って攫ってきて自分たちの子供だと言い出し男が慌てるが、選挙を考えてそのまま自宅での監禁を続けることを決める。その町で活動する着ぐるみ劇団では、団員が減って仕事が少なく、男のビラ配りをアルバイトで手伝う若者と、元劇団員の女性とが付合っている。また別の元劇団員の女性はテレビに出始めて運が向いてきたが立候補の男に坂から突落されて足を怪我して自宅療養していたが、ある日見知らぬ男性が入り込んで仰天する。早いファンかと思いきや家事全般をこなして妖精を自称する男を怪我した足では追出せずにそのまま日が過ぎるが。

同じ町を舞台に中編3本からなる長塚圭司の初期阿佐ヶ谷スパイダース時代の1本を、今回は松居大悟が演出。藤谷理子が見せつけて小野寺ずるとうぇるとん東がいい感じも、メインの1本で前田敦子が野田地図で何を学んだのかという映像向け演技で大ブレーキ、玉置玲央がそれに付合ってデチューンの演技でどっちつかずに終わる。筋だけ追っても犯罪交じりの歪な愛の話だし、初期阿佐ヶ谷スパイダースはエロありグロもっとありの脚本ばかりだから、役者のテンションが大前提。今からでも巻返してほしい。

ケムリ研究室「サボテンの微笑み」シアタートラム

<2026年4月4日(土)昼>

昭和初期ごろの東京、両親を亡くして長い兄妹。兄は温室で花を育てて気が向いたら売り、妹はめったに外出しないが、財産があるので暮らしていける。兄も妹もほとんど付合いはないが、兄が病気の療養でお世話になった元看護婦の夫妻と、兄妹の幼馴染で小説家になった男だけは年賀状をくれる程度の付合いがある。ある年、この夫妻と小説家が珍しく兄妹の家を訪れることが重なる。

いわゆる「いい人」が、自分からいろいろ動いて相手を見つけるのではなくたまたま知合って好意を持たれた相手にそれ以上の好意を抱いてしまうこと、なのに自分から積極的に相手を誘って楽しむでもなく2人きりになっても上手な会話を目指して間が持たないこと、優しさは自分が好意を持つ相手と嫌う相手とを区別せずに相手かまわず他人が傷つくのを防いで波風立たせないようにする形でのみ表現されること、好意を持っている普通の人なら自分から意識して距離を縮めていくこと、を芸達者な役者でこれでもかと表現する3時間10分。オチも含めて解像度が高すぎる。演技の基準が他よりもやややり過ぎなところにある赤堀雅秋と、狭い劇場で百面相を駆使する緒川たまきが、兄妹のいたたまれなさにはまり過ぎ。プロジェクションマッピングなしの固定舞台も、盆を使った無意識の好意の距離と、見えてもガラスで隔てられている庭向こうの温室とで場面を回す技術は職人芸。

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