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2026年5月31日 (日)

新国立劇場主催「エンドゲーム」新国立劇場小劇場(若干ネタバレあり)

<2026年5月30日(土)昼>

2つの窓と1つの扉がある、空っぽの部屋。目が見えず終日椅子に座って過ごす男ハムは、足の悪い年下の男クロヴを召使のように使って暮らす。部屋の隅に置かれた2つの樽には年老いた男女が入って過ごしている。どうやら2人とも両足がないらしい。片方の窓の外に広がるのは何もない海、もう片方の窓の外には何もない大地。変化のない、希望もない暮らしが続いたある日の話。

ほとんど何もない芝居であることは同じベケットの「ゴドーを待ちながら」に似ているが、そんな芝居に厚みを持たせる演出はさすが。役者4人はそれぞれよい出来だが、個人的にはハムを演じた近江谷太朗が出色の出来で、キャラメルボックス時代しか知らない自分にはこんなふてぶてしい芝居もできたのかと驚き。少し内に丸まった部屋で、やや高いところに2つの窓を設けた美術は頭蓋骨の内側を思わせ、4人の登場人物を1人の人物の脳内に見立てて絶望と希望を揺れ動かしたのかもと推測。

何も起きない日常、倦んだハムと不機嫌なクロヴ、幸せな過去を持つ2人の老人、と来れば同じベケットの「ゴドーを待ちながら」を彷彿とさせる構成。そちらはエストラゴンとウラジミールの2人とも終始退屈していた。「エンドゲーム」は4年後の1957年初演だが、何もできることがない中で物語を語って過ごすハムに対し、それを聴くことにもうんざりして、最後にわずかな希望が見えてハムより希望を優先したクロヴが、4年間の作者と時代の心境の変化か。そして外に出ていく物語は今期で芸術監督が終わる演出家が自身をなぞらえて選んだか。

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