KERA CROSS「シャープさんフラットさん」紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
<2026年6月21日(土)夜>
バブル真っ只中の、東京からやや離れた地方にあるサナトリウム。主宰する劇団で作・演出を担当していた主人公は、公演稽古中に公演も恋人も放り投げて失踪してここに引きこもる。他の入居者とも極力関わらずに過ごしていたものの、恋人の推測から居場所を突き止めた劇団員が訪ねてくる。
主人公および他の入居者2人の人間関係に焦点を当てて整理された演出は良質という言葉がよく似合う仕上がり。今回のマギーの演出は、やや脚本を大事にしすぎて笑いとテンポが落着きすぎた感もあるが、その分だけ脚本に込められていた鬱屈がよく見えた。主人公が、序盤の何でも笑いで考える癖が付いたところ、中盤に新入居者の松永玲子と盛上がるところ、終盤の作文の話から回るところまでが納得して繋がって、ああここで主人公はぎりぎりから抜け出せたんだなというのが伝わって初演以上に浸れたのは、観ているこちらの年齢が上がったためか。柄本時生の主人公が今回ははまり役。その他全員好演だが、出番が多い職員役のトリンドル玲奈が見た目もタッパも目立ちすぎるため、恋人役の高梨臨がもう少し押すといっそうバランスが取れたかもしれないが、難癖の域。都合が付けばもう1回観たい。
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