演劇集団円「冬物語」吉祥寺シアター
<2026年9月27日(日)昼>
シチリア王は、ボヘミア王を歓待しているある日、自分の王妃がボヘミア王と不貞を働いているのではないかという妄執に囚われる。腹心の家来にボヘミア王の暗殺を命ずるも、この家来がボヘミア王と一緒に逃げることを選び、ために王妃を一層疑う。諫める家臣たちの言葉に耳を貸さず王妃を牢に入れ、そこで産まれた娘を荒地に捨ててくるように命じ、王妃を裁くために神殿の神託を待っていたのだが・・・。
千秋楽。元の脚本がはっきりしているためか、口調や衣装で役者の区別を付きやすく工夫しているためか、初見シェイクスピア演目にも関わらず非常に見やすい。振付というかステージングで大勢動かして場面を表したり次の場面の雰囲気を暗示したりするのが上手。当日パンフでこれはないと書く関係者多数の脚本だが、同じく当日パンフでスタッフが書いている通りわかりやすくする工夫の賜物はシンプルなのに飽きないスタッフワーク。演出の意図もおそらく浸透していたと思われて終わりまで集中できた。全体には見られてよかった1本。
良くも悪くも劇団芝居。良かったところを挙げると、先に挙げたステージングで若手含めて人数を掛けられるところと、良さそうな役者がちらほら見かけられたこと。二人だけ挙げておくと、王の秘書官みたいな役は多分フレイニオンで大橋繭子だと思うけど、脚本が求めることと演出が求めることと自分が求めることとを鼎立させている雰囲気で、兼任した筆頭羊(?)も等価で手抜きなしで演じて、引けぎりぎりまで気を抜かないところは素晴らしい。腹心の家来カミロの瑞木健太郎も、メリハリがあっていい感じ。悪いところは、舞台上で気を抜いていた場面が見受けられた若手コロス組。あと、ほとんど主人公のシチリア王を演じた吉見一豊が、滑舌悪すぎ背中丸くなるオープニングダンスで息上がるでいかにも年寄り臭くて、台詞や設定から想像されるもっと若いであろう年齢像に合っていない。リア王だったら味になったかもしれないけどこの演目では駄目で、だけどキャスティングされてしまうのが劇団都合なのかと想像。仕上がりに多少難はあってもトータルでは加点したい主要役者陣の中で、これだけは不満だった。
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