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2026年9月13日 (日)

劇団Papercraft「神のみぞ知る死」シアタートラム

<2026年9月12日(土)昼>

ある日、大学生が自分は神であると告白した動画をSNSに投稿する。子供のころに民の間に紛れて地に降りて、民と変わらぬ生活をして暮らすのだという。すると世界中で実は自分も神であると告白する人たちが出てきた。同棲していた男女のうち、男も神、しかも死神だと告白する。そんな男の会社の飲み会を女がこっそり覗いたところ、同僚も上司も死神で、そのバーは神だけが会員だという。そこで皆と仲良くなった女には、様々な神の悩みが集まり出す。

神と言えどもこの世では民(人)となんら変わりがない、という前半を経て、神と言えども民と同じような悩みからは逃れられない、という中盤で登場人物が捩れていくところからの展開が怪しさ一直線。人間が神を求めるに至るまでの経緯について、人は神であるという逆転設定を置いて描いた怪作。冒頭から終盤まで怪しい雰囲気を保つ作劇は、名前を知っている役者が出ていなければ危ない団体だと勘違いしかねないくらい100%「ケ」に充ちた仕上がり。その役者もきっちり演出家の趣味で集めたのがわかって、普段はもっといい人役が多い盛隆二や太田緑ロランス、久しぶりに観た村上航あたりの捩れ具合が新鮮。初見の他4人もいい感じ。場転の都合かアクティングエリアが上手か下手に寄りがちな美術だけが若干の難。席はがら空きだったので、後味の悪さも嫌な雰囲気も大歓迎、我こそは、と思う人は当日券で。

たまたまだが、前日に観た「ガリレイの生涯」の若い修道士の場面とシンクロするところがある。貧しい中で必死に畑を耕して育てる両親が、その作物を税として取上げられて苦しい生活を送る中で、神が天にいないのであれば、苦労も勤労と信じて生きてきた両親の行ないは無駄働きではないか云々(大意)と修道士がガリレイに訴える場面。あちらでは、教会や貴族が貧困を解決できないで税を無駄遣いする言い訳に教義と信仰を使っているとガリレイの台詞で非難していた。大道廃れて仁義すらなくなって善悪正邪倫理哲学の一切がぶん投げらつつある昨今、こういう人間と神との向合い方について考えるような芝居が求められるのかもしれない、とは余計な考察。

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