2010年1月25日 (月)

阿佐ヶ谷スパイダース「アンチクロックワイズ・ワンダーランド(プレビュー公演)」下北沢本多劇場(ネタばれありあり)

<2010年1月24日(日)昼>

作家の男。それまでの路線を変えて、観念的な話に挑戦して2冊目の本が出版されたばかり。だけど書評は酷評ばかりで、読者評でもけなされている。そこで編集者と自棄酒を飲みに行ったところから始まる、現実と観念とが入混じった世界。

留学帰国後第一作ということで注目の高いときに観念路線を投げてくる確信犯。プレビューということもあるけど、ここの場面は面白くて興味深いけど、全体的になんかちぐはぐ感は否めず。本番でどのくらい変わるのかは不明。以下ネタばれ混じりで。


冒頭の話で勘のいい人はわかると思うけど、今回も「失われた時間を求めて」と同様、長塚圭史の葛藤を舞台化した観念路線。そのときにやりつくしたと思ったらまだ葛藤していたのかとびっくり。冒頭の酷評の部分で「観念路線で2作目だが上手くいっていなくて手垢にまみれて云々、元の刺激路線を求む云々」とこの芝居の感想を予告するような構成を取入れてすでにアンチクロックワイズ。イギリスは皮肉と議論の国だっけ、と思ったり思わなかったり。

登場人物は、制作仲間(欲しくもない応援をして作家をがっかりさせる)、作品ファン(刺激路線を強要する、作品の内容より作家の心情に興味を持つ、観念路線を受入れる)、過去の作品の登場人物(「失われた時間を求めて」の登場人物、飛びだして作家にサジェスチョンする)の大きくわけて3種類。

刺激路線を強要するファンは殺したと思いきやしぶとく生残ったのでもっとひどい目にあわせようとしたり、作家に興味をもつファンは消してしまったりして、観念路線を受入れたファンには過去作品の登場人物を救済させる。最後は制作仲間の元に帰る。

まあこんな感じ。観念路線はどちらかというと好きな路線なんですけど、それでもそれなりの物語と人物描写を求めたい性質の私には、今回の芝居には両方とも足りない。ワークショップで作ったせいかどうか、キャラクターに統一感の取れていない登場人物がいたり、場面ごとの雰囲気に統一感が欠けたり、プレビュー公演だとしても仕上がりはイマイチでした。あと、猫とか公園とか、「失われた時間を求めて」を観ているかどうかで理解度に差が出てくるのはいただけない。シリーズ物だとしても単品での仕上がりは担保してほしいので、その点は平田オリザを見習ってほしいです。

あとは提出を忘れたアンケートへの回答を。
・印象に残ったシーン:作家が、ファンの女の家で話す序盤の場面。
・登場人物の印象:そのファンの女を演じた小島聖は、キャラクターが生きていてよかった。馬渕英俚可は、あの役を演じるには今回の役者では一番適任だったとはいえ、結果としてもったいない役になってしまった。
・スタッフワークの印象:モノトーンの舞台に色をつけない照明は渋くて好き。だけどその分は衣装で色の変化を付けてほしかった。小島聖以外は地味な色ばっかりで、意図があるとしても暗すぎる。
・上演時間と休憩時間:観念路線に休憩時間は禁物。2時間に収めて休憩なしにしてほしい。
・客席内の温度:当日券エリアで観たけど、寒いです。眠気覚まし狙いなら勘弁してください。
・料金:こんなもんかと思う。どちらかというと劇場の選定に異議あり。ベニサン・ピットがなくなった今、こういうのはスズナリか、世田谷パブリックシアター/シアタートラムのほうがいいでしょう。本多劇場はエンターテイメント劇場です。
・困ったこと:当日券は椅子が痛い。クッション追加希望。
・色にたとえると:どんよりした灰色。
・感想:さっき書いたとおり、観念路線は好きなほうだけど、刺激路線を求めている客は寝るんですよ。前回も今回も隣の客が寝ていました。そうすると観ていてがっかりするので、この路線を区別するようなユニット名(?)を付けて、間違えた客が混じらないようにしてもらいたいです。「阿佐ヶ谷スパイダース 表現かんねん」みたいな。営業上は嬉しくないかもしれませんけど、これから観念路線を定期的に上演するのであれば、ぜひ検討してください。

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2010年1月24日 (日)

青年団「カガクするココロ」「北限の猿」こまばアゴラ劇場

<2010年1月23日(土)昼/夜>

とある東京の大学の、生物の進化を研究するためのプロジェクトの研究室。そこに出入りする様々な学科出身の助手や学生が織成すある日の午後の一幕「カガクするココロ」。同じ研究室の10年後、研究は進化して猿を人為的に進化させる試みになっている。以前から残ってプロジェクトに関わっているものもあれば、新しい学生もいて、そんな研究室の午後の一幕「北限の猿」。

これに「バルカン動物園」を加えて平田オリザの科学三部作となるそうですが、今回は2本。時間の都合で同じ日に観ましたけど、いやー面白い。特に前者は、今まで観たどの平田オリザ芝居よりも、人間を生き生きと描いているように思える。

「カガクするココロ」は、惚れた腫れたの真っ只中にいる学生たちが、生物の進化という研究テーマに無自覚に関わったりなんかするあたりの匙加減が絶妙。特に、研究室の男性と付合っている女性が、その妹の友だちに生物への関心を熱心に語るサビの場面のシチュエーションと展開はたまりません。その点「北限の猿」は、10年たって進んだ研究と、10年たっても変わらない研究室のいろいろに、猿と人間の対比を絡めて描いて、もう少しクール。

登場人物は、名前が一部共通している割に、2作間のキャラクターのつながりはあったりなかったりして、しかもキャスティングが違う、それでいて同じ役者が似たような立場の役をやっていたりして、ちょっと2作続けて観たら混乱しました。そういうハンディを差引いても、私は「カガクするココロ」のほうが好みでした。次の日に予定していた芝居が観られなかったら、これだけでももう1回観ようと考えたくらいで、特に兵頭公美演じる山岡さん(前述の、研究室の男性と付合っている女性)は、観ていてうっかり惚れそうになった。危ない危ない。

 

これだけの芝居を上演して、まったく役者に困らない青年団の層の厚さと、平田オリザの演出の力量、再演に足る脚本の蓄積には、ほとほと感服します。もうすぐ終わるし、どうせお客さんは大勢来るでしょうから、口コミプッシュは止めておきますけど、「カガクするココロ」は口コミプッシュしたくなる仕上がりでした。上演時間は1時間半(客入れからならプラス20分)でも、感覚としては2時間以上に感じる。それくらい他の芝居と比べて情報が多い、よくできた脚本です。

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2010年1月11日 (月)

PARCO PRESENTS「志の輔らくご in PARCO」PARCO劇場

<2010年1月10日(日)昼>

村おこしで箱モノを作ろうとしていたら予算が「身代わりポン太」。今夜中に仕上げないといけない仕事の最中に送られてきた間違いファックスが騒動に「踊るファックス二〇一〇」。血筋のない家柄から名代に引立てられるも、同業者の妬みから損な役を割当てられた歌舞伎役者が一世一代の大勝負に「中村仲蔵」。

今年は観られた志の輔らくご。前半は笑いの多い創作噺2本で(たぶん「身代わりポン太」が新作)、後半は締める。満足。

中村仲蔵は以前も聴いたけど、前回よりも解説を多くして、緊張感が強まらなさすぎるようにしている。筋は知っているので、途中からもう涙目。照明の吊り具合から察するに、中村仲蔵は固定演目。

その枕で、ライバルは同業者ではなくて飽き、飽きが一番の大敵という話があって、最近の自分に心当たりがあって思いっきりうなずく。そういう状態で中村仲蔵を聴くと、精進しないといけないよなと思う。それを志の輔も意識しての演目、かどうかはわからないけど。今の自分には、よくできて文句なしに面白い前半の2本よりも、この枕のほうが堪えた。

<2010年1月15日(金)追記>
そういえば2本目の枕に覚えがあって思い出せなかったんですけど、思い出しました。「毎月新聞」に載っていた話でした(おじゃんにできない)。このときの企画会議に出席していたならともかく、アレンジされた内容から推察するとそういうことでもなさそうです。創作噺を2本も聴かせてもらってなんですが、枕はもっとべたなギャグか、オリジナルか、どちらかでやってもらいたいもんです。

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2010年1月 7日 (木)

Bunkamura主催「東京月光魔曲」Bunkamuraシアターコクーン

<2010年1月4日(月)昼>

大震災の被害から復興し、稼ぐもの、上京するもの、たくましく生きるものたちが集まって繁栄をしている昭和4年の東京を舞台に、父を早くに亡くした姉弟と、その周辺で発生する連続殺人。愛と過去の因果が絡んだ事件に、行きがかりで取組むことになった私立探偵と友人の小説家。

年末に見損ねて新年早々挑戦。シリアスと色気と笑いが程よくミックスされてバランスのよい1本。新年よりは年末に観ておきたかった内容だけど、さすがによくできている。内容だけなら、よくできすぎ、上手すぎて、観ていて安心してしまうのが不満というくらい(何だそれ)。姉弟ものとしては、カメレオンズ・リップを彷彿とさせる。シアターコクーンはKERAには姉弟路線をやらせたいのかな。

それはさておき、長い。とにかく長い。たぶん三部作予定という理由だと思うけど、これ1本だけならディテール勝負のKERAでもいらないだろうという人物も登場させての3時間半に、姉弟にまつわる話、殺人事件、上京した兄弟、復興成金など、てんこ盛り。回転舞台を3つに割って、さらに舞台前面も活用して、それだけやっても舞台転換が追いつかず暗転が存在するというのは、ある意味限界への挑戦を目撃しているわけであって、ここまで来るといっそすがすがしい。

それでもやっぱり、このキャストをKERAが演出するという時点で素晴らしい。最近演出家に恵まれている松雪泰子の色っぽさと、前に2回ほど舞台で観たときとがらっと印象が変わったユースケ・サンタマリアの2人は、このメンバーのなかでもとても魅力的です。着物姿で登場する役者は、男も女も3割増で観ていて美しいです(松雪泰子の髪がシャンプーの広告のようにまったく乱れないのは素晴らしいセット技術ですね)。やや下手よりの席だったので、背後の満月があまり見えなかったのが残念なくらい。

最後まで話は何転もするので、観るなら3時間半きっちり確保して、二部三部も全制覇する覚悟を決めて、行きましょう。

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2009年12月22日 (火)

松竹制作「十二月大歌舞伎 夜の部」歌舞伎座

<2009年12月19日(土)夜>

野田版鼠小僧。あと2つ。

酔っているのでこんなもんで失礼。

やっぱり野田版鼠小僧のスピード感、テンポのよさは素晴らしい。初演から特に演出は変わっていないけど(他の役者をネタにした台詞はたくさん増えていた)、再演に耐えうる名作です。再演でリラックスした勘三郎、軟派から悪役まで幅広く見せる三津五郎、短めの見せ場もきっちりこなす七之助など、役者も見ごたえ十分。このテンポのよさを支える野田芝居常連のスタッフも素晴らしい。

何度も書くけど、何でこのテンポと台詞回しが歌舞伎の標準にならないんだろう。これに比べると、一幕目の引窓なんてかったるくて観ていられないし、第一何を言っているのかわからない。外国人向けにはいざ知らず、日本人向けにイヤホンガイドが必要な芝居なんてそれだけで失格だ。伝統芸能づらしているんじゃないよ。このペースで芝居ができないならそんな役者は引退しちまえ。

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2009年12月13日 (日)

庭劇団ペニノ「太陽と下着の見える町」にしすがも創造舎

<2009年12月12日(土)夜>

精神病院とおぼしき場所で繰広げられる妄想の数々。

よく考えたら劇団でみるのは初めてかもしれないタニノクロウの新作は「パンチラ」。新鮮ではありましたけど、賛否のわかれるところ。個人的には個々のエピソードが細かすぎて散漫な印象あり。

医者や患者の妄想がパンチラと共に語られるという芝居ですが、語られている内容とパンチラは必ずしも一致しない、というか、関係ないことも多い(笑)。個々のエピソードはそれっぽいのですが、それを一本の芝居につなげてしまうあたりの強引さは素晴らしいです。途中から見切れ対策なのか、パンチラどころかパン見せになっていました(笑)。どうせなら、パンチラ席と非パンチラ席に分けると面白かったかも。

どれが誰の妄想かについては、最後でちょっとネタがあるのですが、これの解釈がちと難解。まあ好きに解釈すればいいや。

あと、これを芝居として成立させるために音響は外せません。タイミングといい、不快感といい、芝居のスタンスをもっともはっきりあらわしていたと思います。ついでに言えば、音がとてもクリアで、機材もよかったと思います。

次回以降も、大きくてチケットの取りやすい劇場だったら、観に行きたいと思います。

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2009年12月12日 (土)

グリング「jam」東京芸術劇場小ホール1

<2009年12月12日(土)昼>

軽井沢にあるペンション。周りは続々閉鎖しているが、食事のおいしさに常連がついて、そこそこやっている。地域の年末の第九イベントに向けて指揮者とピアニストを招いて練習が重ねられており、その人たちの宿泊先にもなっている。今月の練習が終わり、一段落の飲み会を開こうとした夜の話。

今回で活動休止公演のグリングは再演もの。再演でもあまり役者を変えない劇団という印象があるのですが、今回は大分入替えての上演。6年前ですでにこれだけの脚本でやっていたのなら、いまさら劇団でもないよな、という完成度(ラストのひとつ前に場面を追加したくらいだそうな)。後味のよさと悪さを両方兼備えた良作。

ペンション経営家族の家庭事情に、宿泊客の思惑が交錯。思惑のいくつかをはっきりさせないことで、どうなるかなと期待を持たせる展開。何かを遠慮することで成立っていたバランスが、行動に移されたことで変化を生じるまでのいきさつを、実に上手に描いています。休止公演の脚本に選んだだけのことはあります。

が、その脚本のせいなのかキャスティングのせいなのか、過去のグリングの芝居がデジャブするような感覚もあったりなかったり。コンパクトにまとめた舞台で、一幕一場リアルタイムの1時間45分。これは劇団以外の役者だけでもう一度上演してほしいです。ピアニスト役の松本紀保はサバサバした女性を好演。この人はもっと小劇場に出てきてほしいですね。

で、芝居には何の問題もなく楽しんだのですが、たまたま知らずに観に行ったらアフタートークがあったので観たのですが、これが今まで観たアフタートークの中で最悪に下品なものでした。青木豪が脚本を書いたテレビドラマが今度放映されるようで、その宣伝も兼ねて監督とプロデューサーが登場したのですが、jamの話をしたのは最初だけ。あとはひたすらドラマの撮影話に終始する。途中で中野英樹と萩原利映も登場したのですが、それもドラマの話に終始。

別に1時間もあるならドラマの宣伝をしてもいいですけど、あくまで舞台のアフタートーク。「取材が長いと聞いていたらドラマの取材は短かった」というエピソードを出すなら舞台の脚本の取材の話を振るとか、「監督は役者を安心させる」という感想を出すなら舞台稽古のときの青木豪の話を訊くとか、「(ドラマの出演者である)泉谷しげるが青木豪の父親に似ている」のを披露するならjamでは誰かモデルはいないの尋ねるとか、いくらでも舞台の話と絡める機会はあった。舞台のアフタートークなんだからもう少しバランスを考えろ。「余韻が醒めるからアフタートークには出たくない」と監督とプロデューサーは最初に言っていたけど、こんなトークを聴かされたこっちが興醒めだ。こんなアフタートークならやめちまえ。

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2009年12月 6日 (日)

TBS/エピキュラス主催「夜会 本家・今晩家」赤坂ACTシアター

<2009年12月5日(土)夜>

売子の娘。有名な観光地である寺の、隣の小さな寺の前で売子をしながら寺に迷惑をかけたり世話になったり。

一度観てみたかった夜会をようやく観られました。が、予想と大きく違ってまあびっくり。もうすこし芝居っ気の多い舞台だと思っていましたが、前衛劇というか、ここまで実験色が強い舞台だとは思いませんでした。

一幕と二幕で話がつながっていなくもないけど、舞台からして違う。一幕はまだ舞台設定がひとつだけだったけど、二幕は途中でどんどん変わっていくし、二幕の中につながりを探すのが難しい。夢十夜をさらに抽象的にしたようなもので、歌とリズムにひたすら乗っていくのが正しい楽しみかたなのかな。合間合間の台詞は野田秀樹っぽいんですけどね。

それなりに前の席が取れたんだけど、それでも「普通に中島みゆきに興味を持っている」程度の人が、2万円を払って観るものではない。シアターコクーンで1万円ならまだ実験舞台と言えたけど。一度観て、ああこういうものか、歌も上手いな、と納得できたからまあよしとする。次からは観るならコンサートのほうが私はよい。

それにしても、劇場であんなに男の観客が、それも年長の人が多いのは始めて見た。トイレの行列は、全部足したらたぶん男の方が長かったんじゃないか。おっさんたちの財布を開かせる中島みゆきの人気、恐るべし。

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2009年11月22日 (日)

バンコク・シアター・ネットワーク「農業少女」東京芸術劇場小ホール1

<2009年11月21日(土)夜>

タイの北部に位置する農村の、農家の少女。できるだけ農業から離れたいと願っていた少女が、たまたま乗過ごした電車に乗ってバンコクに。そこで関わることになったボランティアの行方。

赤鬼と同時上演のこちらはタイ人による現代演劇。当日パンフやアフタートークで話されていた通り、農業(米)をめぐる状況は日本とタイとで非常に似ているそうで、設定がタイになってもまったく違和感なし。よい感じでした。

役者の演技も癖が無く、身体がよく動くので観ていて楽しいです。主人公をめぐる2人の男はいい役者です。6つの箱で舞台を組替えたり、ちょっとした衣装の工夫で役を早変わりするあたりは、野田秀樹の舞台に通じるものがあります。

もったいない点を挙げると、イヤホンを聞きながらだったため声には集中しづらかったので、字幕のほうがよかった気がします(後ろの壁は使っていなかったので場所には困らないはず)。あと、照明がもうすこし派手でもよかったかも。輪郭のはっきりした照明が全然なくて、なんかぼうっとしていました。

残念な点を挙げると、私はサイド席で観たのですが、これは正面席で観たほうがわかりやすいように構築されていました。わからないとか見切れるということはないのですが、後ろでも端でもいいので、これから席を選ぶ人は正面席を選びましょう。

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バンコク・シアター・ネットワーク「赤鬼」東京芸術劇場小ホール2

<2009年11月21日(土)夜>

海辺の漁師村、ある嵐の夜にどこからともなく現れたひとりの男。言葉も通じず見た目も違う男を、「赤鬼」と呼んで拒否する村人。その「赤鬼」をはからずも匿うことになった、村八分の兄妹の話。

リケエというタイの大衆演劇バージョン。タイの歌舞伎+舞踊+囃子みたいなものです。非常に興味深かったのですが、総合的にはちと外れ。

役者はみな上手で、「あの女」役の女性なんかは非常によかったです。が、脚本を編集したために、展開が飛んで感情が追いつかなくなる場面(特に前半)があったのがひとつ。常に音楽が明るくてメリハリが足りなかったのがひとつ。たびたび客席も明るくする照明が(個人的には)集中力を削ぐ方向に作用したのがひとつ。

あと残酷な話なんですが、やっぱり過去2回観た野田秀樹のタイバージョンの完成度は高すぎた。同じアプローチで迫るにはハードルが高いし、違うアプローチで仕上げたくてもやり尽くされている。

リケエの所作が判ると、もう少し違う興味を持てたのかもしれないですけど、残念。

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