新国立劇場主催「タバコの害について / 煙草のハイ(High)について」新国立劇場小劇場
<2026年8月1日(土)夜>
タバコの害について講演するように妻に命じられた男だが、話はひたすら脱線して自分の暮らしぶりを訴えるようになり「タバコの害について」。煙草の害について講演するために招かれた女性だが、自身は喫煙者で、友人とその家族、娘、喫煙体験、社会の話など取りとめのない話が続く「煙草のハイ(High)について」。
どちらも1人芝居。オリジナルとなるチェーホフの「タバコの害について」は動きもつけてのリーディング。男のみじめな暮らしぶりを訴える様子を好演する下総源太朗に素直に笑いつつ、少し前の時代の翻訳だろうにまったくそれを感じさせずに生き生きとした言葉で発する腕前に感心。
それを基にしての「煙草のハイ(High)について」も、取りとめのないところは同じ。合間に台湾問題が少し見え隠れするも、それを埋もれさせるためというか、全体には取りとめのない笑い話であるところは脚本の構成として流すところ。色っぽい煙草銘柄遍歴のくだりの脚本と、それをほどほどの色気に抑えて笑わせる役者演出の品の良さの組合せは記録しておきたい。どうか皆さんハッピーに、のラストは小川絵梨子の芸術監督ラストとしてのメッセージで、それを体現するためにかんのひとみが召喚されたのだろうと想像。そこそこの本数を観てきた観客の1人として素直に受取りたい。
