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2022年1月15日 (土)

いろんなキャリアがあるもんだ

昨今マンガも読む頻度が増えました。そのなかで「アンナ・コムネナ」が、なかなか面白かった。もとはTwitterマンガで1話1ページですけど、実在の人物を元に、マンガらしい省略と誇張で描きます。

で、私は紙本派なので、末尾に作者の経歴が載っていました。これがマンガと同じくらい興味がある経歴でしたので、あらためて検索しました。本人のサイトより。

佐藤二葉 (さとうふたば)
俳優・演出家・古代ギリシア音楽家・作家

北海道出身。

国際基督教大学卒業。首都大学東京大学院博士前期課程中退。西洋古典学を専攻し、ギリシア悲劇を研究する。座・高円寺劇場創造アカデミー演出コース修了。

ギリシア悲劇の構成・翻訳・演出・演奏・出演を一人で行う「ひとりギリシア悲劇」を展開。

舞台の出演・演出や、東京学芸大学・国際基督教大学・朝日カルチャーセンターなどでゲスト講師を務めるほか、古代ギリシアの竪琴「リュラー」の演奏活動を行っている。

作家としても活動しており、著書に漫画『うたえ!エーリンナ』(星海社COMICS、2018)、小説『百島王国物語 滅びの王と魔術歌使い』(星海社FICTIONS. 2019年)、『アンナ・コムネナ』(星海社COMICS、2021~)がある。

「ピクニックシアター」の企画・運営を2014年から継続的に行う。

西洋古典学を専攻する人は日本にもいるでしょう。ギリシャ悲劇もいるでしょう。そこから座・高円寺の演出コースにつながる人はなかなかいない。出演者1人のシェイクスピアは観たことがありますけど、翻訳から演奏からなにから1人でギリシャ悲劇をやる人は寡聞にして知らない。他に世界にいるのかそんな人。それにハープでなく竪琴って小説やゲーム以外に現代に登場する楽器なのか。

偏見ですけど、ICUと言われたら納得するようなキャリアです。世の中は広い。

話は戻って、「アンナ・コムネナ」は舞台化に親和性があります。マンガや小説を読み終わった後、これは舞台化できるかアニメ化が向いているか実写化がおもしろいか、と考えることが多いのですが、「アンナ・コムネナ」は舞台化が向いています。完結した暁には誰か舞台化してくれないかと思うのですが、こういうキンキラピカピカの世界はやっぱり宝塚ではないかと一度も観たことがないのにこれも偏見で考えたので、宝塚関係者はぜひ一考を。

2021年12月22日 (水)

Wキャストの主演女優が亡くなった時の対応の記録

「マイ・フェア・レディ」の話です。あまり細かい話には触れないで、記録のつもりで。まずはスケジュールの確認。

・2021/11/14-11/28 東京
・2021/12/4 埼玉
・2021/12/10-12/11 岩手
・2021/12/17-12/20 北海道
・2021/12/25-12/26 山形
・2022/01/01-01/03 静岡
・2022/01/06-01/07 愛知
・2022/01/12-01/14 大阪
・2022/01/19-01/28 福岡

新型コロナウィルス以降、今どきこんな絵にかいたようなツアースケジュールがあるのと思いつつ、陽性者が出たときの中止対応もスムーズに行なえる、理想的なスケジュールです。

出演者はイライザ、ヒギンズ教授、フレディがWキャストで組まれていて、それぞれ
・A 朝夏まなと、別所哲也、寺西拓人
・K 神田沙也加、寺脇康文、前山剛久(博多公演は寺西拓人)
となっていました。

東宝公式サイト「公演に関する重要なお知らせ」より。

神田沙也加さんは12月18日(土)に急逝されました。
ここに謹んでご冥福をお祈りいたします。

現在全国ツアー公演中の『マイ・フェア・レディ』札幌公演につきましては、公演の継続は困難との主催者の判断により、12月19日(日)、20日(月)の公演の中止が決定されました。お客様には大変ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。

チケットの払い戻し方法につきましては、道新プレイガイドのホームページにて12月2
0日以降発表させていただきますので、そちらをご確認くださいますようお願い申し上げ
ます。なお以降の全国ツアー公演については、後日改めて当ホームページおよび各地の主催者のホームページにてお知らせいたします。

広く日本のエンタテインメント界に多大な功績を残された神田沙也加さんに敬意を表し、心からの哀悼の意を捧げます。

2021年12月19日
東宝株式会社

報道では、12月18日の昼公演がチームKの予定だったところ、神田沙也加と連絡が付かないので当日は朝夏まなとが代演、翌日以降の北海道公演を中止した、となっています。

このあとどうなるかと思いましたが、チームAのみでの公演続行となりました。「ミュージカル『マイ・フェア・レディ』12月25日(土)以降の公演に関する重要なお知らせ」より。

神田沙也加さんは12月18日(土)に急逝されました。
ここに謹んでご冥福をお祈りいたします。

12月25日(土)から明年1月28日(金)にかけての山形・静岡・愛知・大阪・福岡公演につきましては、各主催者との協議のうえ、イライザ役・ヒギンズ役・フレディ役の3役を、朝夏まなと・別所哲也・寺西拓人の「チームA」にて、全公演を務めさせて戴くことといたしました。神田沙也加・寺脇康文・前山剛久の「チーム K」の公演を楽しみにされていたお客様におかれましては大変ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。何卒ご了承いただけますと幸いに存じます。

広く日本のエンタテインメント界に多大な功績を残された神田沙也加さんに敬意を表し、
心からの哀悼の意を捧げます。

2021年12月21日
東宝株式会社

両チームからの代表コメントをスポーツ報知「寺脇康文、沙也加さん遺作『マイ・フェア・レディ』25日再開も出演キャンセル『本当に悩みました』」より。

2021年12月21日 17時15分
(前略)
 沙也加さんの訃報を受け、札幌公演は19、20日の2公演が中止に。関係者が公演続行について協議を重ね、25日から再開することになった。沙也加さんが演じていた主人公イライザ役はダブルキャストの朝夏まなとが一人で演じきる。お互いをリスペクトし合い、プライベートでも仲良く深い絆で結ばれた2人。朝夏は悲しみをこらえて舞台に立つ。

 寺脇康文「この度、『マイ・フェア・レディ』の残りの公演の出演を、キャンセルさせていただくことに致しました。舞台人として、どうあるべきか、本当に悩みました。プロ意識に欠けるのかもしれません。それでも、イライザとヒギンズの二人三脚で作ってきたこの作品をこのまま続けることは今の僕には難しく、東宝さんをはじめとするカンパニーの皆さんもそのわがままを受け入れてくれました。楽しみにしてくださったお客様には大変申し訳ありません。自分にとっても本当に大切なこの作品は、朝夏まなとさん、別所哲也さんコンビが引き受けてくれます。最大の感謝とともに、千穐楽までの完走を祈ります」

 朝夏まなと「いつもインタビューで一番好きなミュージカルは『マイ・フェア・レディ』と言っていたさぁちゃん。(神田沙也加さんをこう呼んでおりました)私の宝塚退団後の初ミュージカルが本作品で、さぁちゃんからたくさんのことを教えてもらったり、他愛もない話をしたり、すぐに打ち解けて仲良くなりました。生き生きとイライザを演じるさぁちゃんが眩しくて、歌声も大好きでした。今、思い浮かぶのはさぁちゃんの笑顔です。日本で初めて上演された歴史あるミュージカル『マイ・フェア・レディ』。上演か中止か、どちらの決断が下されてもきっと様々な方々のお気持ちが複雑に交錯することもあるかと思います。けれどこの作品を愛する皆さまの気持ちも一緒にすべてのカンパニーキャスト、スタッフが一丸となり『マイ・フェア・レディ』を続けていくこと、この作品を全国の皆さまにお届けしたい…それがみんなの願いです。カンパニーを代表しまして、心よりご来場をお待ち申し上げます」
(後略)

公演中に亡くなった例としては、初日の上演中に亡くなった中嶋しゅうの例があります。その場で上演停止、代役を立ててから1週間後に再開、でした。

ただ今回は追加の話があります。FRIDAY DIGITAL「神田沙也加さん急逝 結婚の話もあった交際俳優の悲しみ」より。これが本当なら寺脇康文が大人のコメントを出して引いたのも納得です。

2021年12月21日

多くの人に衝撃を与えた突然の死。ここに姿を見せていないもう1人も、悲しみの淵にいる。舞台『マイフェアレディ』で共演していた舞台俳優の前山剛久だ。

「沙也加さんと前山さんは3年ほど前から面識はあったようですが、今年に入ってから本格的に交際をスタート。舞台だけでなく、アニメ作品など、共通の話題が多くあったことから、すぐに意気投合したとのことです」(芸能プロ関係者)
(中略)
共演者だけでなく、関係者からも2人の親密ぶりは有名だった。

「実は2人は結婚の話までしていたそうで、それくらい幸せに包まれていた。最愛の人の突然死に、前山はまだ現実を受け入れられていないようです。彼のツイッターは12月17日を最後に更新が途絶えています」(前出・芸能プロ関係者)

裏でどのようなやり取りがあったかわかりませんが、今回はこのようになりました、という記録です。合掌。

2021年12月20日 (月)

世田谷パブリックシアターの次期芸術監督は白井晃に交代

コンパクトにまとまっていたので読売新聞「野村萬斎さん、世田谷パブリックシアター芸術監督を来春退任…後任は白井晃さん」より。

2021/12/20 18:25

 東京都世田谷区の公共劇場「世田谷パブリックシアター」は20日、2002年から芸術監督を務めている狂言師、野村萬斎さん(55)が、来年3月末で退任すると発表した。後任は、演出家・俳優の白井晃さん(64)で、来年4月に就任予定。

 同劇場の芸術監督の任期は1期5年で、萬斎さんは連続4期を務めた。18年の読売演劇大賞で最優秀作品賞となった「子午線の祀り」など、伝統芸能と現代劇の融合を求めた多数の作品の企画や演出などに携わった。

野村萬斎はまだまだやると思っていたので驚きました。4期20年で一区切りとはいえ、今後は狂言の家元業に注力するために退任するのか、さすがに20年経ったから交代してもらいたいと劇場側が思ったのか、その両方なのか。記者会見は2月に行なうそうなので、そこで話が出るでしょう。

そして白井晃。個人的には、白井晃は訳わかんない系の芝居が好きな人という印象を持っているので、劇場主催演目のラインナップが妙に凝ったものにならないか心配しています。もともと世田谷パブリックシアターはダンスに強くて、それは芝居好きのダンス苦手から見ると訳わかんない演目を上演しがちな劇場です。ダンスが悪いわけではありませんが、芝居の演目は、劇場側が意識して派手目に引張ってほしいです。

ところで、白井晃は神奈川芸術劇場の次期芸術監督発表の時に「2021年には僕は63歳で、もし2期目を務めたら68歳。そんなおっちゃんがやってどうすんねん!と思う」って言っていたのに引受けるんだとこちらは別の驚きです。もっと続けてもらうつもりだったのが野村萬斎が急に辞めると言ったか、他の候補者を探していたけど調整が着かなかったか、どちらにしても時間がない中で1期5年のつなぎではないかと思います。

じゃあつなぎが終わった5年後に誰を狙うんだと言ったら、まさか次も神奈川芸術劇場から長塚圭史を引っ張ってくることはないはずです。長塚圭史本人も劇場側も、2期は務める予定でしょう。なら劇場として誰を狙うか。まっさきに思い浮かぶのは、2期8年が終わって演劇研修所の所長をやっているであろう小川絵梨子が第一候補ですよね。そこから開始なら最低3期15年は務まる年齢です。個人的には新国立劇場で3期12年を務めるに不足のない芸術監督だと思いますが、劇場側がよしとするかがひとつ、本人が次の環境を望むかもしれないことがひとつ、ということで可能性十分です。このブログでは5年後は小川絵梨子、に勝馬投票権を張ります。

2021年12月18日 (土)

漫画家の政治家立候補と表現の自由問題について

表現は、だいたい時代が進むごとにおおらかになるというか過激になるというか、そういう方向に発展するものです。マンネリ打破で、かといって新しい表現を見つけるのも簡単ではないので、過激にするのが手っ取り早いからです。あとは制限されているからこそ挑戦したくなるという面もあるでしょう。マンガの世界だと、以前は暴力関係の描写が「残酷だ」ということで問題になっていた気がするのですが、そちらはどうやら一段落して、ストーリーに沿っていればだいたい何でもアリ、になっているようです。

で、次はエロ方面の描写について「性搾取だ」という話で昨今問題になってきました。ここらへん、最近マンガをまた読みだして間がないので今どきのマンガの流れに詳しくないのですが、世の中の流れで基準が緩めになってきたのか、二次創作関係で過激な表現が当たり前になってきたのか、他の流れもあるのか、そこらへんの歴史には追いついていません。おっさんとしては「一人で裏門支えてんのに勝手に表門開けられちまっちゃあな」と話題になったグラビアで出版社側も世の中の基準を緩めるのに加担したとは記録しておきたい。それと、マンガだからといって「萌絵」という単語を使ってごまかしたくはない。かれこれいろいろ範囲を考えたうえでなお「創作でエロはどこまで認められるのか」という問題だと理解しています。

この問題は、エロが過ぎる、いくら何でも不愉快だ、という素朴な感想が、表現規制、表現の自由の侵害と背中合せになる微妙な話題です。なんなら暴力表現だってもう一度検討対象になり得る。それに加えて「聖地巡礼」とか経済効果を期待するから多少は目をつぶるみたいな立場の人達もいるので、一筋縄ではいきません。ただ、実際に被害を受けた人物がいるケースと、表現内にとどまっている架空の創作キャラのケースとは混在させないほうがいい、ということだけは理解しました。 前者は本人の被害、後者は閲覧者の不愉快が主対象です。範囲をどれだけ拡大してもそこが外れることはない。

他に、実際の被害というか性搾取はマンガ業界と芸能界なら芸能界のほうが本場だろうという話と、そうは言っても各種の「色気」が芸能界の売りの一部だろうという話もあります。ただ、ここまで素人がうかつに議論に踏込んだら大火傷するのでこれ以上は割愛します。

マガジン系というか講談社は各種表現についてはかなりおおらかなほうだと思います。マンガに限らず、週刊現代やFRIDAYも講談社ですし。そこが主掲載媒体だった赤松健は、何というか、サービスカット多めのマンガを描いていた漫画家のひとりですから、この手の表現規制に敏感になるのもわかります。ただ、表現規制が問題になってきた数年前から、「マンガで表現規制の問題なら赤松健」というくらい名前を見かけてきたので、業界有数の有識者でしょう。インタビュー記事を何回か見かけましたが、かなり真面目に問題の整理に取組んでいた印象です。

それが自民党から立候補するかもしれない、という記事が出て、本人もTwitterで認めています。タレント議員で票を稼ぐのは与野党問わず行なわれてきたことですが、今回は漫画家というのが異色です。

赤松 健@KenAkamatsu
一部報道にあるように、自民党本部で面談をさせて頂きました。
私は表現の自由を守るために、来夏の参院選への立候補の意志を固めています。
現在は選考過程の最中であり、党からの正式な発表がありましたら、改めて私の意思を皆様に伝えさせていただきたいと思います。

赤松健
午後9:30 ・ 2021年12月16日

表現の自由について、これまでだったら票にならない問題だと思われていたでしょう。だけどそれに取組んできた漫画家に擁立の動きが出て、擁立された側も目的として全面に掲げています。つまり今は表現の自由は票を左右する問題になっており、こちらに振ったほうが票になると自民党が判断した、ということです。表現の自由は別にマンガにとどまらず創作全般、芝居関係だって大いに影響を受ける話です。この動きは芝居関係者も注目しておいたほうがいいです。

この話題、芝居業界だって負けず劣らず向いていて、それがテーマの芝居だって創られてきました。本当だったら平田オリザがこのポジションに入っていてほしかった。のですが、旧民主党とのしがらみもあれば、新型コロナウィルスであれだけミソをつけたこともあり、さすがに今は出番ではない。他に適任者がいるかというと、いるかもしれないけど思いつかない。あとは先にも書いた通り、芸能界でこれを適切に論じられる素地があるとは思えない。時代の流れというか、タイミングというか、巡り合わせはあるにしてもマンガ業界が赤松健を輩出したわけで、そこらへん、層の厚さというより裾野の広さが生みだしたのだろうな、マンガ業界が今のサブカルチャーの雄だな、と改めて思い知っています。

輸送中の事故からのショーマストゴーオン

遠征公演の話を見て、これは輸送中に事故が起きたらどういう対応を取るんだろうと想像することの多い妄想魔でしたが、実際に起きたら何はともあれ御無事で何より、という話です。ヘタリアはマンガが原作だということくらいしか知りませんが、大阪公演前に輸送事故が起きたという話です。公式サイト「大阪公演についての重要なお知らせ」より。

平素より『ミュージカル「ヘタリア~The world is wonderful~」』を応援いただき誠にありがとうございます。

この度12月16日(木)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて開幕を予定しておりました『ミュージカル「ヘタリア~The world is wonderful~」』につきまして、運送会社による機材輸送時、トラック事故が発生し、大道具、小道具が一部損壊、音響機材が全壊する事態となりました。本事故関係者の命に別状はございません。

現在、上記損壊復旧作業による進行の遅れや、急遽取り寄せた機材による再調整などが発生している状況です。復旧作業に時間が足りない状況にて、大阪公演自体の中止も検討しましたが、製作委員会にて慎重な協議を重ね、本作の上演をお待ちいただいたお客様の為にも、限られた時間の中で最大限の準備をし、本来皆様にお届けしたかったクオリティに届かない公演になってしまう可能性もございますが、カンパニー一同で、今できる最高の上演を目指したいと思っております。しかしながら、現時点で100%のものに仕上げられる保証がないため、以下の公演に関しましては、ご希望の方への払い戻し対応をさせて頂くことにて決定致しました。また、公演時間に関しましても、少しでもクオリティを上げるための時間を頂戴したく、開演時間を変更しての公演とさせていただきたく存じます。何卒ご了承いただけますと幸いです。

【開演時間変更】

(変更前)12月16日(木)18:00公演→(変更後)12月16日(木)19:00公演

※開場時間はロビー開場、客席開場ともに開演の45分前を予定しております。
※開演時間変更に伴い、物販開始も1時間後ろ倒しとなり、16:00より開始となります。

【払い戻し対象公演】

12月16日(木)18:00公演

※上記日時のチケットをお持ちのお客様で、ご希望の方は払い戻し対応を承ります。

対象公演の払い戻し方法につきましては、後日公式サイト・公式Twitterにて発表させて頂きますので、ご案内をお待ちくださいますよう、何卒お願い申し上げます。

公演を楽しみにご来場を予定されていらっしゃいましたお客様には、ご迷惑とご心配をおかけしますこと、心よりお詫び申し上げます。
ご理解をいただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

引き続き、『ミュージカル「ヘタリア~The world is wonderful~」』を宜しくお願い申し上げます。

2021年12月14日
ミュージカル「ヘタリアWW」製作委員会

公演スケジュールを見ると、大阪が2021年12月16日から12月19日まで4日間6ステージ、その後東京で2021年12月23日から12月31日まで13ステージ。機材がないからといって全公演中止するという選択肢は取れません。急いで調達、間に合うもので上演、という方針はわかるところです。ただ1時間遅れで済ませたのがすごい。照明だと仕込みに影響が出やすい(バトンの上げ下げで舞台美術との兼合いがあるので仕込みの順番が早くなりがち)ところ、影響を受けたのが美術と音響機材だったのが、幸いしたというと怒られそうですけど幸いしたのでしょうか。同じ機材で調達の都合がついても、ミュージカルは会場ごとに場当たりでの音響の調整が大変そうですが、そこはもう機材の仕込みだけ間に合えばオペの腕の見せ所、最悪公開ゲネプロで勘弁、が判断だったのかなと推測します。

もう1点の見どころは「※開演時間変更に伴い、物販開始も1時間後ろ倒しとなり、16:00より開始となります」です。物販開始時間を削れば開演時間を遅れさせる必要ないんじゃないの、とならないのは、興行収入における物販の占める割合が非常に高いことを示しています。物販がなければ遠征公演は赤字、という話はよく見かけます。物販は断じてあきらめない、という強い意思を感じます。

で、無事に初日も開幕できたようなので、関係者の皆様お疲れさまでした。帰りは事故にならないようにご注意ください。

2021年12月 3日 (金)

さらば吉右衛門

どこから訃報を引こうかと思ったら歌舞伎美人が「中村吉右衛門さんご逝去」を出していたのでそちらから。

 歌舞伎俳優の二代目中村吉右衛門<なかむら きちえもん、本名:波野 辰次郎=なみの たつじろう>さんが、11月28日(日)午後6時43分、東京都内の病院でご逝去されました。77歳。謹んでご冥福をお祈りいたします。

 八代目松本幸四郎(初代松本白鸚)の次男。のちに母方の祖父、初代中村吉右衛門の養子となる。昭和23(1948)年6月、東京劇場『御存俎板長兵衛』の長松ほかで中村萬之助を名のり初舞台。昭和41(1966)年10月帝国劇場『祇園祭礼信仰記 金閣寺』の此下東吉ほかで二代目中村吉右衛門を襲名。

 歌舞伎界を代表する立役の一人として深い人物造形と巧みなせりふ術で魅了し、『熊谷陣屋』熊谷直実、『仮名手本忠臣蔵』大星由良之助、『菅原伝授手習鑑』松王丸、『梶原平三誉石切』梶原平三、『一條大蔵譚』一條大蔵長成、『盛綱陣屋』佐々木盛綱、『俊寛』俊寛僧都、『籠釣瓶花街酔醒』佐野次郎左衛門、『天衣粉上野初花』河内山宗俊、『極付幡随院長兵衛』幡随院長兵衛、『勧進帳』武蔵坊弁慶など数々の当り役をもつ。初代中村吉右衛門の俳名、秀山にちなみ、生誕120年を記念して平成18(2006)年9月から始まった「秀山祭」では、初代以来の当り役に挑むほか、次世代を担う後進の指導も行う。また、先祖所縁の松貫四の筆名で数々の作品で脚本などを手がける。平成18年から24(2012)年まで文化庁の舞台芸術体験事業に参加し、全国各地の小学校をまわり、小学生に歌舞伎の楽しさを伝える活動も行う。映像作品ではドラマ「鬼平犯科帳」に平成元(1989)年から28(2016)年まで、実父の初代白鸚も演じた長谷川平蔵役で主演し、人気シリーズとなる。最後の舞台は令和3(2021)年3月歌舞伎座『楼門五三桐』石川五右衛門。

 昭和59(1984)年芸術祭賞優秀賞、日本芸術院賞、平成14(2002)年日本芸術院会員、平成14年度芸術祭演劇部門大賞、平成23(2011)年重要無形文化財保持者各個認定(人間国宝)、平成29(2017)年文化功労者。令和2(2020)年日本放送協会放送文化賞。平成25(2013)年より公益社団法人日本俳優協会専務理事。
2021/12/01

2年前に休演したころからまあ気配はあった。今年1月に長期休演したあたりが境目。3月に倒れたときはもう覚悟したから取上げなかった。そもそも鬼平のFINALと銘打った2016年時点で殺陣が緩かった。毎日上演の歌舞伎と違って映像であれだったから、体が資本の役者としては厳しかった。

歌舞伎を観始めたのがここ数年でしかも熱心ではないから、吉右衛門の舞台を観たのは数えるほど。勧進帳の弁慶は、NHKが映像に残していそうだけど、元気なうちに劇場で一度観てみたかった。本人は「俊寛」が一番好きだとどこかのインタビューで答えていたけど、あれは一人で入り込みすぎて好みではなかった。「河内山」みたいな、周囲とのやり取りがあったほうがよかった。

ただ、自分にとってはやっぱり鬼平の吉右衛門。初回がもう30年以上前、役者として乗っている時期に、周囲の役者、スタッフ、撮影ロケーションもまだ昔からのものが残っていた時代が重なった。かつバブルの勢いで予算をかけて映像に残せたのはやはり時の運が味方したもので、それで文句を言ったら罰があたる。

合掌。

2021年11月15日 (月)

国立劇場も建替の時期

共同通信「国立劇場、文化観光の拠点に」より。

 日本芸術文化振興会(芸文振)と文化庁は、老朽化した国立劇場(東京都千代田区)の建て替えに伴い、劇場上部にホテルを整備する計画を進めている。周辺にある皇居・三の丸尚蔵館や東京国立近代美術館と連携し、文化観光の拠点としてにぎわい創出につなげる。

 民間事業者が一体的に整備し、劇場と上階部分の運営も担う。上階部分は「民間収益施設」と位置付け、ホテルのほかレストランやカフェも想定。オフィスエリアを設けることもできるが、観光拠点としての機能が期待されており、マンションは認めない。

 月内にも事業者への具体的な要求水準を公表し、来年4月ごろに公募を始める。

行った回数は少ないですが、客の歩けるエリアは、劇場としては国内有数の余裕を持たせた造りです。客席からの見やすさも上々でもったいないですが、1966年開館では耐震基準が古くて、耐震補強よりいっそ建替えにとなったのでしょう。都心のど真ん中にあのくらい低層の贅沢なスペースがあってもいいと思いますけど、贅沢すぎて許されだろうことも想像できます。

建替えた後になって「前のほうがよかった」と言われないように、よい劇場に生まれ変わってほしいです。

チラシの絵を描いていた作者を発見

風姿花伝プロデュースのチラシ、妙に芝居に合せた内容の油絵になっていることがあります。油絵なんてずいぶん手間暇かかるだろうし、作者が「佐和子」とだけ書かれていたので、どこでこんな絵を見つけてきたのだろうと気になっていました。たしか「女中たち」が気になった最初です。今見てもこの絵は好きですね。

で、ふと見つけたインタビューで納得したら何のことはない。苗字まで入れたら那須佐和子、プロデューサー兼出演の那須佐代子の娘でした。藝大生の油絵専攻なら本職ですね。クレジットが絵画提供なのも納得しました。

長年の疑問が解けてひとつすっきりしました。

2021年11月 9日 (火)

いつか調べてみたい公立劇場が貸劇場演目の紹介に冷たい理由

タイトルの通りです。主催公演は丁寧な紹介ページがあっても、貸劇場公演は区別して公演予定のみ掲載しているところばかりです。fringeのTwitterで同じ疑問が呈されていました。

fringe@fringejp
公共ホールの公式サイトで、主催公演と貸館公演の情報掲載の差がありすぎるところが少なくない。非常に見つけにくいページや非掲載の場合もある。貸館も劇場法に定められた役割で、観客から見ればどちらも「そのホールでやっている公演」。出来る限りの情報を掲載するのが、公共ホールの務めだと思う。

劇場法は、公演の主催や学芸事業だけを定めているのではない。貸館も重要な役割であり、法の目的に合致するものだ。どうしてそんなに貸館を別扱いするのだろう。魅力ある貸館公演を揃えるには、公共ホール自身の努力も不可欠で、主催公演に匹敵する成果だと思うのに。逆に大々的に掲載したらいいのに。

自分が公演を調べるときに不便なので昔から気に入らなかったのですけど、あるとき何か理由があるはずだとひらめきました。思いついた仮説は2つあって、「民間業者の宣伝になってしまうと税金の投入とみなされてしまうから宣伝できない」か「うっかり変な団体に貸してしまった結果とんでもない事業の宣伝に手を貸した(しかも箔付けした)ことになってしまう可能性を封じるために一律自粛している」のどちらかではないかと推測しています。

前者だと法律の話、後者だと実例があったための自衛策、どちらも調べるとわかりそうなものなんですけど、最近調べごとをする気力に欠けているので追いついていません。匿名でいいから誰か中の人が書いていてくれないかなと他力本願です。

2021年10月 9日 (土)

筋が悪い海老蔵の新橋演舞場公演

2022年1月公演です。ステージナタリーより。

にしのあきひろ(西野亮廣)の絵本「えんとつ町のプペル」は、ゴミ人間・プペルと、少年・ルビッチが紡ぐファンタジー作品。昨年、「映画 えんとつ町のプペル」のタイトルで映画化されたほか、これまでにも数多く舞台化されている。

「えんとつ町のプペル」を原作とした新作歌舞伎「プペル~天明の護美人間~」では、原作・脚本・空間 / 美術演出を西野、演出を藤間勘十郎が担当。主人公のプペル役を市川海老蔵が勤め、原作のルビッチにあたる玄(げん)役を、海老蔵の実子である市川ぼたんと堀越勸玄が演じる。また海老蔵は、物語の鍵を握る玄の父親役・熊八役も兼任する。

作者と作品は別モノなのは新型コロナウィルス騒動で見せつけられましたが、それはそれとして。

芸能界としても触らないほうがいい人、あるいは芸能界から見てもやばいから活動を別枠に隔離したほうがいい人はいるわけです。個人サロンその他で素人相手に芸以外を提供して対価を取る、阿漕な商売をしている西野亮廣はそういう別枠の人だと私は認識しています。

それを原作として作品だけ触るならまだしも、脚本と美術まで絡ませるのはあんまりじゃないのかと考えます。以前、海老蔵が干されていると書きましたけど、こんな付合いがあるようでは干されても仕方がありません。後先はわかりませんが、あるいは干されたからこういう付合いにのめり込むようになったのかもしれません。どこで読んだか、オリンピックの開会式に出たのは禊が済んだことになると書かれていましたが、それでこんな公演をするようでは禊のかいがありません。

料金設定も自由なもので、SS席3万円という破格のチケット代です。値上げ著しい歌舞伎座ですら三部制の1等席1万5000円。仁左衛門玉三郎の桜姫東文章の上の巻下の巻2回分と同額です。参考までに宝塚を調べると本公演でSS席1万2500円です。ちなみに私が観たことがある1本で最大金額は中島みゆきが赤坂ACTシアターでやった夜会の2万円です。価格は需要と供給ですから、売れると踏めば高くつけること自体に反対はありません。ただ、興行には相場というものがあるので、この公演が通常興行とは違う位置づけにある、ということはわかるはずです。サロン向けの価格です。

新橋演舞場は松竹の管轄だから、こんな公演を許して、ここまで干してきた松竹も新型コロナウィルスで背に腹は代えられなくなったのかと最初は思いました。が、チラシをよく見ると「主催・制作 新作歌舞伎『プペル』実行委員会」とありました。劇場は貸してもあとは知らんということでしょう。正しいです。表の商売として危ない筋との付合いは無くすのが世間の流れで、ここまで松竹が海老蔵を干してきたことにも納得しました。

歌舞伎にそこまでのめり込んでいるわけではありませんが、こんな付合いにめげずに堀越勸玄市川ぼたんがまともに育つことを願ってやみません。

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