2017年4月27日 (木)

日本人が日本人を警戒する視点の芝居を望みます

2017年5月6月の観たい芝居のメモをまとめていたら、ラインナップを眺めて言葉になった考えを書いてみます。

安全保障に絡む法律の制定改正に反対意見が盛上がるなか、演劇関係者も反対を表明する人たちが多いです。それを反映してかこの期間だけでも、事前にわかる範囲で戦争を扱った脚本の再演が4本あります。粗筋を読んだ限りでは戦争に対して否定的な芝居です(戦争を肯定する芝居はあまり聞いたことがありませんが)。

今まで芝居を観て学んだところによれば、日本人は日本人を信用していませんよね。そしておそらくその通りで、日本人は信用ならない。だから国際情勢が、遠くではなくすぐそこの国に関係してきな臭くなったにも関わらず、法律の制定改正に反対しているのは、直感では正しいです。法律が制定改正されたら、なし崩しで日本人が日本人に迷惑をかける形の運用がなされる。そういう日本人の信用ならないところをあの手この手で描いてきたのが平田オリザです。直近だと4月の「南島俘虜記」とか。

それを出発点として考えると、戦争への警戒以上に日本人を警戒しないといけない。いざとなったら何をやらかすかわからない存在として、日本人である私たちは自分たちと自分自身をもっと警戒してとらえないといけない。だから単に戦争反対を目的として法律の制定改正に反対している人たちは同じく警戒しないといけない。それは立場が変わったら自覚無しに法律の制定改正を推進する人たちです。今回の件に限らず、私は政治的な反対意見を表明している人たちに嫌な印象を持っていましたけど、これが理由のひとつだと今わかりました。

演劇関係者もその例に漏れません。有名なところでは、本人にいろいろな考えがあったとしても、岸田国士は結局大政翼賛会文化部長を務めた事実があります。どこで読んだか忘れましたが、自分が務めたほうが関係者の保護に回れる分だけまし、という理由もあって引受けたと記憶しています。ただ、今日の目をもって昨日を論じるなかれという考慮をしても、そもそも就任したのが正しかったのかどうか、それとも全部辞退して疎開して隠遁していればよかったのか、正式に抗議活動をして拷問されるのがよかったのか。岸田国士ですらそうなのですから、今の演劇関係者で戦争に反対している人たちも立場と時局によっては何を言い出すかわかったものではありません。とるべきだった振舞についての合意は今もできていませんから、状況が変わったら状況倫理を駆使して豹変して、後で「あの時はしょうがなかったんだよ」で済ませるような人が大勢いるでしょう。

再演される芝居はすでに脚本があるのでリライトするわけにはいきませんし、そもそもリライトするなら再演する意味がありません。それでも、単に戦争反対という視点から戦争を断罪して観客をいい気分にさせるのではなく、戦争にまつわる悲劇を起こしているのは人間の営みで、その中でさらに日本人の通常の営みには戦前戦中戦後を一層悲惨にする何らかの要素や様式があって、それは劇中の人物だけでなく現代の作り手の日本人や観客の日本人の中にも脈々と受継がれて潜んでいるので強く警戒するべき、という視点から描かれることを、一芝居ファンとして望みます。

それとは別に、相手の土俵に乗らないことで反対を表明する方法もあります。戦争が起こる可能性が大きくなるほど、戦争とは遠い純粋な娯楽を提供することで、観客の日本人には逆にある種の救いになりうる、次の日に向かう力を与えられる、ということも忘れないでほしいです。

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2017年4月26日 (水)

2017年5月6月のメモ

観たいものを並べてみると結構な数になりました。

・赤坂ACTシアタープロデュース「恒例 志の輔らくご」2017/05/04-05/07@赤坂ACTシアター:演目は大忠臣蔵と中村仲蔵で固定の恒例らしいけど、セットで一度観ておきたい

・うさぎストライプと親父ブルースブラザーズ「バージン・ブルース」2017/05/04-05/21@こまばアゴラ劇場:役者を見て演目を考えたんだろうな、という不思議な企画

・Bunkamura企画製作「上を下へのジレッタ」2017/05/07-06/04@Bunkamuraシアターコクーン:倉持裕と竹中直人のコンビがBunkamura企画で、手塚治虫の漫画を舞台化だけど、大当たりか大外れかどちらかの予感

・デンナーシステムズ企画制作「TSURUBEBANASHI2017」2017/05/10-05/14@世田谷パブリックシアター:聴いたら楽しいだろう釣瓶の一人噺

・新国立劇場主催「マリアの首」2017/05/10-05/28@新国立劇場小劇場:日本戯曲の力シリーズ3作目は小川絵梨子演出で

・イキウメ「天の敵」2017/05/16-06/04@東京芸術劇場シアターイースト:上演済み短編を長編化して、客演多目で臨む

・俳優座劇場プロデュース「十二人の怒れる男たち」2017/05/17-05/21@俳優座劇場:映画は観たことがあるけど舞台で一度観ておきたい

・ヴィレッヂ/WOWOW主催「クヒオ大佐の妻」2017/05/19-06/11@東京芸術劇場シアターウエスト:宮沢りえの主演作品に岩井秀人が助演するという個人的に文脈がわからないキャスティング

・M&Oplaysプロデュース「少女ミウ」2017/05/21-06/04@ザ・スズナリ:岩松了が若手と小さ目の劇場で芝居するシリーズ

・青☆組「雨と猫といくつかの嘘」「青色文庫 -其参、アンコール選集ー」2017/05/23-06/04@アトリエ春風舎:一度は観たくてまだ観られないけど、演目3本、うち1本はダブルキャストというややこしい上演

・モノモース「エンドルフィン」2017/05/24-05/29@こまばアゴラ劇場:役者3人のユニットに大阪劇団の脚本演出家を迎えて

・明後日プロデュース「名人長二」2017/05/25-06/04@紀伊國屋ホール:モーパッサンの原案と圓朝の連載原作を混ぜた謎加減が気になる

・木ノ下歌舞伎「東海道四谷怪談」2017/05/26-05/31@あうるすぽっと:通しで6時間の大作は観ておきたいけど日程が

・シーエイティプロデュース企画製作「蜘蛛女のキス」2017/05/27-06/18@東京グローブ座:名前だけ聞いたことのある2人芝居で、主演は未知数だけど渡辺いっけいが相方を務めて演出が鈴木裕美ならこの機会に観てみたい

・アマヤドリ「非常の階段」2017/06/08-06/18@シアター風姿花伝:これも観ておきたいのに長らく観られない

・新国立劇場主催「君が人生の時」2017/06/13-07/02@新国立劇場中劇場:宮田慶子演出で名前だけ聞いたことのある翻訳もの

・サンプル「ブリッジ」2017/06/14-06/25@神奈川芸術劇場大スタジオ:劇団活動はこれで最後にして個人ユニットに移行する前の最後の公演

・KENTARO KOBAYASHI SOLO PERFORMANCE「ポツネン氏の奇妙で平凡な日々2017」2017/06/16-06/21@あうるすぽっと:観れば面白いのはわかっている

・チェルフィッチュ「部屋に流れる時間の旅」2017/06/16-06/25@シアタートラム:初演から1年以上世界ツアーをやって、東京公演

・青年団「さよならだけが人生か」2017/06/22-07/02@吉祥寺シアター:今年の本公演は比較的初期の劇団出世作を、本公演にしては新旧入り混じったキャスティングで

・劇団☆新感線「髑髏城の七人」2017/06/27-09/01@IHIステージアラウンド東京:これは鳥組で阿部サダヲを主演に迎えて

・新劇交流プロジェクト「その人を知らず」2017/06/29-07/10@あうるすぽっと:三好十郎脚本鵜山仁演出の、文学座と文化座と民藝と青年座と東演の合同上演

・文学座公演「中橋公館」2017/06/30-07/09@紀伊國屋ホール:文学座初期の真船豊脚本を上村聡史演出で

他に「髑髏城の七人」の花組が06/12まで。

ラインナップを眺めて、思うところがあったので、分けて次のエントリーに書きます。

<2017年4月29日(土)>

1本追加。

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2017年4月21日 (金)

観客あるある

あるあるは大げさだけど、長く芝居を観続けているとそういう気分になる

転居を伴う異動があって、3月はなんだかもうやること、のタスクが多すぎて芝居の感想もまったく書けず、それも書きたいけど時間がない、というような感じじゃなくて、自分がパソコンに向かってテキストを打つ、ってことがもはや遠い世界に感じられる、みたいな心境になってしまっていて、これはちょっとやばいんじゃないかなんて気が、こっそりしていた。4月になって、環境が変わって、時間は前よりたくさんあるのに「エンターテイメントを楽しむ」みたいな方向に気持ちがいかない。いかないというよりも、前はどうやって楽しんでいたのかがわからなくなってる感じがしていた。

最近ブログを書くのがきつくなってきた。でももっと以前は、なんかもう芝居を観るの止めてもいいんじゃないかという気持ちになりました。

でも、「クレシダ」の映像を観て、平さんの芝居を観ていたら、なんというかへんな表現だけど、死んでいた情緒がみるみる甦ってくるような感覚になった。シャンクの語る「役者の仕事」の台詞に涙しながら、自分がどうやって芝居を、娯楽を、楽しんでいたかをもりもりと取り戻すような感覚があった。ためこんで放置していた芝居と映画の感想を、3日間で一気にぜんぶ書いた。ソロモンよ、わたしはもどってきた、なんて言いたくなってしまうぐらい、きぶんがいい。

私の場合はそれが「」だった。たとえ3年に1回でもこういう芝居が観られるなら芝居を観続けないといけない、と思わせてくれた。なのに今年の再演を観られなかったのは都合がつかなかったから。芝居を観に行ける機会は減っていて、そうするとできるだけ当たりの予感がする芝居を選びがちになってしまう。それでよし行けるというときに限って観たい芝居が休演日だったり、昼夜のどちらかしか上演していなくて合わなかったりする。

ならばその機会に新しい劇団でも試しに観るかというと、それより別のことに時間を使おうかとなる。劇団に限らず、海のものとも山のものとも知れないものを試すのには時間と体力と金が必要で、それが欠けるとつらい。

欠けた時期が続くと、観るのを止めてもいいんじゃないかという気持ちにまたなってしまう。そういうときに思い出す作品がひとつでもあるなら、ひと休みしたあとでもう一度立上がって劇場まで足を運べる。

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2017年3月20日 (月)

おくやみ申し上げます

早かった。短いので申し訳ないけどステージナタリーより全文引用。

悪魔のしるしの危口統之が、本日3月17日に逝去した。42歳だった。

危口は昨年末に公式サイトにて肺腺ガンを患っていることを発表し、note上の「やまいだれ日記」に日々の思いをつづっていた。通夜は明日3月18日18:30より、告別式は翌19日13:00から14:00に、危口の出身地である岡山・倉敷の、アーバンホール中庄にて執り行われる。

危口統之は1975年岡山県倉敷市生まれ。大学時代から演劇活動を開始し、2008年に「悪魔のしるし」を設立。「搬入プロジェクト」や、実父と共演した「わが父、ジャコメッティ」などで注目を集めた。最後の舞台となったのは2016年10月に上演された「歌舞伎町百人斬り」。なお、危口が原案を手がけた「蟹と歩く」は、予定通り3月25・26日に岡山・倉敷市立美術館講堂で上演される。

合掌。

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2017年3月 1日 (水)

2017年3月4月のメモ

2月に強引に駆込みで5本観たら3月がもっと詰まっていて、しかも前半から飛ばしていて、観切れない。

・OFFICE SHIKA PRODUCE「親愛ならざる人へ」2017/03/02-03/12@座・高円寺1:奥菜恵も久しぶりだけど久世星佳を連れてきたところが偉い

・新国立劇場制作「白蟻の巣」2017/03/02-03/19@新国立劇場小劇場:三島由紀夫が苦手なんだけどどう仕上がるか

・オフィスコットーネプロデュース「The Dark」2017/03/03-03/12@吉祥寺シアター:イギリスの比較的近年ものの日本初演で興味が湧いたのでピックアップ

・世田谷パブリックシアター企画制作「炎」2017/03/04-03/19@シアタートラム :初演と同じキャストでの再演、初演を観た自分がこの2ヶ月で1本だけ選べと言われたら全力をもってこれをお勧めする

・PARCO Production「不信」2017/03/07-04/30(03/04-03/06プレビュー)@東京芸術劇場シアターイースト:三谷幸喜の4人芝居だけど会場が狭いのでチケット争奪が

・西尾佳織ソロ企画「2020」2017/03/09-03/12@「劇」小劇場:鳥公演に先んじて個人企画

・シス・カンパニー企画製作「令嬢ジュリー」「死の舞踏」2017/03/10-04/01@Bunkamuraシアターコクーン:3人芝居の同時上演に小川絵梨子演出で挑戦、2本立てではなく昼夜でかわりばんこに1本ずつ上演するので注意

・鳥公園「ヨブ呼んでるよ」2017/03/16-03/22@こまばアゴラ劇場:旧約聖書が元ネタらしい

・燐光群「くじらの墓標 2017」2017/03/18-03/31@吉祥寺シアター:1993年初演の再演モノ

・青年団・こまばアゴラ演劇学校無隣館「南島俘虜記」2017/04/05-04/23@こまばアゴラ劇場:毎年楽しみな青年団と無隣館の合同公演、追加公演パズルにも注目

・劇団☆新感線「髑髏城の七人」2017/03/30-06/12@IHIステージアラウンド東京:新劇場こけら落としにして4つの座組みで3ヶ月ずつ1年間上演という日本ではあまりみない試みに鉄板の演目で挑戦するトップバッター

・ONEOR8「世界は嘘で出来ている」2017/04/02-04/09@ザ・スズナリ:比較的最近評判がよかった芝居の再演

・世田谷パブリックシアター企画制作「狂言 唐人相撲」「MANSAIボレロ」2017/04/05-04/09@世田谷パブリックシアター:これは1公演で2本上演だけど初日に限り唐人相撲がトークになるようなので日程注意

・松竹製作「赤坂大歌舞伎 夢幻恋双紙」2017/04/06-04/25@赤坂ACTシアター:蓬莱竜太の新作で生まれ変わりモノに中村屋が挑戦

・劇団青年座「わが兄の弟」2017/04/07-04/16@紀伊國屋ホール:マキノノゾミ脚本宮田慶子演出でチェーホフ伝とのこと

・テレビ朝日、産経新聞社、パソナグループ、サンライズプロモーション東京主催製作「フェードル」2017/04/08-04/30@Bunkamuraシアターコクーン:大竹しのぶ主演栗山民也演出のフランス古典らしいけどこの相乗りぶりは何とかならんのか

・KAAT×地点共同制作「忘れる日本人」2017/04/13-04/23@神奈川芸術劇場中スタジオ:よくわからない勢いを感じたのでピックアップ

・さいたまゴールド・シアター×さいたまネクスト・シアター「鴉よ、おれたちは弾丸をこめる」2017/04/14-04/16@さいたま芸術劇場:見逃していた公演なので観たいけど3日間3ステージだけとか

・SHATNER of WONDER「破壊ランナー」2017/04/21-04/30@Zeppブルーシアター六本木:まさかの西田シャトナー作品再演だけど、これは再演できるのか

・こまつ座「化粧」2017/04/25-04/30@紀伊國屋ホール:何度も上演している井上ひさしの一人芝居なので観ておきたい

・カンパニー・エルザッツ「思い出せない夢のいくつか」2017/04/28-04/30@こまばアゴラ劇場:平田オリザ作品の翻訳を、ベルギーの若手劇団が学生時代の卒業公演で上演して、それが本家の劇場で上演

劇団っぽく書いたものでも提携があったりして、こうやって並べると劇団よりプロデュース公演全盛なのがよくわかる。でもそれが大成功することもあるのでわからない。その大成功の実例が今回再演される。繰返しになるけど「炎」は全力でお勧めするので芝居に興味があるなら立見でもいいから観ておけ。高校生でも中学生でもいいから観ておけ。初演に口コミプッシュを出せずに日和ったのはいまだに後悔している。

<2017年4月12日(水)追記>

2本追加。あと、載せていないけど4月28日からのふじのくに世界演劇祭がちょっと面白そうなのだけど、スケジュールの都合がつくかどうか。

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2017年2月14日 (火)

青年団の追加公演パズルに興味津々

最近恒例の青年団+無燐館の公演ですけど、今年は「南島俘虜記」とのことで未見なので楽しみにしています。

で、トリプルキャストでスケジュールが組まれているんですけど、トリプルキャストなのに休演日あり。いやー4月はみんな忙しいし、なんてことはなくて、いつも人気の青年団ですから追加公演予定日でしょう。一応同じ曜日の同じ時間帯に同じチームが当たらないように工夫していますけど、各チーム7公演ずつだから追加公演はどのチームが、何てことにならないように、1公演ずつ充てるんでしょう。

販売して間もない最初の週を飛ばすとしたら、4/11(火)昼以降が対象。いやいや、そんな順番は関係ない手堅く日曜夜に3チーム突っ込む、いやいやいや、各チーム2公演の計6公演を一気にあるいは二度に分けて追加するならきれいにABCが並ぶじゃないか、などと興味は尽きません。

チケット発売は2/25(土)なので、どの日から売れるかを観察しながら、どの組合せで追加公演やるのかを決めていくのでしょう。最近は昼間公演が人気で夜公演の人気が薄いから、特に平日は先に夜から売るのでしょう。

私の予想は、素直に4/11(火)昼、4/13(木)夜、4/18(火)昼を売出しだと思いますが、皆様の予想は如何。

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2017年1月10日 (火)

インフルエンザによる短期上演中止のメモ

3件目が出てきたので目に付いた範囲でメモを残します。

・世田谷パブリックシアター企画製作「キネマと恋人」2016年11月24日から27日まで4日間5ステージが中止スポニチによれば妻夫木聡、緒川たまき、三上市朗の3人が陽性反応。

・神奈川芸術劇場プロデュース「ルーツ」2016年12月23日から25日まで3日間3ステージが中止。こちらは誰が陽性反応なのか不明。

・Bunkamura企画製作「世界」1月11日から13日まで3日間3ステージが中止。これもスポニチによれば鈴木砂羽が陽性反応。その後発症して14日昼を中止、夜を上演予定

今シーズンはインフルエンザの当たりシーズンなのでご注意。

<2017年1月12日(木)更新>

「世界」の情報を更新。インフルエンザに詳しくないけど12日に発症して14日夜に間に合うのかな。赤字覚悟で諦めて15日日曜日まで中止にして休演日はさんだほうがよかったのでは。ちなみに26日夜の回が追加公演になっています。

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2016年12月30日 (金)

2017年1月2月のメモ

小劇場出身者は客が付くからニッパチに回しておけ、みたいな意図を感じるラインナップ。

・青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場企画制作「高校演劇サミット2016」2017/01/07-01/09@こまばアゴラ劇場:一度観たら面白かったのでピックアップ、甲府南はその時も出ていた

・地人会新社「豚小屋」2017/01/07-01/15@新国立劇場小劇場:栗山民也演出の2人芝居

・俳優座「病は気から」2017/01/11-01/22@俳優座劇場:モリエールの古典だけど昔テアトルエコーで観て面白かったのでピックアップ

・パルコプロデュース「キャバレー」2017/01/11-01/22@EXシアター六本木、2017/01/26-01/29@神奈川芸術劇場ホール:青山劇場版は絶賛したけど今回は主役の長澤まさみが心配材料

・木ノ下歌舞伎「隅田川・娘道成寺」2017/01/13-01/22@こまばアゴラ劇場:踊りもの2つ

・野田地図「足跡姫」2017/01/18-03/12@東京芸術劇場プレイハウス:勘三郎へのオマージュだそうです

・おふぃす3○○「鯨よ!私の手に乗れ」2017/01/18-02/05@シアタートラム:くせもの揃いのキャスティング

・二兎社「ザ・空気」2017/01/20-02/12@東京芸術劇場シアターイースト:タイトルだけで言いたいことが伝わるのだけどひとつの名詞にここまで感情が付いてしまうのか

・アマヤドリ「銀髪」2017/01/26-01/31@下北沢本多劇場:あらすじが面白そうなのでピックアップ

・庭劇団ペニノ「ダークマスター」2017/02/01-02/12@こまばアゴラ劇場:こちらはあらすじだけで怪しい雰囲気が漂う

・TRASHMASTERS「たわけ者の血潮」2017/02/02-02/12@座・高円寺1:一度観たいけどまだ観られない

・Bunkamura/キューブ企画製作「陥没」2017/02/04-02/26@Bunkamuraシアターコクーン:東京オリンピック前を描くKERAの昭和三部作完結編、なのかな

・新国立劇場演劇研修所「MOTHER」2017/02/10-02/15@新国立劇場小劇場:マキノノゾミ脚本の宮田慶子演出って最近あまりない

・世田谷パブリックシアター企画制作「お勢登場」2017/02/10-02/26@シアタートラム :江戸川乱歩の短編を倉持裕がまとめる

・カタルシツ演芸会「生きてる時間」2017/02/15-02/18@あうるすぽっと:落語とのコラボレーションらしいけどちょっと公演期間が短い

・M&Oplays製作「皆、シンデレラがやりたい」2017/02/16-02/26@下北沢本多劇場:根本宗子でこのタイトルはすでに嫌な女の話を予感させる

・ロシア国立サンクトペテルブルグ マールイ・ドラマ劇場「たくらみと恋」2017/02/18-02/19@世田谷パブリックシアター:現代ドイツ版「ロミオとジュリエット」とか煽られて興味が湧いたのでピックアップ

5本観られたら上等、あとは時間と体力と運次第。最近は昼上演に偏っているので、この日の夜に上演していたら観られたのにっていうのが結構ある。

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2016年12月14日 (水)

劇団要るのか要らんのか

新国立劇場の取材レポートで面白いことが書かれていた。この取材に取材対象者のツイートをつけ加えたところがしのぶ氏のさすがのセンス。以下は谷賢一のツイート。

劇団ならまた別なんだよね。運命共同体だから周囲も必死で手を差し伸べる。しかしプロデュース制が主流の今、俳優は自力で向上・孤軍奮闘せねばならぬし、養成所の彼らもこの先は自力で役をもぎとっていくしかない。周囲を蹴落としてでも勝つしかない。そういう時代になっちまった。

それが本当にいいことなのか? と言うと、わからないんだ。プロデュース制というやり方は競争原理という観点からは合理的かもしれないが、冷たい。それだけで人は育たない。しかしそういう冷たい競争に俳優は晒されているということは厳然たる事実だ。

この話はもう少し演繹すると、日本社会に蔓延る自己責任論・新自由主義的発想に対する反論に繋がっていく。競争は必要かもしれないが、それだけで全て解決はできない。すぐ結果を出せと言い過ぎると人材はむしろ枯渇する。

この点は海外の事情と比較するとよくわかって、"Do not give other actors notes"って言われるそうな。

give notesは日本でいう ダメ出しのことで、「他の役者にダメを出してはいけない」、あるいは 「役者同士でダメ出ししてはいけない」って感じだろうか。 Keoはあくまで「このクラスでは」と限定していたけれど、 このルールはクラスだけでなく実際の芝居の稽古や撮影の現場でも常識っぽい。

ニュアンスがちょっと微妙なんだけれども、役者同士でアイディアを出し合って、 何か作っていって演出に見せる、というのは全く問題がない。 ダメなのは「こうした方が良いよ」みたいに価値判断を入れたり、 「こうしてくれると自分がやりやすいんだけど」と注文をつけること。
(中略)
日本での現場の慣習がどうなのかについては十分な知識を持たないんだけれど、 いつも一緒にやっている劇団だとか、あるいはかつての映画制作会社のように 気心のしれた監督と主要役者のチームであれば、判断基準がある程度統一されているため、 こういうことにあまりシビアでないかもしれないな、という気はする。 というのも、今、『役者は一日にしてならず』という ベテラン役者さん達のインタビュー集を読んでて、 そこにしばしば現場で役者同士稽古をつける、みたいな話が出てくるので。 その前に『Actors at Work』という、 こちらはハリウッドやブロードウェイで活躍する役者さん達のインタビュー集を読んだのだけど、 現場で他の役者から教わった、という話は無かったように思う。

自分が芝居を観始めたころはまだ劇団花盛りな時期で、今活躍している人たちのキャリアを調べるとどこかの劇団出身であることが多い。今年の大河ドラマなんて脚本家からして東京サンシャインボーイズですよ。

別に芸能界に限らず自分のことを考えても、右も左もわからない新人として会社に入ってから今に至るまで過ごせたのは会社という組織抜きではありえない。いきなりフリーで活躍とか無理。1年目から活躍するできる新人もいれば、10年経ってみたら必要不可欠なキーマンに化けたり、そうかと思えば腐って埋もれていく人もたまにいるので、本当、人材育成ってのはわけがわからない。ただ、やらかしても致命傷にならない環境、分からないときに聞いたり議論できたりする環境で何度か機会が与えられることは非常にありがたいものだとは思えるようになった。

もうひとつ、どこで読んだか忘れてしまったのだけど、「今の英語圏は母集団が大きくて代わりがいくらでもいるのでアメリカなんかではすぐにお払い箱にできるのであって、日本で同じルールで運用したら駄目になる」って意見。それにも一理あると思う。結局どのルールも一長一短あって、どの長を採ってどの短を我慢するかは自分たちで決めないといけない。

で、劇団という組織は、中の人間には弊害もあるけど、それ以上に利点もあるんじゃないかって気がしてきました。そもそも大多数の劇団が野良劇団なのですけど、それでも。

最後に笑った一言。もうちょっと多くてもいいと思う。

 宮田:上村さんや私は劇団育ちだから「まずはセリフ一言からだよ!」という思いもあります(笑)。

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2016年11月 7日 (月)

劇場では帽子を脱ぎましょう

たまたまと、同じ日に両方ともキャロットタワーで芝居を観たのですけど、開演前の客席で帽子を脱ぐようにお願いしている客席係が目につきました。客席の真ん中まで入りこんでお願いしていたので、本気度は高い。けど全員がお願いしていたわけではなく、昼も夜もたぶん同じ人がひとりだけお願いして回っているように見受けられました。想像する経緯は
・高い帽子をかぶって後ろの客が観えないことがあるので脱いでもらったことがある
・いちいち帽子の高さでお願いを変えるのは面倒なので全員に脱いでもらうようになった
ということではないかと思います。

仕事で必要だったり安全性の問題がある場所でなければ、建物の中で着席する場所では帽子を脱ぐのがマナーと思っていましたけど、最近はそうでもないようで、帽子を脱ぐマナーの根拠まで問われる事態になっているようです。劇場について言えば、10年前にはここまで帽子は見かけなかったはず。ここ数年で帽子がファッションとして一般的になってから、上演中もかぶっている人をよく見かけるようになった印象があります。

ただ劇場に限って言えば、後ろや横の人の迷惑になる可能性があるので、もう一律で帽子は脱いでくださいとお願いしていいと思います。冒頭の客席係が劇場の指示でお願いしていたのか自主的にお願いしていたのかは不明ですが、劇場の公式ルールにしてもらってもいいんじゃないでしょうか。その代り、最近は頭が涼しくなってきたので、冬場は劇場の暖房を適切に設定していただけると助かります。

劇場客席でよく見かける関係者では、いのうえひでのりがいつも帽子をかぶっていて脱いだ姿を見たことがないので、ぜひ脱がせることに挑戦してみてください。

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