2019年3月 3日 (日)

2019年3月4月のメモ

3月に比べて4月がスカスカなのは、調べ方が悪い自分のせいと、来月の予定すら公式サイトに載せてくれない劇場のせいです。こまばアゴラ劇場のように1年先の予定まで載せてくれとは言わないのでせめて3ヶ月分は載せられないものか。

・松竹製作「三月大歌舞伎」2019/03/03-03/27@歌舞伎座:昼の部の「傾城反魂香」、夜の部の仁左衛門の「盛綱陣屋」と知らざあ言って聞かせやしょうの「弁天娘女男白浪」と気になる作品多し。

・パルコ・プロデュース「母と惑星について、および自転する女たちの記録」2019/03/05-03/26@紀伊國屋ホール:初演を観たから多分見送るけど、斉藤由貴に代わってキムラ緑子なのが気になってしょうがない。

・小田尚稔の演劇「是でいいのだ」2019/03/07-03/11@三鷹SCOOL:去年に続いてこの時期に合せて再演、あと1回観ておきたいけどどうするか

・名取事務所「ベッドに縛られて / ミスターマン」2019/03/08-03/17@小劇場B1:少人数翻訳劇に活路を見出している名取事務所から、気になる役者を揃えて2本立てで

・Bunkamura企画製作「空ばかり見ていた」2019/03/09-03/31@Bunkamuraシアターコクーン:岩松了の新作

・新国立劇場こつこつプロジェクト「スペインの戯曲」「リチャード三世」「あーぶくたった、にいたった」2019/03/13-03/17@新国立劇場小劇場:将来の本公演を目指した長期計画の途中発表となるリーディング公演、公演期間は5日間でも1演目3回しか上演はないので注意

・加藤健一事務所「喝采」2019/03/13-03/17@下北沢本多劇場:そろそろ加藤健一事務所も観ていいんじゃないかという気にさせられる再演モノ

・木ノ下歌舞伎「糸井版 摂州合邦辻」2019/03/14-03/17@神奈川芸術劇場大スタジオ:いつも期間が短くて見逃している

・ベッド&メイキングス「こそぎ落としの明け暮れ」2019/03/15-03/27@東京芸術劇場シアターイースト:よくこれだけ女優陣を集めたなという顔ぶれ

・燐光群「九月、東京の路上で」「生きのこった森の石松 / あい子の東京日記」2019/03/15-03/31@ザ・スズナリ:去年の話題作をすかさず再演する「九月」と中編ふたつをそれぞれ上演する2本立てで、「あい子の東京日記」が気になったのでメモ

・パラドックス定数「Das Orchester」2019/03/19-03/31@シアター風姿花伝:劇場提携1年7本企画の大トリは学生時代の脚本を再構成

・世界の演劇「血のつながり」2019/03/22-03/24@文学座新モリヤビル1階:文学座有志による海外脚本上演ユニットで、家族の殺人事件の話だし上演期間短いけど、演出が稲葉賀恵なのでメモ

・M&Oplaysプロデュース「クラッシャー女中」2019/03/22-04/14@下北沢本多劇場:根本宗子の脚本演出

・財団、江本純子「ドレス」2019/03/27-03/31@ギャラリールデコ6F:どんな芝居か不明だけど、木ノ下歌舞伎から間も空けずに内田慈が参加するのに注目

・KUNIO「水の駅」2019/03/27-03/31@森下スタジオ:沈黙的で有名な大田省吾の代表作なのでこの機会に観ておきたい

・松竹製作「四月大歌舞伎」2019/04/02-04/26@歌舞伎座:昼の部の「御存 鈴ヶ森」は幡随院長兵衛が吉右衛門、夜の部の「実盛物語」は仁左衛門が主役、観たい

・うさぎストライプ「ハイライト」2019/04/03-04/08@こまばアゴラ劇場:てっきりアトリエ春風舎だと思っていたらこまばアゴラ劇場だったのでメモ

・シス・カンパニー企画製作「LIFE LIFE LIFE」2019/04/06-04/30@Bunkamuraシアターコクーン:「バージニア・ウルフなんて怖くない」を再演するつもりで同じメンバーを集めたのに企画が流れて別作品になったというKERA演出

・新国立劇場主催「かもめ」2019/04/11-04/29@新国立劇場小劇場:全キャストオーディションで新国立劇場では見かけない顔ぶれのキャストに、鈴木裕美演出、翻訳は小川絵梨子だけどトム・ストッパードの英訳からの重訳

・神奈川芸術劇場プロデュース「春のめざめ」2019/04/13-04/29@神奈川芸術劇場大スタジオ:気合の入った2019年度ラインナップの第1弾

・PARCO企画「良い子はみんなご褒美がもらえる」2019/04/20-05/07@赤坂ACTシアター:これもトム・ストッパードだけど、実力キャストで1時間15分に惹かれる

他に当日券の電話がまったくつながらない世田谷パブリックシアター企画製作「熱帯樹」が03/08まで、後半戦が始まった青年団「平田オリザ・演劇展vol.6」が03/11まで、観に行くつもりが体調不良で1回パスしたブス会*「エーデルワイス」が03/10まで。劇団☆新感線が大阪北陸で長期公演を開始しているけどそれを観に行く余力はない。

<2019年3月15日(金)追記>

3本追加。

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2019年2月12日 (火)

劇団東京乾電池「授業」アトリエ乾電池

<2019年2月9日(土)夜>

博士号を取るために教授の自宅に個人授業を受けにきた女性。知性高いと思っていた女性に授業を始めたら、頓珍漢な答えが返ってくる。それを受けて教授は奮闘していくが。

不条理劇と言われているけど、笑えるところは笑いをふんだんにちりばめて、こうありたいと思わせる演出。腕章をつけるところまで見せたのは演出なのか脚本なのか、そこまでやるなら後からの自戒を込めた風刺劇なことは明確だけど、不条理劇のくくりに入ってしまうのか。

狭い空間いっぱいに満ち溢れる、映像で観たことがなければ怪優と評したくなる柄本明の怪演ぶり。でもこの怪しさが本職だろうと思わせる。所々にメタなアドリブも入って、あちこちで「学芸会でいい」と言っていたのがどういうものか、少しだけわかった。いい年だろうにあのテンション、と思ったら最後に息切れしたのはご愛嬌。

終演後のあいさつでも言っていたから知っていると思うけど、1時間強の芝居でも腰が痛くなった。座席のクッションはぜひ考えてほしい。あと下北沢で駅の工事が行なわれて、アトリエまでの地図画像が役に立たなかった。踏切がなくなったから、本多劇場側から元踏切を超えて一直線が親切かと。

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2019年2月 6日 (水)

神奈川芸術劇場の2019年度ラインナップがすごい

ステージナタリーから雑に引用しますけど、芝居メインで気になるところを挙げただけでこれ。

2019年度(2019年4月~2020年3月)主催公演
・「春のめざめ」演出:白井晃
・「恐るべき子供たち」演出:白井晃
・KAAT×地点「シベリアへ!シベリアへ!シベリアへ!」演出:三浦基
・「ゴドーを待ちながら」演出:多田淳之介
・「ビビを見た!」上演台本・演出:松井周
・新作ミュージカル「怪人と探偵」演出:白井晃
・「ドクター・ホフマンのサナトリウム~カフカ第4の長編~(仮)」作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
・KAAT+KUNIO「グリークス」演出・美術:杉原邦生
・「常陸坊海尊」演出:長塚圭史
・「アルトゥロ・ウイの興隆」演出:白井晃

2018年度 提携公演ラインナップ
・地点「三人姉妹」
・快快「新作」
・庭劇団ペニノ「笑顔の砦」
・DULL-COLORED POP「マクベス(仮)」
・別冊「根本宗子」「そのバレリーナの公演はあの子のものじゃないのです。(English ver.)」+新作公演
・カンパニー・デラシネラ「どこまでも世界(仮)」

そのほか主催公演
・劇団四季ミュージカル「パリのアメリカ人」

今が働き盛りの小劇場出身演出家を呼んできて、ラインナップは新作半分名作半分で、自分も演出家としてフル稼働、という白井晃の芸術監督本気ぶりが見えます。売れっ子は2-3年先まで予定が埋まっているから、芸術監督が本領を発揮できるのは就任して2-3年後からということですね。

今まで見逃していたものもあるので上に挙げたものは全部観たいですけど、中でも渋くて上演機会の少ない秋元松代を長塚圭史に当てた「常陸坊海尊」と、大長編すぎて上演機会の少ない「グリークス」の2本は、公立劇場だからできる意欲的な企画の面もあります。わけわからん系の話が趣味の白井晃がこんな商業的興味をそそる仕立てでラインナップを並べてきたのが本当に意外で、失礼ですが見直しました。これでクビになっても思い残すことはないだろうという1年です。

なお、演出家の顔ぶれを見たときに一瞬「青年団?」と思ったことも書いておきます。雑な引用で隠れていますけどDULL-COLORED POPの谷賢一も青年団経験者です。人材があふれすぎだからさっさとユニットを作って独立していくのが最近の青年団ですが、この世代は演出部が黄金時代で、独立のはしりとも言える世代です。なので今好調な演出家を挙げたら入ってしまうのはしょうがない。ただ、それをこれだけ揃えて気にしない白井晃もすごい。

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2019年1月10日 (木)

2018-2019年冬のインフルエンザはすごいらしい

2年前には気がついただけで日程の一部を中止した公演が3本もあったのですが、この冬のインフルエンザもなかなか手ごわいらしいです。

誰かは不明ですが出演者の体調不良でパラドックス定数「トロンプ・ルイユ」が初日を飛ばしたというTweetを見かけたので記録です。インフルエンザという記載はありませんが、純粋な体調不良かどうなのか気になります。すでに人数が厳しかったか1/12(土)昼以外の公演に振替で対応。払戻の可否は記載がなく不明。なお上演日程を後ろに1日延ばして1/15(火)の夜にも追加公演あり。これは次の公演まで間が空いていたのと提携公演中とのことで柔軟な対応が可能だったか。

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2018年12月30日 (日)

2019年1月2月のメモ

1月の前半がスカスカで、見落としていないか後で再確認。ニッパチ(2月8月は興行不振の月と言われている)にチャレンジ企画を突っ込んだ結果、1月が手薄になったと読めなくもない。

・松竹製作「初春歌舞伎公演」2019/01/03-01/27@新橋演舞場:昼の部に「幡随長兵衛」、夜の部にこの前観た「俊寛」はともかく「鳴神」と「鏡獅子」で、一度観ておきたい演目が並んで迷う

・パラドックス定数「トロンプ・ルイユ」2019/01/09-01/14@シアター風姿花伝:劇場提携連続公演の6本目

・Bunkamura企画製作「罪と罰」2019/01/09-02/01@Bunkamuraシアターコクーン:野田秀樹の贋作は観たけど、これも新しく翻案したとあるし、どんなもんだか

・こまつ座「どうぶつ会議」2019/01/24-02/03@新国立劇場小劇場:エーリッヒ・ケストナーの児童小説を井上ひさしが舞台化したものを、半世紀ぶりで再演とか

・KAAT×まつもと市民芸術館共同プロデュース「マン イスト マン」2019/01/26-02/03@神奈川芸術劇場大スタジオ:ブレヒトを串田和美演出で、安蘭けいと再びタッグ

・中島みゆき夜会「リトル・トーキョー」2019/01/30-02/27@赤坂ACTシアター:とっくに前売完売だけど、また観に行くかどうするか

・東京芸術劇場制作「父」2019/02/02-02/24@東京芸術劇場シアターイースト:面白かったです

・松竹製作「二月大歌舞伎」2019/02/02-02/26@歌舞伎座:夜の「熊谷陣屋」が吉右衛門なのでここで一度観ておきたいのと、仁左衛門も出る「名月八幡祭」が気になる

・こまつ座「イーハトーボの劇列車」2019/02/05-02/24@紀伊国屋ホール:長塚圭史の演出で、宮沢賢治の話ですよね多分

・パルコプロデュース「マニアック」2019/02/05-02/27@新国立劇場中劇場:青木豪と古田新太との話から始まった音楽劇だそうです

・世田谷パブリックシアター/パソナグループ企画製作「チャイメリカ」2019/02/06-02/24@世田谷パブリックシアター:栗山民也演出の社会派芝居

・渡辺源四郎商店シェアハウス「過ぎたるは、なお」2019/02/08-02/11@こまばアゴラ劇場:いいかげんに観ておきたい

・劇団東京乾電池「授業」2019/02/08-02/11@アトリエ乾電池:イヨネスコの不条理劇、一度観てみたかったので柄本明主演ならできればこの機会に

・新国立劇場演劇研修所「るつぼ」2019/02/08-02/13@新国立劇場小劇場:アーサー・ミラーの魔女裁判ものを宮田慶子演出で、12期生の終了公演

・タカハ劇団「僕らの力で世界があと何回救えたか」2019/02/08-02/14@下北沢小劇場B1:ナイロン100℃から松永玲子と小園茉奈の2人を呼んでいるのでメモ

・Bunkamura企画製作「唐版 風の又三郎」2019/02/08-03/03@Bunkamuraシアターコクーン:演出も役者も唐十郎に向いていそうだけど主役の2人だけが未知数

・青年団「平田オリザ・演劇展vol.6」2019/02/15-03/11@こまばアゴラ劇場:「コントロールオフィサー」「走りながら眠れ」「ヤルタ会談」「忠臣蔵・武士編」「銀河鉄道の夜(2チーム)」までが公演前半、「忠臣蔵・OL編(3チーム)」「隣にいても一人(日本版3チームと韓国版)」「思い出せない夢のいくつか」が公演後半、土日は1日4本平日でも2本か3本で、一挙8本(公式では「隣にいても一人」の韓国版を独立させて9本扱い)上演、1本あたりの公演期間が短くチームを選ぶ余地はないので観られるときに観ないといけない

・新国立劇場制作「紫苑物語」2019/02/17-02/24@新国立劇場オペラパレス:日本の小説を元にした新作オペラってことで目に留まったのでメモ

・世田谷パブリックシアター企画製作「熱帯樹」2019/02/17-03/08@シアタートラム:小川絵梨子が三島由紀夫に初挑戦

・パルコ製作「世界は一人」2019/02/24-03/17@東京芸術劇場プレイハウス:岩井秀人の脚本演出に松尾スズキ、松たか子、瑛太が参加、脇もおなじみの役者で今回一番の注目

・ブス会*「エーデルワイス」2019/02/27-03/10@東京芸術劇場シアターイースト:鈴木砂羽を主演に迎えて久しぶりの本公演

夏は夏でひどい天気だったけど、冬に吹雪で観に行けない、なんてことがないように祈っておく。

<2019年2月3日(日)追記>

4本追加。東京芸術劇場の「父」はメモから漏れて観劇先行になってしまった。

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才能の発露について

日経ビジネスのコラム(要登録)からです。義太夫はまだ観たことがないけど、何か納得しました。

 誰もが感情過多で、大げさで、身勝手で、常に自己憐憫の虜になっている。しかも、彼らは、たやすく激発し、ことあるごとに自暴自棄に陥る。

 この5年ほど、年に何度かお誘いを受けて義太夫を見に行く機会に恵まれているのだが、見るたびにあきれるのは、あの時代の演劇台本の中で暮らしている人々のうちにある不穏極まりない激情だ。

 最初のうちしばらく、私は、太夫の口舌の中で展開される人物像の直情径行のありさまにただただあきれていた。
 どうしてそう簡単に死ぬの腹を切るのと短絡するのかと、知的な現代人たるオダジマは、緞帳の手前に浮かび上がる近世人の阿鼻叫喚を訝しんでいた。

 ただ、何回か通ううちに理解したのは、われわれの集合無意識を父母に持つ演劇的な人物は、観客の理性や賢さではなくて、われわれの感情と愚かさを代表して舞台の上に立っているということだった。

 別の言い方をすれば、義太夫のような演劇台本は、理屈で説明できないわれわれの民族の愚昧な感情を体現しているからこそ、時代を超えて人の心を打つことができるわけで、誰であれ小論文みたいな芝居を見たいわけではないということだ。

でもこのコラムの一番の注目は以下。才能についてこんなにきっぱりとした指摘は初めて読んだ。

 才能が、「やすやすと作品を生み出す能力」だったり「努力なしに成果が出る」魔法の杖としてもたらされるものであるのだとしたら、こんなめでたい話はないのだが、多くの場合、才能は、「特定の対象への尽きせぬ執着」という形でそれを持たされた人間を蝕むことになっている。

上手い奴ほど見切って辞めていくと聞いたことがある演劇業界だから、長く続けているというのも才能なんでしょう。その一方で、年齢制限を設けて引導を渡す将棋界のようなものもあります。結局才能というものはない人にはわからないんでしょう。私もわかりません。

だからどうしたと言われても困りますが、オチのこの文章に非常に心打たれたので引用してみました。

 何の係累もない、はるか海の向こうの局外者が、誰かを救うことがある。
 これこそが才能の力だと思う。

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2018年12月18日 (火)

入場券不正転売禁止法(チケット転売規制法)成立

正式名称は「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律案」だそうです。芝居のチケットも該当します。法律出されてもようわかりません、ということで適当に解説記事として弁護士.comより。

すべてのチケットが規制の対象になるのではなく、一定の条件を満たす必要があります。

(1)興行主や、興行主から依頼された販売業者が、

(a)販売時に無断の有償譲渡を禁止し、(b)入場できる人の氏名・連絡先を確認した上で、

(2)チケットの券面に、(1)を表示したもの、かつ、日時場所のほか、入場できる資格者か、座席指定が表示されているもの、です。

簡単にいえば、チケットを買うときに「無断転売禁止ですよ」という説明があり、入場できる人の氏名と連絡先を確認した上で、チケットにも「無断転売禁止」「入場者氏名」「連絡先」「開催日時」「座席番号」が表示されている場合です。また、こうした条件を満たせば、「QRコード」のようなものも対象となります。

法律本文だと連絡先は電話番号以外にもメールアドレスなどでも条件を満たすようです。別に転売するつもりはないのですが、コンビニでチケットを発券して、引取りで名前は書かされるからしょうがないにしても、電話番号やメールアドレスまで印刷されるのは嫌ですね。チケットレス化が進むかな。

自分がダフ屋のつもりで考えたら、当日券は名前や連絡先の記載がないので、並んで当日券が買える公演の場合は人を雇って並ばせる手段が考えられます。ただしそこまでやって高く売れる公演は限られているので、あまりうまみはなさそうです。それも防ぐなら抽選にしてしまうか、前日予約や前週予約でチケットガイドで当日引換券として売ることが考えられます。

リンク先のコメントに、手数料を取って払戻しする仕組がイギリスや香港にはあることが紹介されています。日本だとぴあがリセールを導入していますが、買い手がつかないといけない、リセールを認める公演でないといけない、など条件がいくつかあって使いこなせていません(詳細をいまいち把握できない)。ただ劇場直接販売を含むチケットガイドが、払戻しなりリセールなりの仕組を導入してほしいです。

普段は当日券が多いので具体的に困るケースを想定しづらいのですが、将来何かあったときのためにこのエントリーを残しておきます。

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2018年11月 1日 (木)

「シアターガイド」が休刊へ、サイトも運営停止に

倒産だそうです。まだ見られる本家サイトより。

読者の皆・ 関係者の皆様へ

急啓

平素より大変お世話になっております。

この度、弊社モーニングデスクは経営不振により、10 月31 日をもって業務停止し、月刊誌「シアターガイド」は、11月2日(金)発売・2018年12月号を最後に休刊することになりました。HP「演劇ポータルサイト シアターガイド ホームページ」も、今後運営を停止いたします。

1992年の雑誌創刊より長きにわたり、多くの読者に恵まれ、演劇に携わる全ての皆様のご厚情を賜りましたにも関わらず、このような事態を招きましたこと、心より申し訳なく思っております。

定期購読をご契約いただいていておりました皆様には、今後、お問合せ先等の通知が届くと思いますので、そちら宛にご連絡願えますと幸いです。

この事態に伴い、読者、関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしますこと、重ねてお詫び申し上げます。

末筆ではございますが、皆様の益々のご健勝とご多幸をご祈念申し上げます。

草々

有限会社モーニングデスク 社員一同11月1日

これだけネットが発達しているのにニッチな分野の雑誌が続くものだと思っていたけど、続かなかった。もったいないけどしょうがない。

倒産した場合の過去資産の取扱には詳しくないけど、ネットのデータとドメインは運営意欲のあるところに引継がれることを願うばかり。

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2018年10月31日 (水)

2018年11月12月のメモ

ついこの前に歌舞伎を批判していろんなことを書いておいて何だけど、それにしたって年末に悲劇的な話が多すぎやしないか。そして自分が偏っているにしても企画製作の芝居ばっかりで劇団芝居はほとんどないというこの現実。

・デンナーシステムズ企画制作「笑福亭釣瓶落語会」2018/11/01-11/04@赤坂ACTシアター:観られやしないだろうけどメモ

・神奈川芸術劇場プロデュース「セールスマンの死」2018/11/03-11/18(11/03-11/04プレビュー)@神奈川芸術劇場ホール:風間杜夫主演長塚圭史演出で名前だけは有名な芝居を観る機会

・東宝製作「ピアフ」2018/11/04-12/01@シアタークリエ:再演頻度の高い大竹しのぶ主演芝居

・新国立劇場主催「誰もいない国」2018/11/08-11/25@新国立劇場小劇場:そういえば江本明を舞台で観たことがない

・世田谷パブリックシアター企画制作「The Silver Tassie」2018/11/09-11/25@世田谷パブリックシアター:アイルランドの生臭そうな話を森新太郎演出で

・ワタナベエンターテインメント企画製作「光より前に」2018/11/14-11/25@紀伊國屋ホール:円谷幸吉とそのライバルの君原健二の物語を谷賢一の脚本演出で

・M&Oplaysプロデュース「ロミオとジュリエット」2018/11/20-12/16@下北沢本多劇場:主演候補女優が降板したとかしないとか話題になった、宮藤官九朗ができるだけそのまま演出しようという企画

・万作の会「法螺侍」2018/11/21、11/25@国立能楽堂:野村万作のシェイクスピアは観たいけど2公演だけで日曜日はすでに前売完売

・Bunkamura企画製作「民衆の敵」2018/11/29-12/23@Bunkamuraシアターコクーン:まだ観ていないイプセンの芝居は観ておきたい

・iaku「逢いにいくの、雨だけど」2018/11/29-12/09@三鷹市芸術文化センター星のホール:2本目をなかなか観られないiakuの新作

・テアトル・エコー「おかしな二人」2018/12/01-12/12@エコー劇場:今年亡くなったニール・サイモンと言えばこの劇団

・新国立劇場主催「スカイライト」2018/12/01-12/24(12/01-12/02プレビュー)@新国立劇場小劇場:蒼井優を迎えて芸術監督の演出一本目

・松竹製作「於染久松色読販」2018/12/02-12/26@歌舞伎座:名前だけ聞いたことがあるお染の七役が午前の部にあるのでメモ

・国立劇場主催「増補双級巴」2012/12/03-12/26@新国立劇場大劇場:石川五右衛門の作品をつなげ合わせて一本にしたものを吉右衛門の主演で

・ONEOR8「ゼブラ」2018/12/04-12/09@東京芸術劇場シアターイースト:劇団の看板作品を20周年記念で前売2000円というお得な価格で

・シス・カンパニー企画製作「日本の歴史」2018/12/04-12/28@世田谷パブリックシアター:ミュージカルで日本の歴史を描こうという三谷幸喜の企画が成功するかどうか

・城山羊の会「埋める女」2018/12/06-12/16@ザ・スズナリ:面白いわけでも後に残るわけでもない芝居を目指しているそうです

・シアター風姿花伝企画製作「女中たち」2018/12/08-12/26@シアター風姿花伝:今年のプロデュース公演は鵜山仁を迎えてフランスの女3人芝居

・PARCO PRODUCE「志の輔らくご in EX」2018/12/13-12/18@EXシアター六本木:見送ると思うけどメモ

・カタルシツ演芸会「CO.JP」2018/12/19-12/28@スーパーデラックス:間もなく取壊されるスーパーデラックスで、演劇の境界を探る寸劇集とか何とか

・高校演劇サミット「高校演劇サミット2018」2018/12/27-12/29:これで9回目の結構長く続いている企画、まだ出場校は決まっていない

・月刊「根本宗子」「愛犬ポリーの死、そして家族の話」2018/12/20-12/31@下北沢本多劇場:新作だけどチケット取れるものか怪しい

もう観たけど、11月は他にNODA・MAP、KERA・MAP、青年団など。

平日にこの日なら観にいけるかもという日があるのだけど、そこに限って時間が合わないとか休演日とか、都合が合わないことが最近増えています。

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2018年10月12日 (金)

2018年の東京台風直撃の対応の記録

2018年9月30日の日曜日の出来事。自分は家でじっとしていたけど、こんなブログを後日読んでしまった。そのときに調べておけばよかった、こういうのはすぐに記録しないと消えてしまう、いそいで記録を残しておく、と考えながら10日以上経った記録が以下になる。

先に状況もメモしておくと、台風24号が首都圏に来ることは5日前くらいから予想されていた。ただしJR東日本が夜8時以降の電車をすべて止めると発表したのが当日の昼12時過ぎ。JR西日本が予告して止めるのは2014年以降何度かあったけど、JR東日本が予告して止めたのは今回が初。新幹線から山手線まで全線が対象。私鉄もその後、順次取りやめを発表して最終的には以下のようになった。NHKより。

・小田急電鉄は、全線で午後10時から順次、運転を取りやめました。
・東京メトロは、東西線の地上部分を走る東陽町と西船橋の区間で午後9時から運転を取りやめました。
・東京モノレールは、全線で午後10時から運転を取りやめました。
・京王電鉄は、全線で午後10時から順次、運転を取りやめています。
・西武鉄道は、全線で午後10時から順次、運転を取りやめました。
・東京臨海高速鉄道のりんかい線は、全線で午後10時半すぎに運転を取りやめました。
・多摩都市モノレールは、強風の影響で全線で運転を見合わせています。
・東急電鉄は、東横線と目黒線を最後に午前0時までに運転を取りやめるということです。
・都営新宿線は、大島と本八幡の間で、都営三田線は本蓮沼と西高島平の間で、日暮里・舎人ライナーは、全線でいずれも午後11時に運転を取りやめました。
・ゆりかもめは、午後11時すぎに全線で運転を取りやめました。
・東武鉄道は、日光線と伊勢崎線の特急列車の一部が運休しました。

ここで芝居の世界で幸運だったのは、正真正銘の月末9月30日でしかも日曜日だったこと。なぜなら
・商業演劇や国公立劇場主宰の芝居は、月単位で行なわれることが多いため、月末は上演がないことが多い。
・最近は「土日祝日で翌日が平日の夜の回」は客入りが悪いため、日曜日は昼公演だけのことが多い。10月1日の月曜日は平日のカレンダーで、これに当てはまった。
・渋谷方面はPARCO劇場が建替中、シアターコクーンはメンテナンス中で長期休演の最中。

ということで、被害を免れたところが結構多い。逆に小劇場があわただしかった。

全部を拾うのは無理なので首都圏メインで調べた。上演時間や終演時間は公式サイト、公式Twitter、シアターガイドの上演時間情報のどこかから拾ったもの。書いた事情はリンクがなければすべて推測。あとTwitterの時刻もメモしたけど「本日」と書かれているツイートが前日深夜に見えて、自分の調べた環境で時刻がずれて表示されたかもしれないので、Twitterの時刻は信用しないでほしい。

最初に国公立劇場編。
・国立劇場:月末未上演のためセーフ。
・新国立劇場:芝居は月末未上演のためセーフ。なおオペラは昼2時からの上演でセーフだったけど予定通り上演することを朝10時に掲載。そういうニュース掲載は残しておいたっていいのにすぐに消されてしまったので困る。一応手元のコピーを案内文のサンプルとして載せておく。

本日、9月30日(日)の公演は、予定通り上演いたします。

台風により交通機関にも影響がでる可能性がございますので、お出かけの際は予め運行情報をご確認の上、十分余裕をもってお気をつけてお出かけください。

9月30日(日)の公演

●オペラパレス

オペラ「魔笛」関連企画「ウィリアム・ケントリッジ スペシャルトーク」 (14時開始)
※変更がある場合はこのニュースにてお知らせいたします(9月30日10時現在)
お問い合わせ:新国立劇場03-5351-3011(代表)

●中劇場

NBAバレエ団公演『リトルマーメイド』(12時/15時開演)

(最新情報は公演名をクリックして、主催者のウェブサイトにてご確認ください)

・東京芸術劇場:芝居は三輪明宏が夕3時と、招聘劇団が昼2時でおそらくセーフ。ただし表で開催していた大道芸は16時からの公演終了後、以降の公演を中止と前日23:18に発表。劇場も夜7時で閉館ほぼ同時刻に発表
・世田谷パブリックシアター:世田谷パブリックシアターは休演日でセーフ、シアタートラムは無名塾の「かもめ」千秋楽だったけど昼2時からの回だけなのでセーフ。
・座・高円寺:イタリアから招聘公演の「フランドン農学校の豚」を上演中だったけど昼2時の回だけなのでセーフ。
・神奈川芸術劇場:主宰の「華氏451度」は上演中だったけど昼2時からの公演のみでセーフ。ただし招聘公演だったアメリカのウースターグループ「タウンホール事件」が昼2時夜6時公演で、前日から上演予定ただし各公演の開演3時間前に再度発表すると掲載、その後当日昼3時に夜6時の回を上演ただし払戻しありと発表。元々前後3日間しか上演予定がなかったスケジュールなので振替ようがなかったものと推測。
・さいたま芸術劇場:事前に、雨天か否かに関わらず発表は当日朝11時にHPにて連絡と掲載。世界ゴールド祭の最中で、劇場では2つ、「病は気から」夕4時からの休憩なし2時間半と、海外ダンス「フロック」が夕4時から1時間がスケジュール。これは変更なしと前日22:29にアナウンス。またよりによって野外劇の「BED」上演中で昼1時半夕3時半の2公演をスケジュール。こちらは夕公演のみ3時からに変更して上演。もともとチケットを前売しておらず、上演に要する時間も35分と短い特殊な公演ため可能だった対応。

商業演劇方面
・歌舞伎座、新橋演舞場、日生劇場:月末未上演のためセーフ。
・帝国劇場:ジャニーズの「DREAM BOYS」千秋楽だったけど昼12時からの公演のみだったのでセーフ。
・シアタークリエ:東宝の「ジャージー・ボーイズ」上演中。当日は昼1時夜6時のうち夜の回を中止、同じ会場の公演期間に余裕がないためもともと予定していた神奈川県民ホールで空いている11月10日(土)夜に振替。ただし席は主宰者に一任、増えた席は追加一般販売させてくれとのこと。また払戻しも受付。会場が狭くならなかった分だけ主宰者に運があった。
・東京宝塚劇場:花組「MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎」上演中。昼11時夕3時半の公演で、この夕方の回が貸切公演に当たっている。どういう対応だったかは不明。ちなみにもっと台風に近かった本家宝塚大劇場の月組公演は夕3時の公演を中止して払戻し。これは翌日昼が千秋楽で、しかも娘役トップの愛希れいか退団挨拶(この後の東京公演で退団、本家ではこの公演が最後)まで組まれていたので、翌日夜は空いていてもいまさら追加はできずに中止判断したものと推測。
・シアターオーブ:東宝の「マイ・フェア・レディ」千秋楽だったけど昼12時からの公演のみだったのでセーフ。
・サンシャイン劇場:東宝の「文豪ストレイドッグス 黒の時代」上演中で、前日夜5時時点では上演すると言っていたものの、JRの運休を受けて公演中止と払戻しで対応。会場はあと1週間あっても、休演日と千秋楽を除いて夜公演が埋まっていた。その休演日も2日後の10月2日なので振替公演を組みたくても出演者やスタッフの調整時間も足りなかったものと推測。千秋楽の夜はその後に大阪公演が控えてバラシ、移動、仕込み、場当たりまでの時間を考慮すると余裕がなくてこれも振替公演を組めなかったと推測される。
・赤坂ACTシアター:乃木坂46で「美少女戦士セーラームーン」千秋楽で昼12時夜5時の公演あり。前日22:53時点で上演決行、ただし払戻し受付の発表あり追加2追加3)。6月と9月に分けた公演の大千秋楽なのでいまさら1ステージだけのための振替公演もままならず、かつこの公演だと熱心なファンが遠方から宿泊付きでやってくる可能性もあり、払戻しを用意したものの上演決行したと推測。ただし上演予定時間は2時間50分なので、終演後には赤坂から地下鉄には乗れてもそこから先のJRは一切乗れなかったはず。
・六本木EXシアター:PARCO制作で黒柳徹子の「ライオンのあとで」上演中だったけど昼2時からの公演のみだったのでセーフ。
・大阪公演で梅田芸術劇場を見つけたので追加。「ナイツ・テイル-騎士物語-」を上演していて夜6時の回だけというスケジュール。これは上演中止して期間中の10月8日(日)夜に振替。同じ会場なので席は同じ座席を利用。併せて払戻しも受付。

最後に小劇場編。代表して本多劇場グループで拾ってみる。千秋楽が重なっていた模様。
・下北沢本多劇場:加藤健一事務所「Out of Order」上演中だったけど昼2時からの公演のみだったのでセーフ。
・ザ・スズナリ:あひるなんちゃら「あじのりの神様」千秋楽で昼2時夜6時というスケジュール。電車停止を受けて夜の回のみ夜5時に繰上げTwitter1Twitter2)。上演時間80分予定の芝居だったためそれなら収まると判断した模様。あわせて当日券の予約をストップ、夜予約の人が昼に来ても入れるように受付準備した模様。これは後日談があるので後述。
・駅前劇場:ふくふくや「真実なんてクソくらえ」千秋楽だったけど昼2時からの公演のみだったのでセーフ。なお上演時間は1時間45分とのこと。
・OFF・OFFシアター:異魂「墨牡丹」千秋楽だったけど昼2時からの公演のみだったのでセーフ。
・劇「小劇場」:T1project「ショートストーリーズ vol.8」千秋楽だったけど昼12時夕4時の公演だったのでセーフか。上演時間不明。
・小劇場楽園:劇団チョコレートケーキ「ドキュメンタリー」千秋楽で昼12時夜5時を決行。なお上演時間は80分とのこと。
・シアター711:TAAC「を待ちながら。」千秋楽で昼1時夜5時だったのを決行。なお終演時間を6時45分と告知
・小劇場B1:佐藤貴史presents「喧嘩ウォーズ」千秋楽で昼2時夜5時を決行。終演時間を6時半と案内、あわせて当日券を前売価格で販売すると告知

これだけたくさん見ると対応の基本パターンが見えてくる。国公立劇場や商業演劇の場合は以下の3つのどれか。
(1)可能であれば振替公演+無理な人には払戻しをセット用意。この場合、振替先の会場が同じまたは近場で、かつ日程が似ている(夜なら夜公演、週末なら週末)ところで、かつ他の日程に悪影響を与えずに用意できるのが条件。週末だから行けるのに平日に振替えられても無条件で無理、という人は大勢いそうなので、わかる。
(2)振替先が用意できない場合その1として、潔く中止して払戻し。特に今回は日程以外の理由でも千秋楽の夜に追加できない宝塚の例もあって非常に参考になった。
(3)振替先が用意できない場合その2は、上演決行して無理な人には払戻しをセットで用意。今回は神奈川芸術劇場と乃木坂46のセーラームーンが該当。

ここに4つ目、5つ目の選択肢が出てきた。
(4)時間を繰上げて上演。これも帰宅に要する時間も含めて、繰上げて収まるであろうという前提。あひるなんちゃらと「BED」が該当するけど、「BED」は前売チケットなしで屋外公演という特別条件なので外す。
(5)決行+払戻し告知なし。今回だとさいたま芸術劇場の「病は気から」と、佐藤貴史presentsとTAACのケース。終演時点で、埼玉の与野本町で1時間30分、下北沢で1時間30分または1時間15分あるという条件。

上演する側と観客側とで理想が(1)なのはわかる。それが無理な場合に他のどの選択肢を取るのかが問題になる。先に自分の考えを書くと(3)より(2)。突然のトラブルと、事前に予想できるトラブルへの危機管理は結果オーライではなく最大限安全に振ってそれが空振りに終わってもよしとするべき、という発想による。もっとも今回に限っては首都圏では初の予告運休しかも当日アナウンスなので突然のトラブルと言ってもいい。あと自分が帰るのは東京都外で案外時間がかかるため、上演決行された場合に帰れなくなるなら観にいけない、いっそ中止してもらったほうがすっきりするという個人的な都合もある。

残り2つのうち先に(5)の対応について書くと、終演予定時点で3時間、譲っても2時間切っていたら払戻しも対応するべきだと考える。知人への手売や当日精算が多くて1時間あれば帰れる近隣の人ばかりと判断できたのかもしれないし、劇場の規模を考えると連絡が来た客には個別に対応したかもしれないけど、払戻しも発表して受付けるべきだったというのが自分の意見。さいたま芸術劇場も当日昼からでもいいから払戻しは用意されるべきだった。世界ゴールド祭りはほぼアマチュアかつ年寄りが出演するという特殊な条件の公演なので予想される客層も含めて急遽変更するほうましと判断したのか、大宮か武蔵浦和からどの方面でも帰れるだろうと判断したのか、不明。

そして(4)の対応。これは、近場だから帰れる、遠方だけど当てがあるから大丈夫、などと判断して時間通りに来た客が観られなくなって、払戻しとは別の問題が発生する可能性がある。やってはいけなかったというのが自分の意見。

あひるなんちゃらの主宰ブログで今回の判断について説明していて、過去に台風で似た状況でもお客さんが来てしまった、という経験に基づいて、中止はしない方向で判断したとのこと。

まさか電車が問答無用で止まるとはね。
最終日の夜の回は、見に来たら帰れなくなっちゃうような時間になりそうだったので、開演を早める、という決定をさせてもらいました。我々は帰れなくてもいいけど、さすがにお客様が帰れないのはどうかと思ったので。

私も、一瞬、中止にしようかと思ったんですけどね。まあでも、あれなんですよ、中止にします、って言ったところで、全員見に来ない、ってことはないと思ったんですよ。前にも1回、台風が公演に直撃したことがあって、その時は、今よりだいぶ小劇場のことを知らなかったので、電車止まってんじゃんもうこれ誰も来ないでしょ、って思って、かといって劇場から帰れるわけでもないので、なにか対応も考えるでもなく、みんなでのんびりしてたら、普通にお客様がいらっしゃって、どうやって来たのかわからないけど、じゃあやるか、みたいな感じで本番をやったことがあったんですよ。だから我々レベルの公演においては、中止にしてもあんまり意味がない、と判断した次第です。

開演時間を早めたことで、逆に見に来れなくなっちゃったお客様には本当に申し訳なかったのですが、こういう事態だったので、ご容赦いただければな、と思います。

何人かは観に来る客がいるから上演する、というのはわかる。でも開演時間を繰上げたら、予定通りに観に来た客に無駄足を踏ませることになる。観に行けなくなったとわかった客はまだよくて、公式サイトやTwitterに当日情報を載せたとして、それを見てもらえるとは限らないし、見た時点では掲載が間に合っていないこともありうる。観に来た客が激怒したらどういう対応を取るつもりだったんだろう。

だいたいチケットの裏面には、「興行中止以外の払戻し、振替は行なわない」という記載と同時に「指定した日時の回のみ有効」という記載がある。前者の記述は(3)のケースに反して払戻しているけど、客に有利に振った判断なので文句は出ないはず。少なくとも払戻しがないなら無理して出かけるという客を減らして惨事の可能性を減らせる。でも後者の記述は、客も縛るけど上演側も縛る条件で、トラブルで開演が遅れるならともかく、前倒しされて観られないのでは、大げさに言えば訴えられてもしょうがない。そこに公演規模の大小は関係ない。前売に一般客はいなくて直接謝ることができる知人だけだった、という前提があってもぎりぎり選択肢に乗ってくるくらいのリスキーな判断で、そこで結果オーライを狙うものではない。

と振返って、上演側にとってどういう判断と行動が適切だったかを考える。

まず運休の案内については、今後改善される見込み。ブログを書くのが遅れたのでそんな記事が出てきた。Yahoo経由で毎日新聞より。

 国土交通省は10日、9月末に日本列島を縦断した台風24号に備えて鉄道各社が実施した「計画運休」などの対応を検証する会議を開いた。会議には鉄道22社が出席し、計画運休について「安全確保の上で必要」との認識を共有した。一方で、首都圏の一部路線で運転再開が遅れ、利用者が混乱したことから、情報の提供方法の改善が必要との声が相次いだという。国交省は今後の運行の参考になるよう、12日をめどに各社の意見を集約する。

 会議は非公開で行われ、国交省鉄道局によると、JR6社と首都圏や関西圏などの私鉄16社が参加した。台風の進路予想に基づき、東武、京成、京急、西鉄を除く18社が9月30日午前から運転本数を減らし、夕方以降、全面運休するなどの対応を取った。JR東海は同日午後5時以降、東海道新幹線で全面的な計画運休を初めて実施した。

 運休の情報提供については、JR西日本とJR東海、南海、京阪が29日から具体的な運休時間帯を周知したのに対し、JR東日本を含む首都圏の各社は当日の30日になって周知した。新幹線や関西方面では混乱が少なかったが、首都圏の利用者からは「もっと早く知らせてほしかった」と不満の声も出た。鉄道会社からは「運休の可能性がある段階でも周知すべきだ」「自治体にも情報を提供することが必要」といった意見が出たという。

 台風が通過した10月1日朝は、安全点検や線路への倒木や飛来物のため、JR中央線など首都圏の一部路線で運行再開が遅れた。通勤時間帯にも重なり、乗客が駅内外にあふれたことから、JR東が32駅で入場規制を実施するなど各社は対応に追われた。鉄道会社からは「安全を確認した上で運転を再開する方針だったが、多くの乗客に『始発から通常通り運転する』と受け止められていた」との反省の声が出たという。

なので、今後はアナウンスが前日のうちに発表されることが期待できる。関西の鉄道会社が前日からアナウンスしていたのはこの記事であらためて気がついて、商業演劇のケースで本家宝塚と梅田芸術劇場が中止や振替を決めたのは、運休慣れしていた関西の鉄道会社が前日に判断していたので客への周知も含めて時間が取れた、という理由もありそう。

それを受けていつ告知するか。前日に判断できればいいけど、台風は進路が読みにくいので、実際の判断は当日になるはず。でもそれだけでは無理があるので、前日の時点で「当日X時に決定」と告知しておくのがよい。その上で当日X時に判断して告知するのが理想。もし複数回公演があっても一括で発表する。このX時を何時にするかが問題で、交通機関が運休を前日に発表してくれたらそれを受けて前日に即時発表でいい。でもそうならない場合、神奈川芸術劇場のように3時間前では遠方の客に余裕がなさすぎる。気象庁の天気予報は朝5時、昼11時、夜5時の3回更新が基本で、交通機関はそれを見て判断するはず。今回のJR東日本が昼12時過ぎに発表したのは昼11時の天気予報を見て決めたのだと思う。発表は朝のうちにしておくのが遠出になる客には望ましいので、5時の天気予報を見て交通機関が運休を考えて発表するまで2時間ちょっとの猶予を見ると、朝8時には関係者で対応を確認して、8時半から9時に発表するつもりで準備するのがよい。

あと告知の手段。国公立劇場や商業演劇は、公式サイトを随時更新していて、こういう点は人手の多い組織のいいところ。小劇場は今回公式サイトを探したけど、更新されていた気配はなくて、たいていTwitterを告知に使っていた。人手もないだろうし手間を考えるとTwitterを使うのは分かるのだけど、それであれば公式サイトに前日のうちに「上演予定は公式TwitterでX時に発表します」と書いて公式Twitterのリンクを載せておいてほしかった。それなら客もそちらを確認できるし、制作者も公式Twitterの更新で済む。トップページと公演ページの両方に記載されているとなおよい。今回Facebookまでは確認しなかったけど、TwitterがFacebookでも事情は同じ。最近は当日券情報などもTwitterで発表することが一般的なようだけど、サイトがあるならサイトのほうが公式度は高いので、そこから辿れるようにしておくのは本来必須。

そして肝心の対応は、事情に応じて(1)(2)(3)のどれか。(1)が最上、(2)でも客が劇場の往来で往生したり、最悪劇場に閉じ込められて一緒に一夜を過ごすことになるよりはまし。どちらもかなわないなら(3)もある。状況の変化によっては(3)のつもりが(2)になることもあるかもしれない。でも、どのケースも払戻しは覚悟して準備する。上演決行するなら上演時間はずらさない。あと規模が大きいと強引に来場する客の数も増えて対応もトラブルになる可能性も指数的に増えるので、1000人を越えたら中止に振るべきで、1万人を越えたら中止必須。芝居だと滅多にないけど。

調べた内容ここまで。今後の資料として活用されたら幸い。

あと今回調べてもわからなかった内部事情で気になることもメモ。
・公演中止になった場合、保険を掛けていたら下りるのか。契約によって人災オプションとか天災オプションとかがあって、天災オプションを付けていた場合のみ保険が支払われるようになっているのか。
・千秋楽で帰れなくなりそうな場合、あるいは帰れなくなった場合、バラシは明日で追加費用も請求しないから早く帰ろう、と劇場で事情を汲んでくれるのか。劇場スタッフだって帰りたいだろうから、翌日の劇場利用予定が空いていて、上演側の都合もつくようならそんな提案もできそうだけど、どうだったか。
・劇場内の夜公演がなかったとはいえ、大道芸を中止して、夜7時に閉館することを決定した東京芸術劇場の判断と手際のよさが目立つ。副館長の関与が推測されて気になる。この決定にいたる経緯と、あるなら普段のシミュレーションについても、参考事例としてぜひ公開してほしい。

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