2010年1月24日 (日)

青年団「カガクするココロ」「北限の猿」こまばアゴラ劇場

<2010年1月23日(土)昼/夜>

とある東京の大学の、生物の進化を研究するためのプロジェクトの研究室。そこに出入りする様々な学科出身の助手や学生が織成すある日の午後の一幕「カガクするココロ」。同じ研究室の10年後、研究は進化して猿を人為的に進化させる試みになっている。以前から残ってプロジェクトに関わっているものもあれば、新しい学生もいて、そんな研究室の午後の一幕「北限の猿」。

これに「バルカン動物園」を加えて平田オリザの科学三部作となるそうですが、今回は2本。時間の都合で同じ日に観ましたけど、いやー面白い。特に前者は、今まで観たどの平田オリザ芝居よりも、人間を生き生きと描いているように思える。

「カガクするココロ」は、惚れた腫れたの真っ只中にいる学生たちが、生物の進化という研究テーマに無自覚に関わったりなんかするあたりの匙加減が絶妙。特に、研究室の男性と付合っている女性が、その妹の友だちに生物への関心を熱心に語るサビの場面のシチュエーションと展開はたまりません。その点「北限の猿」は、10年たって進んだ研究と、10年たっても変わらない研究室のいろいろに、猿と人間の対比を絡めて描いて、もう少しクール。

登場人物は、名前が一部共通している割に、2作間のキャラクターのつながりはあったりなかったりして、しかもキャスティングが違う、それでいて同じ役者が似たような立場の役をやっていたりして、ちょっと2作続けて観たら混乱しました。そういうハンディを差引いても、私は「カガクするココロ」のほうが好みでした。次の日に予定していた芝居が観られなかったら、これだけでももう1回観ようと考えたくらいで、特に兵頭公美演じる山岡さん(前述の、研究室の男性と付合っている女性)は、観ていてうっかり惚れそうになった。危ない危ない。

 

これだけの芝居を上演して、まったく役者に困らない青年団の層の厚さと、平田オリザの演出の力量、再演に足る脚本の蓄積には、ほとほと感服します。もうすぐ終わるし、どうせお客さんは大勢来るでしょうから、口コミプッシュは止めておきますけど、「カガクするココロ」は口コミプッシュしたくなる仕上がりでした。上演時間は1時間半(客入れからならプラス20分)でも、感覚としては2時間以上に感じる。それくらい他の芝居と比べて情報が多い、よくできた脚本です。

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2010年1月11日 (月)

PARCO PRESENTS「志の輔らくご in PARCO」PARCO劇場

<2010年1月10日(日)昼>

村おこしで箱モノを作ろうとしていたら予算が「身代わりポン太」。今夜中に仕上げないといけない仕事の最中に送られてきた間違いファックスが騒動に「踊るファックス二〇一〇」。血筋のない家柄から名代に引立てられるも、同業者の妬みから損な役を割当てられた歌舞伎役者が一世一代の大勝負に「中村仲蔵」。

今年は観られた志の輔らくご。前半は笑いの多い創作噺2本で(たぶん「身代わりポン太」が新作)、後半は締める。満足。

中村仲蔵は以前も聴いたけど、前回よりも解説を多くして、緊張感が強まらなさすぎるようにしている。筋は知っているので、途中からもう涙目。照明の吊り具合から察するに、中村仲蔵は固定演目。

その枕で、ライバルは同業者ではなくて飽き、飽きが一番の大敵という話があって、最近の自分に心当たりがあって思いっきりうなずく。そういう状態で中村仲蔵を聴くと、精進しないといけないよなと思う。それを志の輔も意識しての演目、かどうかはわからないけど。今の自分には、よくできて文句なしに面白い前半の2本よりも、この枕のほうが堪えた。

<2010年1月15日(金)追記>
そういえば2本目の枕に覚えがあって思い出せなかったんですけど、思い出しました。「毎月新聞」に載っていた話でした(おじゃんにできない)。このときの企画会議に出席していたならともかく、アレンジされた内容から推察するとそういうことでもなさそうです。創作噺を2本も聴かせてもらってなんですが、枕はもっとべたなギャグか、オリジナルか、どちらかでやってもらいたいもんです。

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2010年1月 7日 (木)

Bunkamura主催「東京月光魔曲」Bunkamuraシアターコクーン

<2010年1月4日(月)昼>

大震災の被害から復興し、稼ぐもの、上京するもの、たくましく生きるものたちが集まって繁栄をしている昭和4年の東京を舞台に、父を早くに亡くした姉弟と、その周辺で発生する連続殺人。愛と過去の因果が絡んだ事件に、行きがかりで取組むことになった私立探偵と友人の小説家。

年末に見損ねて新年早々挑戦。シリアスと色気と笑いが程よくミックスされてバランスのよい1本。新年よりは年末に観ておきたかった内容だけど、さすがによくできている。内容だけなら、よくできすぎ、上手すぎて、観ていて安心してしまうのが不満というくらい(何だそれ)。姉弟ものとしては、カメレオンズ・リップを彷彿とさせる。シアターコクーンはKERAには姉弟路線をやらせたいのかな。

それはさておき、長い。とにかく長い。たぶん三部作予定という理由だと思うけど、これ1本だけならディテール勝負のKERAでもいらないだろうという人物も登場させての3時間半に、姉弟にまつわる話、殺人事件、上京した兄弟、復興成金など、てんこ盛り。回転舞台を3つに割って、さらに舞台前面も活用して、それだけやっても舞台転換が追いつかず暗転が存在するというのは、ある意味限界への挑戦を目撃しているわけであって、ここまで来るといっそすがすがしい。

それでもやっぱり、このキャストをKERAが演出するという時点で素晴らしい。最近演出家に恵まれている松雪泰子の色っぽさと、前に2回ほど舞台で観たときとがらっと印象が変わったユースケ・サンタマリアの2人は、このメンバーのなかでもとても魅力的です。着物姿で登場する役者は、男も女も3割増で観ていて美しいです(松雪泰子の髪がシャンプーの広告のようにまったく乱れないのは素晴らしいセット技術ですね)。やや下手よりの席だったので、背後の満月があまり見えなかったのが残念なくらい。

最後まで話は何転もするので、観るなら3時間半きっちり確保して、二部三部も全制覇する覚悟を決めて、行きましょう。

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2009年11月15日 (日)

パルコ企画製作「海をゆく者(プレビュー公演)」PARCO劇場

<2009年11月14日(土)夜>

アイルランドの田舎。怪我で目が見えなくなった兄の世話に戻ってきた弟。一人では外出もままならない兄は、クリスマスイブということで、家に友人を呼び祝おうとする。そこに弟と因縁のある友人も呼んでしまい険悪な雰囲気になるが、その友人は途中で知合った男と一緒に来訪する。

中年男ばかりの5人芝居で休憩を挟んで3時間。アイルランド人はこんな辛気臭い話しか書けないのかという出だしに身構えてしまいましたが、登場人物が増えてから一気に面白くなります。そうなると役者の実力が生きてくる。飽きさせない芝居でした。人間の弱いところをたくさん描きつつ、それでも見放さないところが、芝居に深さを与えます。この匙加減は栗山民也の演出に追うところも大きいでしょう。地味になりすぎず、派手になりすぎず、よいバランスを保っていました。

なんというか、この脚本はあまり西洋モノっぽくないですね。ディテールはとてもしっかりしているんですけど、脚本のノリは、どちらかというと日本の小劇場に近いものがあります。迫力あるぶつかり合いをあれだけ見せておいて、オチはあれでいいのか(笑)、いやいいんだろうな、という展開。あと、はっきりと片付かない問題をひとつ放置しておくのも、あまり翻訳モノではみかけないかな。

肝になる設定も、日本の芝居に慣れた立場としては「現実離れした設定がより現実をはっきりさせる」ととらえましたけど、西洋の人にはあれもひとつの現実と認識しているのかもしれない。キリスト教の国の人の設定ですよね。何をいっているのかわからないでしょうけど、この芝居はネタばれなしで観た方が面白い。

役者はみんな芸達者。登場人物は基本的にダメ男ばかりなんですけど、みんなダメ男の役が上手(笑)。浅野和之は最初誰だかわからなかった。吉田鋼太郎は、一番声が大きいのに一番怒鳴り散らす役で、ちょっとうるさい(笑)。個人的には小日向文世がよかったかな。あと、照明がいい雰囲気を出していた。

落込みそうなところで観ると慰められるというか励まされるような芝居で、実際励まされるところがありました。God bless you! という言葉はこういう時に使うんだということを教えてもらえる芝居でした。

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2009年9月20日 (日)

大人計画「サッちゃんの明日」シアタートラム(ネタばれ少々あり)

<2009年9月19日(土)夜>
祖母と父と同居しつつ、ひとりで蕎麦屋を切盛りするサチコ。昔のとある事件がもとで片足がやや不自由。学生時代の同級生が訪ねてきたりするが、浮いた話にはとんと縁がない。そんなサチコが30歳になる前の日の、とある騒動から始まるものすごい出来事の数々。

松尾スズキの新作自体が久しぶりな上に、私が観られなかった時期もあったのでものすごーく久しぶりな気がする(ウーマンリブとかキャバレーは観ましたけど)。後ろ暗さ満開の設定は、本でしか読んだことありませんけど、初期の作品に近いんじゃないかと思われます。こういうのができるのが松尾スズキだよなすごいよな、と思いながら楽しませてもらいました。

下ネタとか身体障害者ネタとかを次々と繰出しながら、薬ネタとか選挙ネタとかタイムリーな話もおりまぜて、ずいぶんと吹っ切れた展開で進みます。でも芝居中の台詞で言っているみたいに「差別とか障害とかも平等に扱って笑い飛ばす(大意)」というのがよいところ。差別をことさら差別しない感じが、最後にある種のカタルシスになるんですよね。ネタばれが過ぎるので具体的には書きませんけど、台詞のインパクトの強さもたまりません。

これを大人計画の役者が演じられるのは普通(といってもすごい)ですけど、客演がまた頑張っている。小松和重はあの動きがすごい。2役演じる演技力以外にあれだけ動けるなら、松尾スズキでなくともオファーが出したくなるでしょう。で、その小松和重のサモ・アリナンズつながりとなる家納ジュンコは、こんな役者が劇団四季に所属していたのは目指した方も雇った方も間違いだろうと言いたくなるくらいの熱演で、秋山菜津子以外にもこれだけの体当たり演技ができる女優が登場したのは喜ばしいです。反面、主役の鈴木蘭々がまだ控えめというか吹っ切れていないというか、確かに下ネタもたくさん振られている役なんですが、芝居の流れの中では全然不自然ではなくむしろおいしいポジションなので、後半に向けてぜひ成長してほしいところです。

当日券情報を少々。見切れらしい見切れはないはずなので席による違いは心配無用。しいて言えば下手の方がやや見やすいかも。基本的にはトラムシートに立見。夜公演は昼間に、昼公演は前日夕方に電話予約が必要なので注意。この日は30人強発番して、立見が数枚余っていた。

それにしても、夜公演の電話が12時からというのは、芝居前に使える時間が制限されてしまうので止めてほしい。10時からでいいじゃないか。と制作に文句を言ってみる。

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2009年7月19日 (日)

世田谷パブリックシアター企画製作「奇ッ怪」シアタートラム

<2009年7月19日(日)昼>
田舎の、さらに人家から離れた、昔は寺だったという旅館に泊まりこむ小説家。そこにやってきた2人の男。話の流れでお互い知っている怪談を披露することになるが・・・。

小泉八雲が聴き集めた怪談5本を、イキウメの前川知大が構成。あらすじを詳しく書くとネタばれして面白さが消えてしまうのであまり書きませんけど、一味加えた絶妙の組合せと仕上げで魅せてくれます。ああ、怪談という素晴らしいコンテンツが日本にはあるんだなと認識できました。いやー面白かった。

怪談5本と言いましたが、怖いものあり、笑えるものあり。しかも仲村トオル、池田成志、小松和重の芸達者がぐいぐい引張ってくれます。照明や音響を使った効果も手伝って、緩急自在で飽きさせません。

観ておいた方がいいですよ、といいたいところですけど、残りは千秋楽だけなので、今更あまり強くは勧めません。

苦情を2つ。当日券が正真正銘立見だけ、っていう公演は、そこそこ長い観劇歴の中でも初めてでした。最近は観客の入りが悪い芝居も多い中、できるだけ販売を確定させたい事情はあるでしょうけど、トラムシートすら売切れってのはさすがに前売のしすぎだと思います。千秋楽に挑戦する人は2時間立見を覚悟しておいてください。

あと、当日券は45分前から販売開始です。劇場のページには掲載されていたので見落としていたのはこちらのミスですけど、せめて劇場入口には「45分前から販売」と一言書いておいてほしかったです。当日券販売は1時間前がデファクトスタンダード(?)なので、そこからはずすなら、劇場入口に小さな紙を貼っておくくらいのことは、やってくださいな。

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2009年6月29日 (月)

劇団、江本純子「セクシードライバー」ギャラリー LE DECO

<2009年6月27日(土)夜>

タクシー内に携帯電話を忘れてきた女。歩いて歩いて、ようやく探した公衆電話からタクシー会社に連絡を取る。タクシーの運転手が届けてくれたが、その分のタクシー代を払えという。払いたくない女と払ってほしい男が繰広げるやり取りの結末は。

本当は「炎の人」を観に行きたかったんですが、間に合わなかったのでこちらに切替えました。作品だけ観れば佳作の80分。

どこまで脚本で細かく書かれているのかはわかりませんけど、よくここまで膨らましたなという脚本。それに対して演出は、前田司郎の怪演に負うところ大で、安藤玉恵が張合えなくて、バランスが悪い。あと、ちょっとだけ出てくる江本純子の場面が、直前直後の会話(安藤玉恵が江本純子を相手に会話しているように見せる場面)とリズムが合わなくて違和感。もちろん、後の会話への伏線というのもあるんですけど、あれなら省いても良かったと思う。

目の付け所も仕上がりも、良くも悪くも小劇場っぽい。値段に見合うかと言われれば、高い。あと受付がグダグダでマイナス30点。

でも次回作が、期待させるキャストに、女が描く女芝居で、気になるんですよね。またあの狭いスペースかと考えるとちょっと残念なんですけど、多分スケジュールが合わないので、それで見られないのは心残り。

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2009年6月15日 (月)

Bunkamura企画製作「桜姫」Bunkamuraシアターコクーン

<2009年6月13日(土)夜>

慈善活動に勤しみ、奇跡を起こすと言われている「聖人」セルゲイ。ある町で、手が開かい病気になった娘・マリアを治したが、開いた手のひらから出てきたのは、かつて心中しようとして独り死んでしまった相手が身に付けていたはずの宝石だった。病気が治り、婚約相手の家に向かうマリアが出会ったのは、かつて自分に暴行を働いて、今も忘れられない男・ゴンザレス。マリアを追うセルゲイと、マリアが追うゴンザレス、3人はやがて、貧民街に紛れてしまう。

コクーン歌舞伎の現代劇版ということで、オリジナルはもちろん歌舞伎だけど、長塚圭史を脚本家に迎えて、舞台を南米に移した現代よりすこし昔の話。長塚圭史が「わかってもらえなくてもいいや」モードで書いて、串田和美が「わからないようにしてやろう」モードで演出した感じの、猥雑な、ちょっと筋がわかりにくい話。

元の筋書きを知っている人はすんなりわかるだろうけど、南米らしいのかなんなのか、殺風景な美術の影響もあって、最後の場面でやっと「ああ、そういう筋だったのか」と思ってしまうくらいわからなかった。オリジナルの話がすでに複雑みたいなので、これから観る人はこのくらいの前知識を持ってから観るほうがいいです。

役者がですね、わけがわからないなりに惹きつけられる大竹しのぶとか、最近はずれなしの秋山菜津子とか、出番は少なくとも何気に格好いい井之上隆志とか、いろいろ気になる人はいるんですけど、主役の白井晃と中村勘三郎の台詞が何かさらさらして、個人的に駄目でした。もうちょっと、話の筋を主役の2人から感じられると良かったんですけど。というか、歌舞伎のフレームワークを外れてストレートプレイをやる(けど歌舞伎になってしまう)中村勘三郎は、観ていてつらいです。

個人的に、こういうわかりづらい芝居は嫌いではないのですけど、そういう芝居ほど、今なにをやっているのかだけはわからなくてはいけないわけで。あれこれ考えると、値段に見合わなさすぎだったかな。残念。

仮設席を使った囲み舞台なんですけど、舞台側の席は、趣向は面白いし見切れもほとんどないと思いますけど、やっぱり正面向きの芝居が多かったので、当日券で観に行く人は正面、または(空いていれば)舞台そばのサイド席をお勧めします。

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2009年4月26日 (日)

tv asahi/ニッポン放送主催「鶴瓶噺2009」世田谷パブリックシアター

枕「草彅剛は俺が預かった」、理由あって5日間とも話します「盲腸」、撮影するのも出演するのも人間です「弟、ディアドクター撮影裏話」、技術の進歩は人間を馬鹿にする「音声認識とか乗物とか」、芸能人だけでない変な人「鶴瓶のマネージャー」、兄弟姉妹の中では鶴瓶が一番普通「姉と兄」、最後の話は毎年スタッフからのリクエストで決めています「玲子との出会いについて」。

ここまできっちり決めて話したわけではないのですが、概要はこんなもんです。当日券派は突然気がついた舞台を観に行けるという利点があるわけで、前日に気がついたので当日券で観てきました。

終盤に少しだけ映像が入るのですが、基本的には2時間30分休憩なしでずっと話しっぱなし。様子を見ながら少しずつ手を加えて話を進めるのはベテラン芸人の安心感。面白い話といえば面白いです。

でも有名人の舞台を観るたびに思いますけど、有名人目当ての客席は緩いんではないかなー、と思います。冒頭の概要を見てもらえばわかりますけど、基本的には自分が体験した話を面白おかしく話しているだけです。その話し方がいかにも自然なので話芸といえばそうなんでしょうけど、客席が爆笑するとかえって笑えませんでした。ええ私はひねくれモノですが何か。

最後の話は準備も十分で一番よくできた話だったんですけど、残念ながら一部は偶然ラジオで聴いたことがありました。そのせいでちょっと損した気分。

テレビを観ているような舞台でした。

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2009年4月14日 (火)

Bunkamura企画「三文オペラ」Bunkamuraシアターコクーン

<2009年4月11日(土)夜>

名の通った悪党を従えて、警視総監とは戦友で、怖いものはない男、メッキー・メッサー。今回は乞食の元締であるピーチャムの一人娘に手を出した。が、これに激怒したピーチャムは、メッキーを陥れるべく手を回し始める。

名前だけは聞いたことがある三文オペラが、ずいぶん魅力的なキャストで上演されたので観劇。当日券で2列目どセンターを取れてしまった。感想は、すごーくよく出来たオペラ(踊りがないけど、ミュージカルって言ったほうがいいのかな?)。

三上博史が堂々たる主役演技で引張る。三上博史ってこんな男くさい格好よさを出せる役者だったんだと感心。秋山菜津子、田口トモロヲなど小劇場出身の濃ゆい面子も王道演技。デーモン小暮、安倍なつみ、米良美一といったいわゆる有名芸能人が、それぞれのイメージをやや誇張した演技で対抗。デーモン小暮と米良美一はそれなりのレベルを最初から期待していたけど、演出と配役の配慮があるにしても、まさか安倍なつみがあれだけ観賞に堪える演技と歌を披露するとは思わなかった。モーニング娘。おそるべし。

大道具小道具はいろいろあるにしても、結構素舞台に近い空間で動くのがよいです。そして衣装がずいぶんと凝っていました。役者の造形を明確にするのに一役かっていました。例えば安倍なつみの衣装で、キティのバッジを付けた毛皮のコート、なんてのは子供っぽさを出すのに効果的ですよね。

で、それなりに満足したんですが、なんかものすごく大きくてしっかりした枠の中にきれいに収まったパズルのような印象を受けました。演出も役者も真面目にやりすぎて、脚本に負けていたのではないでしょうか(もちろん面白い脚本なんですが)。そういう意味では、最初に出てきたときに周りとの違和感があった明星真由美が、実は枠を取払うための努力を一番していたのではなかったかな、と終わってから思いました。田口トモロヲにもややその気配が感じられましたが。

出演者のファンであるなら楽しめることは間違いないのですが、純粋に舞台の仕上がりを考えると、S席12000円の価格を考えると、もう一歩の頑張りを求めたいところです。

土曜日夜で満席だったのですが、立見が出ていなかったので、当日券でも大丈夫だと思います(平日はS席を中心にチケットが余っているようです)。ただ、舞台の奥の搬出扉に近いところまでがアクティングエリアになるので、コクーンシートの前寄りだと見切れが発生するかもしれません。

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